BVG(ベルリン交通局)は8月4日にダイヤ改正を行い、いくつかの路線で新しいコンセプトを導入しました。過去10年間では最も大きな改正と思われるだけに、ここでご紹介したいと思います。
ベルリンを訪れる旅行者がよく利用するTXLバス。これまではテーゲル空港からアレクサンダー広場を結んでいましたが、今後はベルリン中央駅先のロベルト・コッホ広場が終点になります(それに伴い従来の10分から6分間隔の運行になるとのこと)。逆に、それまでロベルト・コッホ広場止まりだったツォー駅始発の245番バスが、アレクサンダー広場まで延長されることになりました。
ベルリンではこれまで100番と200番バスが観光地を巡る路線として親しまれてきましたが、今回の改正で新たに300番バスが登場しました。フィルハーモニーから東側のワルシャワ通り駅までを結ぶこの新路線が気になって、運行初日に乗りに行ってきました。
ベルリン・フィルの本拠地であるフィルハーモニー南側のバス停に、真新しい電気バスが停まっていました。バスはまずポツダム広場を通って、ライプツィヒ通りを走ります。この通りは、ベルリン市内でも特に窒素酸化物による大気汚染の度合いが高いことで知られ、今回のダイヤ改正で電気バスを導入したのは環境対策でもあるようです。
バスは目抜き通りのウンター・デン・リンデンに入り、そこから大聖堂、建設中のフンボルト・フォーラム、テレビ塔などを眺めながら先に進みます。東駅が近づくと建設中の建物が目立つようになり、やがて東西ベルリンの壁跡「イースト・サイド・ギャラリー」に沿って走ります。終点のワルシャワ通り駅まで、所要時間は約40分。車窓が楽しめるだけでなく、観光客にとっても利便性の高い路線だと感じました。
300番バスが登場したことにより、それまでウンター・デン・リンデンを走っていた200番バスがライプツィヒ通り経由に変更。また、シュテーグリッツ=ツェーレンドルフ区とアレクサンダー広場を結んでいたM48番バスがモーレン通り駅までに短縮、248番バスがブライテンバッハ広場からアレクサンダー広場までへとルートが変わるなど、ほかにもいくつかの変更が見られます。
実際のところ、今までよりも便利になるのかどうかはしばらく時間が経ってみないと分かりませんが、新しい300番バスの登場により、ベルリン市内の人の流れがどのように変化するのか注目したいと思います。
(ドイツニュースダイジェスト 2019年8月16日)