旧トレゾア跡のいま

先日、雪景色のティアガルテンを散歩した後、ポツダム広場、ライプチヒ広場を通ってU2のモーレン通り駅までさらに歩いた。ライプチヒ広場の東側の広大なスペースは、この気候状況の中で一層鮮やかだった。

この場所については、3年前に変容するライプチヒ広場(2)で紹介したことがある。当時はまだ戦前、そして分断時代の何がしかの痕跡が残っていたのだが、それも今はもうないはずだ。

関連記事:
変容するライプチヒ広場(1) (2006-02-08)
変容するライプチヒ広場(2) (2006-02-10)

これも3年前の2月に撮影したもの。かつてこの一角にあった、戦前のヴェルトハイム百貨店の金庫室を利用したトレゾア(Tresor)というクラブは、90年代のベルリンで一世を風靡した。

参考サイト:
たくさんの物語 (Goethe-Institut)

旧トレゾアは2005年の4月で幕を閉じたが、私はその空間の中に一度も足を踏み入れなかったことを今でも後悔している。これは、クロイツベルクのケペニック通りにある現在の「トレゾア」の様子。

この一角にもう一つ私の興味をとらえる建物がある。建物というより、正確には廃墟なのだが・・・(3枚目の写真の背後にも写っている)。かつての官庁街ヴィルヘルム通り側に回って、その廃墟に近づいてみよう(200番のバスからもよく見える)。

これがDDR時代の遺構なのか、あるいは戦前のものなのか、自分でも調べているのだが、いまだに掴めないでいる(場所はWilhelmstr.とVoßstr.の角)。壁の崩壊から20年経っても、ベルリンの中心部には過去の亡霊のような建築物がいまだ存在する。だが、そんな得体の知れないものまでを含めて、この町は私を魅了して止まないのだ。



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7 Responses

  1. la_vera_storia
    la_vera_storia at · Reply

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    名前でリンクさせたページの下のほうにある写真の弾痕がある建物だったら、これは記憶にありますね。DDR時代はVerkehrsministeriumの分室だったようです。当時はそれは気がつかなかったですね。DDR時代の東ベルリンのMitteには、古くて壁に弾痕の残った廃墟みたいな建物が結構ありましたよ。もう使われていないのかと思いきや、そうではなくて、「再利用」されているケースが多かったですね。そういうのを見て歩くのも非常な楽しみでした。Voßstr. Otto-Grotewohl Str, Mauerstr. そういう通りは分断時代には人通りがほとんどありませんでした。

  2. la_vera_storia
    la_vera_storia at · Reply

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    チェックポイント・チャーリーから徒歩で東に入ったときはFriedrichstr.をそのまま北上することは少なく、だいたいはMauerstr.を歩くことが多かったですね。ライプツィヒ通りにまで行く途中の左側に本屋さんがありました。人通りのほとんどないこんな場所に本屋さんがあって本は売れているのだろうかといつも訝しく思っていました。ライプツィヒ通りに突き当たると、なんとなく西ベルリンの方向に行きたくなります。そうして歩きますがOtto-Grotewohl-Strの角以上には西に進めません。 しょうがないのでOtto-Grotewohl-Strを北上。 すると交差するVoßstr.がやや西の方向に入り込んでいるのがわかり、その行き止まりまで歩く....思いつくままに入境直後の東ベルリンを歩く場合は、なんとなくこういうパターンでした。

    いつもいつも、つまらないことを書き過ぎですね。しばらく自重いたします(苦笑)。

  3. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    akberlinさん
    ご無沙汰しています!
    こちらこそ今年もどうぞよろしくお願いしますね。
    そうそう、トレゾアは数年前に再オープンしたんですよ。
    ヤノヴィッツブリュッケに火力発電所がありますが、そのすぐ横のだだっ広いところにあります。おそらく昔のトレゾアとは雰囲気が全然違うのではないでしょうか。一度でも中に入っておきたかった!惜しいことをしました。

  4. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    la_vera_storiaさん
    最初に張ってくださったリンクがあまりに面白いので、戦前にさかのぼったような気分でバーチャルツアーをしております。お陰で疑問が少しずつ解けてきました。また改めてコメントしたいと思います!

  5. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    la_vera_storiaさん
    この記事の一番最後の建物ですが、http://www.neue-reichskanzlei.de/final-mapd.swf
    のバーチャル地図を見る限りでは、まさにVoßstr35番地の奥に伸びている建物ではないかと思われます。ご教示いただきありがとうございました。この角の3つの建物はいずれも帝国鉄道省に関わっていたのですね。DDR時代に再利用されているのも驚きでした。それにしても、戦前のVoßstr.はこんなにも多くの建物が密集していたのですね。当時の跡を留めているものが他にもないか、改めて歩いてみたくなりました。

  6. こーどー
    こーどー at · Reply

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    ごぶさたです。ついに旧トレゾアの話になりましたか。旧トレゾアは2005年の春にいったのが最後でしたが、その当時もすでに「観光客のいくディスコ」でした。それでも建物自体には90年代のなんでもやり放題だったベルリンの残滓をまだかいま見れた場所のひとつではありましたね。2005年の春だったらそういう場所はまだ多かったとは思います。
    新トレゾアはかなり前にあたらしい場所におちついたとはきいていましたが、移転前からいわゆるパーティーツーリストばかり出入りする上に、移転後は完全に商業ベースの場所になってしまったようです。残念ながら。
    東駅周辺もそういう場所ばかりになりました。一駅先のワルシャワ通り駅のそばにある操車場の横にあった(というよりまだあるのですが)RAW Tempelというパンカー/ロッカーたちの牙城も最近解体、そして、どこぞやの投資家によって、Eco-とかBio-なんとかのモデルという、まあ、商業ベースの遊び場につくりかえられる計画が明らかになりました。東ベルリンをはじめとした再開発はさけられないとは思いますが、こうして町自体の魅力がうせていくのは残念です。

  7. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    こーどーくん
    お久しぶりです。無事に帰って来たようで何より。
    >旧トレゾアは2005年の春にいったのが最後でしたが
    というと、本当に最後の時期だったんだね。新トレゾアには去年初めて行ったけど、確かにあんまり趣味のいいところには思えませんでした。ワルシャワ通り駅周辺はMediaspreeとかいう計画によって、今後ますます変わりそうだよね。落ち着いた頃にまた探索でもしましょう。

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