フンボルト大学前にて(4月25日)
前回の政府地区に続いて、今回はW杯前のウンター・デン・リンデンの様子をお伝えしてみたい。現在、ベルリンのこの目抜き通りでは至るところで舗装工事が行われていて、歩行者にとっては歩きにくい状況だが、おそらくあと1ヵ月後には見違えるようになっているだろう。
さて、フンボルト大学前の広場で見つけたこの巨大な彫刻作品。これは”Walk of Ideas“というドイツ政府主導のプロジェクトの一環で、「世界に大きな影響を及ぼしたドイツの発明品」をシンボル化し、町の6箇所に展示するというもの。実はこの前ご紹介した巨大なサッカーシューズもその一つである。
この高くそびえる本の塔は、グーテンベルクによる活版印刷の発明(1450年頃)を象徴しているのだという。そうそうたるドイツの文豪の名前が並ぶが、ベルリンに縁のある人が少なくないことに気付く。マルクスは目の前のフンボルト大学で学んでいるし、ヘーゲルやグリム兄弟はここの教授に迎えられた。やはりベルリンとの関係が深いブレヒト、フォンターネ、アンナ・ゼーガース(女流作家、1900-1983)のお墓は、ここから程近いドロテーア・シュタット墓地にある。
この像の置かれた場所が、ナチスの焚書事件(1933年)で有名なベーベル広場ということも象徴的だ。広場の一角には、焚書で作品を焼かれたハイネがその100年以上前に残した、まさに時代を予言したかのような言葉が刻まれている。
“Das war ein Vorspiel nur. Dort wo man Bücher verbrennt, verbrennt man am Ende auch Menschen.”
「これは序章に過ぎなかった。書物を焼く場所では、最終的に人間をも焼くことになるだろう。」
ちなみに、この広場にはW杯期間中、140体のバディー・ベアが並べられることになっている(以前の記事はこちら)。世界中を巡っていたベルリン名物のクマが、久々にベルリンに戻って来ることになるわけだ。
昨日は初夏を思わせる陽気だったベルリン。右から、州立歌劇場、取り壊し中の共和国宮殿、ツォイクハウス、テレビ塔。写真のヴェロタクシー(自転車タクシー)で回るのも楽しそう。かなりのスピードで目の前を通り過ぎていったこのタクシー。こいでいたのは女性だった。
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W杯が近づいているのがヒシヒシと感じられますね。
後一ヶ月ちょっとですね。
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これはヴェロタクシーではないと思います。ここ数年ヴェロタクシーをまねした自転車タクシーがヴェロタクシーの存在を脅かしているそうです。なんだかね~、バッタもんを見ているようで・・・
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>ねむこさん
ご指摘ありがとうございます。
自転車タクシーはみんなヴェロタクシーだと思っていたのですが、一種の商標名だったのですか。確かによく見るのとは形が違いますね。
>lignpontoさん
なんだかあっという間に開幕がやって来そうな感じですね。
それに間に合わせるための工事に携わっている人たちは、今が一番大変だろうと思います。私も少しづつ忙しくなり、なかなか思うようにブログが更新できない日々です。