(前回のつづき)
さて、いよいよべルビュー宮殿の中に入ります。とにかく内装がすばらしい上、写真の枚数も多いので、2回に分けようかとも思いましたが、ここはもったいぶらずに(笑)一気にご紹介したいと思います。今回は国賓になった気分でお読みください。
さて、ドイツ大統領に迎え入れられて中に入ると(仮想)、ここは入り口のホール。まず目立つのは、この小さな机です。来賓はまずここに座ってゲストブックに署名をすることになっています。
ところで机の上の巨大なカギは一体何?
これはその日のオープニングセレモニーの際、ケーラー大統領に贈られたもので(夜のニュースでその様子が流れていました)、この宮殿のオーナーが連邦大統領であることを象徴的に示したものと見ていいのでしょう。
1階の最大の見どころだったのは、やはりこの大統領の執務室。大統領との直接の面談は、この部屋で行われることになります。本棚にはどういう本が並べられているのだろうかと興味津々でしたが、さすがにそこまでは近づけませんでした。
さて、大統領との面談も無事に終わり、いよいよこれからドイツ大統領主催の公式晩餐会に出席します(これも仮想、いや妄想か・・)。この階段を上がって2階に行きましょう。奥に掲げられている絵は、19世紀のプロイセン王、フリードリヒ・ヴィルヘルム3世を描いたものです。
上からサロンⅠとサロンⅡ。これらの部屋は1950年代、テオドア・ホイス大統領時代に作り直されたもの。それゆえ、内装やデザインなど、今から見ると古めかしい印象も受けます。
こちらはラングハン・ホール(Langhanssaal)。べルビュー宮殿の数ある部屋の中で、唯一オリジナルの内装が残されている部屋です。1791年に造られた当初はダンスホールとして使われていました。今日では大きな催し物の際、ここで挨拶とDefileeと呼ばれる分列行進がとり行われるのだとか。
シックな雰囲気のサロンⅣ。
さて、ここからがハイライト。いくつもの部屋を通り抜け、ついに大広間へとやってきました。大統領主催の昼食会や晩餐会、その他の文化的な催し物などはここで行われます。この広間に入った瞬間、ひときわ眩く感じられました。訪れる人からはため息の声が。私の知り合いの方はこの日、ここで案内役を務められていて、軽く立ち話をしてきました。
まず印象的なのは、部屋の両側に掲げられている巨大な2枚の絵。Gotthard Graubnerというドイツ人画家が描いた「出会い(Begegnungen)」という連作です。
この長机は昼食会の様子を再現したもの。席ごとに名前入りのプレートが置かれているのがおわかりいただけるでしょうか。このような公式な場では、誰がどこに座るのかということも、いわゆるプロトコール(国際儀礼)のルールに従って厳密に決められています。
それでは通訳の人はどこに座るのかというと、2つのイスの間から少し下がった位置に通訳用のイスが置かれ、そこから会話の内容に耳を傾けるのだそうです。常に前かがみの姿勢になるわけですから、なかなか大変なのでしょうね。
そして、この丸いテーブルは晩餐会の様子を再現したもの。グラスだけで一体いくつあるのでしょう。では、心の中だけですが、乾杯!
これは宮殿の奥にある会議室。機能的でありながら、それでいてやはり優雅に見えてしまうのは、机の上に置かれているおしゃれなティーセットのせいか。
最後に、ドイツらしく双頭の鷲のイラストが入ったチョコレートをひとつお土産にもらって、ツアー終了です。外は相変わらず寒く、たちまち現実に引き戻されましたが、2時間待った甲斐のものはありました。
ちなみにベルリンでは、連邦議会議事堂、首相官邸、外務省、その他ほぼ全ての役所が一般向けに公開されるイベントが毎年8月に行われます。こういう公の機関は税金でまかなわれているのですから、日本でも積極的に取り入れていいのではないでしょうか。
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バーチャルツアー楽しませて貰いました。寒い中御疲れ様でした。
また、何かありましたら記事にしてくださいね。
楽しみにしてます。(^^)
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はじめまして。いつも楽しい記事、ありがとうございます。
大統領主催の晩餐会ですが、フンボルト財団の奨学生になると招待されますよ!私は別のルートだったので違いますが、フンボルトで行った友人から聞きました。僕もチャレンジしようかな、とこの記事を読んで思うくらい素敵なところですね!
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ステキでしたね!(ポチ。)
うーん、フンボルト財団の奨学生・・・。
私には一生無理・・・。
やっぱり行けばよかった・・・。
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>lignpontoさん
楽しんでもらえたようでよかったです。寒い中待った甲斐がありました(笑)。
>楕円球さん
はじめまして!フンボルト財団の奨学生ですか、なるほど。べレビュー宮殿の歴史を少し調べていてわかったですが、1806年にナポレオンやシラーらと並んで、フンボルト兄弟がこの中に入っているそうです。政治と学術とはどこかでつながっているんですね。
>akberlinさん
8月の公開デーには、確かこの宮殿も含まれていると思います。またきっとチャンスありますよ!
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寒い中ご苦労さん。若いねぇ。
今日はながの君のDSOへ久しぶりに行きました。行きましたか?
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曲は「アルペン」でしたよね。今回は行けませんでした。
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フンボルト兄弟、1806年ですか。貴重な情報ありがとうございます。これでなんとなく理解できました。
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シャンデリアの世界だ~。美しいですね。
マサトさんがこの写真を撮ってた同じ空間にこれから
大物ゲストがたくさん足を踏み入れるのでしょうね。
寒かったでしょうが、豪華なレポートありがとうございました^^
おかげで私もこれでいつ大統領に招待されてもイメトレは
ばっちりです!??(笑)
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べレビュー宮殿は日本でいったらある意味迎賓館のような場所になるのかもしれませんが、ごてごてした装飾は少なく、意外とシンプルな内観に好感を持ちました。それでも十分に華やかなんですけどね。