ホテル・ウンター・デン・リンデン(2月26日)。
(前回のつづき)
私たちはこの後、ホテルのレストランで最後のランチをした。これが文字通り、本当の意味での最後だったことを、私は後から知ることになった。
ウンター・デン・リンデンに面したホテルの一角がレストラン”Tilia”になっている。開店は昼の12時だが、私たちが訪れた14時頃はそれほど混んではいなかった。私たちが頼んだのは「七面鳥とアスパラのフリカッセ」(6,5EUR)。こちらの方のコメントは置いておいて(私は学食のメニューに慣れているのでそれなりにおいしく食べられたが、フンメルさんは無言^^;)、うれしかったのは、旧東独のホテルだけあってここではロストッカー(Rostocker)の黒ビールが飲めることだった。私が2000年に初めて訪れた旧東独の町がバルト海に面したロストックで、その時飲んだビールがこのロストッカーだったのだ。思い出深いビールにこんなところで再会できるとは・・
人々がせわしなく通り過ぎていく外の通りとは対照的に、このレストランの中はゆったりとした時間が流れていた。客は年配の方が中心で、新聞の記事から察するにその多くがDDR時代を生きた方たちだろう。みなさん思い思いに、消え去るこのホテルでの最後の時間を過ごしているようだった。それは、私が普段足を運ぶカフェやレストランとは違う空気だった。
後でフンメルさんが教えてくれたのだが、上の写真で一番右のご婦人が、写真を撮っている私のことを興味深そうに眺めていたとか^^;)。最後お店を出る時、私がそちらを向いて軽く会釈をしたら、件の女性はにっこりと微笑んでくれた。
翌日の夕方、私はオペラを観に行く途中にこのホテルの前を通った。あれ、レストランの明かりが消えている。確か2月末までは営業しているはずなのに、と思ってそばに寄ってみると、”Das Hotel Unter den Linden ist geschlossen.”と書かれた張り紙が・・
ホテル・ウンター・デン・リンデンは、その日の朝チェックアウトする客をもって閉店していたのである。ということは、レストランはその前日で営業終了。私たちは奇しくも、このホテルのレストラン最後の日の客になっていたのだった。
感傷に浸る間もなく、翌日から早速解体工事が始まった。ベルリンの歩みは止まることがない。工事は5月中に終わり、6月のワールドカップ期間中はファンのイベント用のスペースに使われるという。
“Good Bye Hotel Unter den Linden!!”
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名前がインパクトのあるホテルなので、覚えている建物なのですが・・・う~ん、閉館するとわかっていたら、1枚くらい写真を撮っておけばよかった・・・(苦笑)
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お久しぶりです。お元気ですか?日本は、春の訪れを、日々実感できる季節です!
レストランの写真をみて、あ!ここで大家Eさんとご飯食べたことがある!っと思い出しました!当時は、上階がそういうホテルだということも何も知らず…でしたが。。。
「ベルリンの歩みは止まることがない~」って言葉、心にズシ~ンと残りました!ほんと、日々の出来事が、歴史の1ページを創っていくんですね。
私も、ベルリンにいた時に、もっと目を開いて周りを見ていたらよかったな~なんて思ってしまいました。(当時は、自分の事でいっぱいいっぱいでしたが…笑)
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2回にわたるホテル・ウンター・デン・リンデンの特集面白かったです。最後に行かれていたんですね。しかも食事も!それなりの味だったようですが。前回のときに書かれていたようにたしかに部屋は狭かったですね。シャワールームも狭く、テレビもベットからしか見れなかった記憶が・・・。大規模に更新していない東ドイツ時代の建物っていうことがわかって泊まっていたのでこれも貴重な体験かと思って変に満足していましたが。
上の写真でホテルのネオンの写真がありますが、一部消えてますね。最後は取り替えも渋ったんでしょうかね?
あと、少し前にラジオに出演されてたんですね。せっかく聴取可能地域に住んでいるに聞いていなかったのが残念です・・・。
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>まりりんさん
お久しぶりです!日本はもう春の訪れを実感できる季節なのですね。こちらでは一昨日まで雪が降っていましたよ(涙)。現在の気温は0度です。
Eさんとあのレストランで食事したことがあったんですか(先ほど電話で話していました。パリに演奏旅行中だったそうです)。ささいなことでも思い出のある場所がなくなるのは寂しいですよね。僕もたまに日本に帰って、少しづつ町並みが変わっているのに気付くと、時の流れを実感します。
>ぷりんつ・あるぶれひとさん
名前はインパクトがありますが、外観がこんな感じですから、私もなかなか写真に収める機会がありませんでした。最後に中に入ることができてよかったです。
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>じゅりおさん
ご感想ありがとうございます。
>最後は取り替えも渋ったんでしょうかね?
そうだと思います。それがまた独特の寂れた風情をかもし出していました。そういえばジュリオさんも名古屋の方でしたよね。ラジオの件、実はちょっと恥ずかしかったからなのですが、ご案内せずに失礼しました。もしまたあのような機会がありましたら、今度は予告させていただきますね。
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ウンターデンリンデンは、もう何度も通ったのに一度も入らなかったし、ホテルがあることすら気がつきませんでした。トホホ・・・。
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仲良しにロストック出身の友達がいるので一度は飲んでみたかった・・・。
ホント、あっという間にクローズしてしまいましたね。私も行っておけば
良かったな、話(ブログの?)のタネに・・・。
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akberlinさんのブログ、いつも楽しく読ませてもらっています。私がロストックを訪れたのはもう6年前なのですが、町の寂れ具合に「ああ、これが東か~」としみじみ思ったものです。以前のアパートの同居人がやはりこの町出身でした。ロストッカー、また飲みたいですね。
>lignpontoさん
私もこのブログをやっていなかったら、一度も入ることなく終わっていたと思います。読んでくれている方に感謝です。