2016年も残りあとわずか。いまさらながらではありますが、10月に南ドイツのヴュルツブルクに旅行したときの続きの話を書いておきたいと思います。ご興味のある方は、以下のページからお読みください。
菅尾友さんが演出するマイアベーアのオペラ『ユグノー教徒』のプレミエを観た翌日、マイン川の向こうのマリエンベルク要塞に上ってみることにしました。橋のたもとの地図によると、要塞へは最短の道とぶどう畑に沿って行く2つの行き方があり、後者の道を選びました。
しかし、ぶどう畑だけあってこれがなかなかの傾斜。ベビーカーを押しながら上っていくと、汗がにじんできます。
この坂を上り切ると、要塞に到着。所要時間は約45分。要塞は別料金のミュージアムになっており、中には入らず、帰りはバスに乗って旧市街に戻ってきました。
昼食後に再び向かったのがアルテ・マイン橋。ようやくここでワインの立ち飲みの願いが叶いました。ジルヴァーナ、バッカス、ロートリンクなどの種類が並び、1杯4〜4.5ユーロほど。何を飲んだかもはや覚えていないのですが、さすがに新鮮できりっと美味しく、今年飲んだ中でも忘れられない一杯となりました^^。
ヴュルツブルク中央駅16時1分発のレギオナル・エクスプレスに乗って、ベルリンへの帰途につきます。ところが、ドイツ鉄道でトラブルが。信号の故障だとかで途中の小さな駅で止まったまま列車が動く気配がありません。乗客もしびれを切らして、一服したり、体を動かしにホームへと出て行きます。私も息子を連れてホームに散歩に出ました。1時間近く経ってようやく列車は動き出したものの、エアフルトでの乗り換えが心配になってきました。1本乗り遅れると、次はライプツィヒ経由になり、帰る時間も大分遅くなります。半ば諦めかけたものの、赤いディーゼル車は最後になって追い上げ、エアフルト中央駅に滑り込みました。
ありがたいことに、ベルリン行きのICEはホームの目の前に停まっていました。予約していた前の車両の方に一目散に走り出したところ、ドアの前に立っていた車掌さんが私たちを見て声をかけてくれました。「ここの部屋が空いているからお使いなさい」と一言。
何のことかよくわからないままドアを開けると、そこはファミリー用の個室。中には女性の車掌さんが座っていましたが、私たちの姿を見ると、すぐに荷物を片付けて移動してくれました。
ICEにこういう家族用の部屋があることは知っていましたが、中に入ったのは初めてでした。7人ぐらい座れるスペースがあり、シンプルな内装ながら子供を意識したイラストも。
このようにオムツ台もちゃんと用意されていました。あと数分遅れてエアフルトに到着していたら、ちょっと大変なことになっていたはずですが、あの車掌さんのおかげでこの上なく快適な帰路となったのでした。しょっちゅう遅れるドイツ鉄道にはイライラさせられることも多いですが、こういう良いこともありました。ということで、このときの旅の締めくくりに書こうと思った次第です^^。