秋の山陽・佐賀紀行(3) – 佐賀を満喫する –

有明海の干潟。遠くに雲仙普賢岳が顔を覗かせている(11月25日)
日本とドイツの話を交互にするのも変ですが、日本での話ももう少し続けたいし、かといってベルリンでの現在進行形の話もあるしということで、しばらくはこんな感じでゆるゆる更新していきたいと思います。
さて、秋の山陽・佐賀旅行の話も今回が最後です。
佐賀に着いた翌25日(土)は、すばらしい青空が広がっていた。この日はKくん夫妻に佐賀周辺を案内してもらう予定だったのだが、保険会社勤務のKくんはあいにく休日出勤することになってしまい、昼間は単独行動することに。
さて、どこに行こう。実は、早起きできたら長崎に日帰りで行って来ようかと思っていた。坂の多い大好きな街だし、前回訪れてから16年の月日が経っている。しかし、前日の寝不足がたたり私は爆睡してしまい、目が覚めたら昼近くになっていた。さすがに今から日帰りで長崎はもったいない。せっかく佐賀まで来たのだし、ということで私は県の北の唐津を目指すことにした。佐賀発13時10分の唐津線のディーゼルカーに乗る。唐津までは1時間ほどの距離である。
唐津は古い城下町。なんといっても有名なのは唐津くんちだろう。曳山展示場に行くと、壮麗な曳山が何台も置かれている。見事なつやと色合いだが、その多くは江戸時代に製作されたものだという。
こちらは国の重要文化財に指定されている旧高取家住宅。かつての唐津の石炭王の邸宅だ。外観はそれほどではないのだが、中に入るとこれでもかというぐらい多くの部屋が続き圧倒される。能の舞台まであった。久々に畳の匂いをかぎ、何となく懐かしい気分になる。入場無料。
ぶらぶらしてから街のシンボルの唐津城へ上ることにした。
天守閣からの眺め。こちらは南側の唐津市内。
海をはさんだ西側は、有名な虹の松原がずっと続いている。
19時過ぎ、Kくんの佐賀のマンションに戻ると、奥さんのTさんが夕食の鍋を用意してくれていた。Kくんより数歳年上のTさんは、とても話しやすい方で家事などもてきぱきとこなされる。整理整頓された部屋の様子を見ていて、私はふと時の経過を思った。3年前、Kくんの大阪の社宅を訪ねた時は、学生時代と変わらない「のだめ」のようなアパートに唖然としたものだが、今はしっかり者の奥さんに支えられて幸せそうに見えた。
夕食後はKくんと久々の音楽談義が始まった。昔オケで一緒に演奏した曲などをCDで流しながらああだこうだと言い合っていると、奥さんが箸を2本持って来た。
「何ですかこれは?」
「主人は音楽を聴きながら、よくこれを振り回しているんですよ。よかったらマサトさんもどうぞ」
「・・・」
Kくんがかつてオケでオーボエを吹いていたことも、クラシックが大好きだということも、奥さんは結婚するまで知らなかったらしい。
翌26日は奥さんの運転する車で、有明海の干潟へ連れて行ってもらう。佐賀まで来たからには、何はともあれ干潟を一目見ておきたかったのだ。佐賀市内から車に揺られること約30分、海より低いのではと思われる平野の果てに堤防が延びていて、そこを上ると私のイメージ通りの茫々たる干潟が広がっていた。
干潟の沿岸では、塩性植物のシチメンソウの紅葉が間もなく終わろうとしていた。
ムツゴロウ探しに夢中になる。
その後は帰りの列車の時間を気にしながら、佐賀駅近くの魚料理屋でお昼をごちそうになる。玄界灘から直送された呼子のイカが何といっても絶品。他にも伊勢エビとアジの刺身が並んでいた。イカのゲソは最後てんぷらにしてもらうのだが、これがまたうまい。
もう少しゆっくりしたかったなと後ろ髪を引かれる思いだったけれど、それでも私は充分満足し、佐賀駅から「かもめ24号」に乗り込んだ。地味ながらも佐賀はいいところだった。Kくん夫妻には本当にお世話になりました◎



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4 Responses

  1. Ken
    Ken at · Reply

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    ほう、干潟が見たかったんですね。
    九州以外の人がうちにやってくると、だいたい
    阿蘇とか山の方に行くことが多いんです。
    海はどこでも一緒だよなあ
    と思ってたんですが、そうか、その手が。

  2. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >Kenさん
    佐賀というと干潟というイメージは強いですね。茫漠とした風景でしたが、シチメンソウやムツゴロウも見れて、楽しかったですよ。
    時間があったら、雲仙にまで足を伸ばしてみたかったです。実は博多もまだちゃんと訪れたことがなくて、行きたい場所がたくさんあります。ボタ山とかってまだあるんでしょうか?

  3. Ken
    Ken at · Reply

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    !僕の部屋からはボタ山は絶景!
    ここは旧炭田地域です。ボタ山はよく登って遊んだもんです。
    石炭を貨車に乗せるためのレンガ製の滑車台なんかも残ってます。
    http://machi.goo.ne.jp/snd/spotID_TO40001793/leisure/details.asp
    ↑ボタ山

  4. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >Kenさん
    おお、ボタ山のすぐ近くにお住まいなんですね!
    こうして写真で見ると本当に山みたい。
    筑豊のあたりは20年前ぐらいまで無数のローカル線が敷かれていましたが、ほとんど廃線になりましたよね。街は寂れてしまったのか、一度訪ねてみたいと思っています。

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