記憶の鉄路をたどる(1) – アンハルター駅跡 –

Anhalter Bahnhof (2008.9)
かつてベルリンで一番格式の高い終着駅だったアンハルター駅。現在は正面のファサード部分をわずかに残すのみであるが、戦前は日本から陸路でベルリンを目指した際の終着駅だったことを思うと、いろいろな感慨が湧いてくる場所である。
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2008年9月初頭、日本から来たお客さんと旧アンハルター駅の裏手を初めて歩いてみた。往年の名残を留めるものが何か残っていないだろうかと期待を持ってのことだった。右手に見えるサーカス小屋のような多目的イベント施設Tempodromを通り、さらに奥へと進んだ(2枚目以降の写真は昨年4月に撮ったもの)。
やがて、緑あふれる公園が向こうに続いていた。だが、この公園、よく見ると普通の公園とは何かが違う。
手前と奥の間にある段差は一体何だろうか。
歩いて行くと、これらがアンハルター駅のホーム跡だということがわかってくる。
ホームとホームの間の列車が通る部分は、土で埋め込まれ、その間を木の遊歩道がつないでいる。なかなか粋な演出である。後で知ったのだが、2008年6月、ドイツ鉄道の出資によってこの敷地は公園に整備されたとのことだった。
これなどはホームそのものである。
レールはさすがに残っていなかったが、昔の駅の遺物かと思われるものも見つけた。
大ターミナル駅の何本もの線路が、ここでまとまる。
そして、向こうに見える小さな橋を列車は渡り、アンハルター地方、しいてはヨーロッパ各地へと旅立って行ったのである。奥に地下鉄U1の地上線とドイツ技術博物館が見えるが、その向こうは今どうなっているのだろうか。2008年の夏のある日、ふと思い立って探索に出かけたことがある。
(つづく)



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2 Responses

  1. ogurik
    ogurik at · Reply

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    Anhalter駅のホーム、きちんと公園の一部として保存されているのですね。「ベルリン大都市交響楽」の最初に出てくるAnhaler駅を見て、こんなに巨大だったのかと驚きました。続きも楽しみにしております。

  2. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    ogurikさん
    先日はどうもありがとうございました。
    そうそう、この続きも早く書かなければ・・・。次は公園に改装中のAnhalter駅の操車場跡をレポートするつもりですので、またコメントいただけるとうれしいです。

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