Karl-Marx-Buchhandlung (2007年4月29日)
先月22日のBerliner Zeitung紙の記事で知ったのですが、カール・マルクス大通りにあるカール・マルクス書店が2月末をもって閉店になったそうです。
カール・マルクス大通りといえば、かつての東ベルリンの目抜き通りで、このブログでもかつて3回に分けて紹介したことがあります。昨年亡くなったウルリヒ・ミューエ主演の映画「善き人のためのソナタ」のラストシーンに登場する本屋、といえばピンとくる方も多いかもしれません。
閉店前にできたらもう一度足を運んでおきたかったのですが、結局今年の1月頭に入ったのが最後となりました。以下の写真は、このとき一緒に歩いたKenさんが提供してくださったものです。
カール・マルクス書店は1953年にオープンした、東ベルリンで最大の本屋でした。当時は2階まで本が並んでいたといいますが、統一後は客足が遠のき、この度55年の歴史を閉じることになったのです(建物自体は残りますが)。近年、この周辺の買い物客はアレクサンダー広場のカウフホフや去年できたアレクサといった大型ショッピングセンターになびいており、この大通りで個人経営を営む人は苦戦を強いられていると新聞記事にも書かれていました。
かつてカール・マルクス・アレーは「東のクーダム」と呼ばれるほど栄えていたそうですが、いまは昼間でさえ人通りは少なく、巨大なアパート群の威容が空しく感じられるほどで、そんな時代があったことが信じられないほどです。通りの幅は4車線、90メートルもあり、ちょっと散歩にというわけにもなかなかいきません(特にお年寄りにはつらいでしょう)。ベルリンの歴史を知る上では大変興味深い通りですが。
とはいえ、Kenさんの写真からも伝わってくるように、文化の香り漂う本屋がまた一つベルリンから消えていくのは、寂しいことです。
参考:
「善き人のためのソナタ」(2006) (2007-03-12)
カール・マルクス通りを歩く(1) (2005-09-13)
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あの書店が閉鎖していたとは知りませんでした。普段の生活エリアに近いとはいえ、あそこで本を買う理由がないのは確かです。店先のロゴが好きだったのですが、それも恐らく取り外されてしまうのでしょうか。近々、足を運んでみます。
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中央駅さん
これは私に何か書けという以外の何物でもない状況だと理解しました(笑)。いや、冗談はさておき、とうとう来るべきものが来てしまった、ということですね…。この書店(そして隣のカフェ)、DDR時代からもう、どれだけお世話になったかしれません。思い出が一杯詰まった、このあたりの空間でした…。気持ちが落ち着いたら、じっくりと書きます。この書店もとうとう「幻影」となってしまいましたか…。
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エキサイトのブログへのPCでの書き込み、中国からはできなくなってしまいました。当地の当局の情報統制の一環のようです。実は今夜、上海に着きましたが、これは携帯電話から書き込んでいます。携帯なら可能というのもおかしな話ですね。ともかく、この書店(そして多分隣のカフェについても)については、帰国しましたらゆっくりとコメントします。
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ショックです…
文化遺産みたいに残してくれたらいいのに。
何度歩いても親しみが湧かないとは
ぴったりの表現ですね
私も同じように思います
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カール・マルクスアレー。広いですよね。
独特の雰囲気が好きです。あの通りにあったコスモスという
映画館もだいぶ前ですが閉館になりましたね。
その映画館で最後に見たのがオスタルギー映画だったというのも
なんとなくもの寂しいですが。
Das Leben der AnderenのDVD、とうとう買ってしまいました。
ベルリンを描いた映画の中で、一番好きな映画になっています。
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私も新聞記事読んで寂しがっていました。
「壁がなくなってすっかり変わってしまった」というけれど、
まだ変わってないところもあったんだと
こうして時折思い知らされます。
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いや、私はカールマルクスアレーは好きです!
ココを歩くとなんだか不思議な感覚に陥るのが好きなのです。
一度この通りのツッカーベックスタイルのWGに住んでいた友人宅に遊びに行ったことがありますが、建物も魅力的だった~。
ココらのパラレルシュトラッセもまた味があると思います!ぜひ今度一緒に散歩しましょう~。
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はじめまして。Kenさんのブログからこちらにたどり着きました。沖縄で英語ガイドをしています。ドイツで歴史事を語るときの切り口が、わたしの仕事にもヒントになればいいなと思って立ち寄ったのですが、中味のこいブログ記事にとても感動しています。特に歴史事の記事、また立ち寄り読ませていただきます。足跡のこしていきます。
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20数年前のカールマルクスアレーは車でひたすら走り抜ける大通りでしたし、東側の書店に立ち寄る筈もなく、閉店を知らされても何も感じなかったでしょうが、あの『善き人のためのソナタ』のクライマックス・シーンの書店のウインドウをを思い出して、感慨無量です。
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写真使ってくれてありがとうございます!
