Funkturmにて（9月3日）
ベルリンのシンボルといえば、前回お話したカイザー･ヴィルヘルム記念教会やブランデンブルク門と並んで、テレビ塔(Fernsehturm)を挙げる人は多いと思う。東ベルリン時代に建てられた高さ368メートルのこの塔は、ベルリンのどこからでも見渡すことができ、確かにインパクトがある。だが、ベルリンにはそれと同じ機能を持つ塔がもう一つあるということは、旅行者には案外知られていないのかもしれない。
かつての西ベルリンMessedammにあるFunkturm（「放送塔」とも「ラジオ塔」とも訳される）。高さは東のテレビ塔の半分以下に過ぎないが(150メートル）、歴史はこちらの方がはるかに古く、すでに1926年に建てられている。外観から想像が付くように、エッフェル塔を意識して建設され、150メートルという高さはパリの本家のちょうど半分にあたる。1929年には最初のテレビ映像がこの塔を通して伝えられたという。いわば、ベルリンの技術発展と共に歩んで来た塔といえるわけだが、西ベルリン時代はむしろ政治的なシンボルとしての意味合いが強かったようだ。この塔は、現在でも警察やタクシーの無線などの用途に使われている。
映画「ベルリン・天使の詩」の開始早々、場面はテーゲル空港に着陸間際の飛行機の中。映画撮影のためにベルリンにやって来た刑事コロンボ役でおなじみのピーター・フォークがふと窓の外を眺めると、カメラはベルリン上空をゆったりと舞い降りて行く天使ダミアンの視点に切り替わる。その際画面に写るのがこの放送塔の上空だ。さまざまなラジオ放送がランダムに聞こえてくる中、塔をぐるっと回り、ベルリンの見本市会場として知られる写真の国際会議センター(ICC)を見下ろしながら、ダミアンはSバーンの線路の向こうにあるアパートの住人の声を聞きに向かう。
さてそのシーン。その傍らを通るアウトバーンの車からも見えるよう、壁に描かれた広告が特徴のこのアパート群。特に驚くべきことでもないかもしれないが、アパートは今も変わらずそこにあった↓。
逆に少々驚くべきはアパートの壁の広告だ。少々見比べづらいが、広告のデザインと内容が20年前とほとんど変わっていない！一番左の建物の広告が日曜大工店の”BAUHUAS”のものに変わっているものの、文字を斜めに描くスタイルは受け継がれている（？）のが見て取れる。
この場所から、「ベルリン・天使の詩」のストーリーはいよいよ動き出す。
西ベルリンの放送塔はテレビ塔と同様、展望台まで上ることができる。私も今度ぜひこの塔からの眺めを楽しんでみたいと思う。
Funkturm:
Di – So（火曜から日曜） 10-23 Uhr, Mo（月曜） 11-21 Uhr,
Tel. 30 38 – 19 05
さて、天使はこの後どこへ飛んで行くのでしょう。それは次回のお楽しみです。
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おーエッフェル塔ですね。名古屋や札幌のテレビ塔にも似てますね。
これって近くに放送局ありますか？昔コンサートを放送局のホールに
見に行ったことがあって、近くに放送塔があったような気が。
夜だったから景色とか覚えてないんですが。
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Hallo!
Ich werde wahrscheinlich am Sonnabend zu Dropping Knowledge gehen! Kommst du auch? http://www.droppingknowledge.org
皆さま、dropping knowledgeはご存知でしょうか？
これは今とここだけしかできないので、www.droppingknowledge.orgをご覧ください。
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>MOTZさん
>昔コンサートを放送局のホールに見に行ったことがあって、
はい、この近くにＲＢＢのSendesaalがありますね。私もここのホールでのコンサートを聴きに行ったことがあります。普段はなかなか来る機会がない場所ですけれども。
こう見ると本当にエッフェル塔によく似ていますよね。名古屋や札幌のテレビ塔もこんな感じなんですか。
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>Tilmanさん
情報ありがとう！ヴィム・ヴェンダースもこのイベントに来るって、どこかで見ましたよ。あとでこのサイトをちゃんと読んでみます。