秋深まるウンター・デン・リンデンを歩く(1)

夏時間も終わり、今日から11月。今回は秋深まりゆくウンター・デン・リンデン(Unter den Linden)の通りの様子をお届けしたい。ベルリンのシンボルをただ一つだけ挙げろと言われたら、テレビ塔やカイザー・ヴィルヘルム記念教会ではなく、やっぱりこのブランデンブルク門を挙げる人が一番多いのではないだろうか。それだけ有名な場所にも関わらず、今までこの門を正面からご紹介することがなかったのだが、当ブログ開業3ヶ月記念(?)のこの機会に、満を持して登場してもらうことにした。ブランデンブルク門はやはり特別なので、安易にここの写真を使いたくないという気持ちもあってのことである。
そのブランデンブルク門前のパリ広場(Pariser Platz)。目の前のクレーンに注目していただきたい。来年5月の開業を目指して、中央駅とブランデンブルク門を結ぶ地下鉄55番線の工事がここで行われていることは9月に少しご紹介したが、本当にW杯までに間に合うのだろうかという一抹の不安もあった(こちらを参照)。
その心配が早くも現実のものとなってしまったのである。というのも、地下の地下水を取り除く作業が予想以上に難航し、2006年ワールドカップまでにブランデンブルク門前の駅を完成させることは不可能だと、先週ベルリン交通局(BVG)が発表したからである。
やってしまった。今年の夏に、この地下には予想の2倍もの地下水がたまっていることが明らかになったそうなのだが、ちょっと気付くのが遅すぎやしないか。他の工事現場ならまだともかく、ブランデンブルク門前は国の顔としてなにより重要な場所であるし、この工事現場の真横にはホテル・アドロンがある(この写真の右側の建物)。
ホテル・アドロンといえば、ベルリンの最高級ホテルのひとつ。去年、エリザベス女王がベルリンを公式訪問した際、女王はこのホテルのスイートルームに泊まったというから、その格式の高さがうかがえる。
来年のW杯には世界中からいろいろなお客さんがベルリンにやって来る。多くのVIPがこのホテル・アドロンに泊まるだろうし、ホテルの前の様子は映像を通して世界中に流れるだろう。その目の前が工事中だなんて・・ベルリンらしいといえばらしいのかもしれないが、あるCDU(キリスト教民主同盟)の政治家が「悪い冗談だ」とコメントしたのも頷けないことではない。人事ながら、ベルリン中央駅はW杯までに間に合うのだろうかと少々不安になる。
(つづく)



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3 Responses

  1. hummel_hummel
    hummel_hummel at · Reply

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    ウンターデンリンデン駅、W杯までの完成無理ですか!観光客は最寄の駅から歩くはめになりますね。こうなると中央駅完成も不安になってきますよね!

    アドロンでは(宿泊や食事はとても無理なので)カフェにだけ入ったことがあります。サービスは大変◎でしたが、値段も立派でした!

  2. 415
    415 at · Reply

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    ブランデンブルク門、すてきですね。
    今年はバスの中からチラッと見ました。
    いつも美しい写真に眼福をいただいています。

    去年、近くのスタバでお茶していると、雀がよってきて手元からパンくずを食べてくれました。日本の雀と種類が違うそうですが・・・

  3. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >フンメルさん
    ホテルアドロン、ロビーに入った限りでは格別の印象は受けなかったのですが、あそこの部屋から眺めるブランデンブルク門はまた格別なのでしょうね。

    今の工事の進行状況を見ると、中央駅もやはり不安ですね。こういう時こそ、現場の方にはゲルマン魂を発揮してもらいたいものですが^^;)。

    >415さん
    「眼福」だなんてそんな・・ブログを始めてから、街の写真を撮るのがとても楽しくなりました。鞄にはいつもデジカメを忍ばせておくようにしています。

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