ほんの短い間しか店にいなかったけど、あの静かな空間に
背の高い書棚がそびえてるのはよく覚えてます。
昔は2階まであったとは知りませんでした。
うーむしかし残念ですね。
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>zaichik49さん
コメントありがとう!ロシアに思いを寄せるzaichikさんなら、あの通りや本屋には深く感じ入るところがあるのでしょうね。あの年季の入ってそうなロゴは、できたらそのままにしておいてほしいものです。
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>la_vera_storiaさん
中国当局の情報規制の中、上海からのコメントありがとうございます。
la_vera_storiaさんから初めてコメントをいただいたのは、確かカール・マルクス・アレーについての記事でしたね。この界隈、そしてこの本屋にまつわるお話をまた聞かせていただけるのを、大変楽しみにしています!もし長くなるようでしたら、メールでくだされば本文に全文掲載させていただきますので。
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>さつきさん
この通り全体が文化財になっているだけに、この本屋も残してほしかった気はしますが、経営する側からしたらそんなことも言ってられないのでしょうね。残念です。
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>akberlinさん
コスモスという映画館も、いかにもあの時代を思わせるデザインでいいですよね。僕は結局中に入れずじまいでしたが、そのうち何らかの形で復活すればといいなと思っています。
日本に帰国されるとのこと。大変びっくりしましたが、今後は東京のさまざまな風景を伝えてくださいね。これからもよろしくお願いします!
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>にわやまさん
ベルリンはまだまだ知られざる場所がたくさんあります。あの「お化け屋敷」も含めて(笑)、また探検に行きましょう。
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>のりあきさん
この界隈については、のりあきさんの方がお詳しいようですね。
あの巨大なアパートの中はどうなっているのか、一度入ってみたい!
日本から戻ったら、ぜひいろいろ連れて行ってください。
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>Cananeseさん
はじまして、コメントありがとうございます。
沖縄にはぜひ一度行ってみたいのですが、たまに日本に帰るだけではなかなかその機会が巡ってきません。歴史、基地問題、文化、いずれも非常に興味があります。よかったら過去ログにも気軽にお書き込みくださいね。
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>第三市民さん
一軒の本屋が閉店するというだけで、皆さんからのこれだけのコメントにびっくりしたのですが、やはりあの映画の存在が大きいのかもしれませんね。DDRを主題にした次の映画に期待です。
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>Kenさん
あのとき、Kenさんが写真を撮ってくれておいて本当によかったですよ。中の雰囲気をよく伝える写真を使わせていただき、ありがとうございました!
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写真を見た途端、ひょっとして、と思いましたら、まさしく「善き・・・」のラスト・シーンに使われた書店だったですね。それがなくなるとは、ひとつの時代の象徴だったのに、惜しい気がします。「あそこで本を買う理由がない」と誰かが書かれているので、要するに経営が立ち行かなくなったということのようですね。
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今日、地下鉄が動いたので無駄に(笑)足を運んでみました。
看板はあったけれど、本棚はすっからかん。
まだ店員さんが閉店作業をしていました。
となりのカフェジビレ、いいですね。あそこは閉まらないでほしいなぁ。
オバケ屋敷、期待しています!!!しばし和食に浸かってください!!!
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>grappa-teiさん
新刊だけでなく古本も扱っていて、雰囲気のいい本屋だったのですが、アクセスの悪さはやはり否めないところでした。この通りがますます寂れるのではないか心配です。
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>にわやまさん
事後レポートありがとうございます!
なるほど、そんな感じになっていましたか。隣のカフェも一度閉店して、その後また復活した経緯があります。この本屋は、どうなるでしょう?
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映画「善き人のためのソナタ」で一番印象的だったシーンは、
私にとって、ラストの本屋のシーンです。
記事に引用させていただきました。
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映画「善き人のためのソナタ」で一番印象的だったシーンは、
私にとって、ラストの本屋のシーンです。
記事に引用させていただきました。
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本の世界の迷子ですさん
ご紹介ありがとうございます。壁崩壊20年の今年、再びこの映画を観たいと思っています。
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本の世界の迷子ですさん
ご紹介ありがとうございます。壁崩壊20年の今年、再びこの映画を観たいと思っています。