助けられた子供達 – キンダートランスポートの記念式
11月23日、ドイツ連邦外務省のリヒトホーフにて、いわゆるキンダートランスポート(子供の輸送)を偲ぶ記念式が行われました。 キンダートランスポートとは、1938年11月9日の「水晶の夜」事件によりナチス支配下でのユダヤ人…
宗教改革から500年 塩田千春の『失われた言葉』展
今年は、マルティン・ルターによる宗教改革500周年に際して多くの記念行事が開催されました。特にルターが「95か条の論題」を発表した10月31日の宗教改革の日は、今年は特例によりドイツ全土で祝日に。このメモリアルイヤーに関…
クリスチャン・ツィメルマン インタビュー、ベルリン・フィル来日公演..
最近クラシック音楽関係に寄稿した記事の中から2つほどご紹介させていただきます。 1つは、(今になってからのご紹介で誠に申し訳なく思いますが・・・)「音楽の友」11月号に掲載されたピアニストのクリスチャン・ツィメルマンのイ…
発掘の散歩術(88) 消えたユダヤ人たちの痕跡をたどって —モアビットの2つの場所—
この原稿を書いているのは10月18日。偶然ではあるが、今回ご紹介する場所の歴史と直に結びついた日付であることにふと気付いた。今からちょうど76年前の1941年10月18日、1251人のユダヤ人を乗せた貨物列車が初めてベル…
発掘の散歩術(87) –第44回ベルリンマラソンで初のフルマラソンに挑む!–
スポーツをすることにほとんど縁がなかった私が、マラソンなどに挑戦してみようと思ったのは、2年前のある出来事が一つのきっかけだった。2015年のベルリンマラソンの確か翌日だったと思う。日本からマラソンに参加するためにやって…
東京生まれの小型移動オフィスがベルリンに出現
カール・マルクス大通りを歩くと、やがてそれは見えてきました。幅1メートル、奥行き2メートルの構造体。木製のボディーはどこかベルリンの黄色いバスを思い起こさせますが、内部には大人一人が作業できる机があるだけです。「ムービン…
発掘の散歩術(86) –アルト・テーゲルのフンボルト邸を訪ねて–
この8月半ば、久々に地下鉄U6の終点アルト・テーゲルの駅に降り立った。いつもはテーゲル湖の湖畔を目指すのだが、今日は駅から北にしばらく歩くと、森の中へと続く道が出現する。Privat(私有地)と書かれているので一瞬ひるむ…
エリザベト音大の楽団と合唱団が 細川俊夫作曲《星のない夜》を上演
毎年8月、ベルリンのコンツェルトハウスでは世界のユースオーケストラの祭典「ヤング・ユーロ・クラシック」が行われます。今年は、グスタフ・マーラー・ユーゲント管など名だたる団体に混じって、広島のエリザベト音楽大学のオーケスト…
岩手県被災地内の高校生がベルリンへ 第5回「翼」プロジェクト
7月末、東日本大震災で被災した岩手県在住の6人の高校生がベルリンを訪れ、同年代のドイツの若者たちと交流をしました。 このプロジェクト「翼」を主催したのは、震災後にベルリン在住のドイツ人と日本人によって生まれたNPO法人「…
発掘の散歩術(85) –マルツァーンのゴンドラに乗って IGA2017を楽しむ–
今年のドイツでは、5年に一度カッセルで開催される現代アート展「ドクメンタ」や10年に一度のミュンスターの彫刻プロジェクトが大きな話題を集めている。それらに比べると知名度は劣るかもしれないが、この4月からベルリン東部のマル…
発掘の散歩術(84) –リューデスハイマー広場のワインの泉で–
夏の季節、地下鉄U3のリューデスハイマー広場から地上に出ると、南ドイツから吹き抜けてきたかのような爽やかな風をいつも感じる。まず目に入るのは、広場の一段高い位置に置かれたテラス。ここに上がると、夏の夕方以降、ベンチに座る…
秋の再オープンを控えた ベルリン国立歌劇場のいま
6月22日、ベルリン国立歌劇場の2017/18年シーズンの全容が発表されました。同歌劇場は2010年から、大改装のためにシラー劇場を仮住まいとして公演を続けてきました。当初は3年ほどで工事が終わる予定でしたが、度重なるト…
発掘の散歩術(83) – 実物大で世界を知るドイツ技術博物館 –
冴えない天気が続いた5月半ばのある土曜の朝、屋内で過ごせて、かつ乗り物好きの子供も楽しめそうな場所が何かないかと考えていたら、ふと思い付いた。地下鉄U1の車窓からよく見えるドイツ技術博物館はどうだろう。この博物館は膨大な…
『世界』2017年8月号 -ダニエル・バレンボイム、『西東詩集』オーケストラの夢を語る-
自分の書いたものが誌面に掲載されるのはいつも嬉しいものですが、今回は少し特別です。7月7日に発売になった岩波書店の『世界』8月号に「ダニエル・バレンボイム、『西東詩集』オーケストラの夢を語る」という記事を寄稿させていただ…
難民出身の俳優たちが演じる マキシム・ゴーリキー劇場の「冬の旅」
一時期に比べると、難民関連のニュースがドイツのメディアを賑わす頻度は減ったように感じられます。しかし今もアクチュアルな主題であることに変わりはなく、外交問題のこじれや紛争やテロの激化などで、いつ新たな難民が出現しても不思…
大戦期の前夜を切り取った展覧会『ベルリン1937年』
5月4日から、ベルリン市営のメルキッシュ博物館で『ベルリン 1937年-明日への影の中で』という展覧会が開催されています。最初にこの展覧会のタイトルを聞いた時、ヒトラーが政権を取った1933年でも第二次世界大戦が始まった…
発掘の散歩術(82) – デュッペル村で味わう中世の春 –
オーク材を組んで作った防御柵から中に入ると、わらぶき屋根の家々が見えてきた。中央の広場には二人の男がバグパイプと太鼓の陽気な音楽を奏で、親子連れが集まっている……。 ここはベルリンの西の郊外、ツェーレンドルフ地区にあるデ…
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