発掘の散歩術(73) -ミュッゲルトゥルムの展望台へ-
ベルリンの広域図を見ると、3つの大きな湖が目に付く。前回ご紹介した西のヴァンゼー、北のテーゲラーゼー、そして東のミュッゲルゼーだ。西側に住んでいる私は、どうしても行動範囲が西に限られる傾向があるが、たまには東の郊外にも足…
発掘の散歩術(72) -公共フェリーに乗ってアルト・クラドウへ-
ベルリンの西の郊外ヴァンゼー駅に降り立つと、すぐ目の前にヴァンゼーの湖が広がる。中心部のツォー駅からSバーンで20分ほど揺られて来ただけなのに、避暑地に来たようなすがすがしさを感じる。今日はここからフェリーに乗って対岸の…
発掘の散歩術(71) – リクシャでめぐる初夏のティーアガルテン –
数年前、私がベルリンに来てからずっとお世話になっているドイツ人の知人からリクシャの招待券をいただいた。リクシャとは自転車タクシーのことで、実は日本語の力車に由来する言葉。知人の息子がリクシャのツアーのガイドをやっていたの…
発掘の散歩術(69) -東ドイツの日常に触れるミュージアム-
「なんだか別の街に来たみたい」と妻がコルヴィッツ広場近くの通りを歩きながら若干興奮した口調で言う。無理もない。同じベルリンの冬空の下でも、私たちが普段住む西側のエリアよりも数段こちらの方がカラフルに見える。戦前の古いアパ…
近所の憩いの場、フォルクスパーク
ヴィルマースドルフのフォルクスパークは、2.5キロに及ぶ東西に細長い公園です。自宅から近い割に、これまではよほど天気のいい日に散歩に行くぐらいだったのですが、ここのところは日常的に活用する機会が多くなりました。 1つはた…
発掘の散歩術(67) -ベルリン動物園 子供たちの笑顔の向こうに-
昨年初頭、息子が誕生して少し経ってからベルリン動物園の年間カードを購入した。年間カードにもいくつか種類があるが、子供が満1歳の誕生日の翌月末まで有効なBabyCard XLは、赤ん坊と両親の分の入場料を含め35ユーロで購…
発掘の散歩術(66) ベルリンの難民をめぐって(2)
-ボヘミアの新教徒たち-
地下鉄U7のカール・マルクス通り駅で降り、喧噪に包まれた大通りから一歩横に入る。5分も歩くと、軒を連ねる建物は背丈が低くなり、牧歌的な空気が流れる。 ここはノイケルン区のリクスドルフ(ドルフ=村)。同区の発祥ともいえる古…
フィンランドのクリスマス・バザー
※クリスマス休暇の最終日に、今年ベルリンで味わったフィンランドのクリスマスの雰囲気をお届けします。 今年もクリスマスの季節を迎えました。国際色豊かなベルリンに住んでいると、ドイツだけでなく、さまざまな国のクリスマスと出会…
晩秋のテーゲル湖畔を歩く
先週末、北のアルト・テーゲルに住む知人のHさんからお誘いをいただき、久々に地下鉄U6の終点のアルト・テーゲルに行く機会があった。駅前から伸びる同名の通りを西に5分ほど歩くと、テーゲル湖(Tegeler See)の船着場が…
ベルリン 発掘の散歩術(61) – バイエルン広場の隣人たち –
「あなたもここに住んでいたのですか!」。思わず本人にそう声をかけたい気分に駆られた。 地下鉄U7のバイエルン広場駅の周辺は、戦前多くのユダヤ人が住んでいたことで知られる。最近、駅が改装されたのを機に、この場所の歴史を伝え…
シェーネベルクのアパートから
今日は夕方、シェーネベルクの知人のアパートを訪ねた。昨年秋、あるドイツ人夫妻の紹介でこのアパートに住む方に知り合い、ここの住民が共同で進めてきた歴史のプロジェクトを取材する機会に恵まれた。その2人の方とは今も交流が続いて…
上棟式を迎えたベルリン王宮
6月13日と14日の週末、「フンボルト・フォーラム」として再建中のベルリン王宮が一般に公開され、多くの市民が訪れました。 今回の一般公開は、建物の基本構造が完成したことで前日の12日に行われた上棟式(Richtfest)…
発掘の散歩術(59) – 70年目の「解放」の日、ドイツ・ロシア博物館にて –
5月8日の終戦記念日の夜、ベルリン東側の郊外リヒテンベルク区にあるドイツ・ロシア博物館を目指した。ドイツ鉄道(DB)のストライキのため、通常の最寄り駅であるSバーンのカールスホルスト駅を避け、地下鉄のティーア・パーク駅か…
変わりゆくツォー駅周辺
この数ヶ月、ほとんど更新できないまま、あっという間に5月に入ってしまいました。久々の更新の機会に、最近変化が著しいツォー駅周辺の様子をお届けしたいと思います。 2006年にベルリン中央駅が完成した後、長距離列車は通過する…
「西ベルリン」の回顧展
東西ドイツ統一後10年から15年くらいにかけてでしょうか、東(オスト)とノスタルジー(郷愁)を掛けた「オスタルギー(Ostalgie)」という造語がよく使われた時期がありました。統一25周年の今年は、西ベルリン時代に焦点…
発掘の散歩術(56) -「隔絶された場所」ホーエンシェーンハウゼン-
アレクサンダー広場からトラムM6に乗って東へ走る。プラッテンバウと呼ばれる旧東独の典型的な高層アパートの風景が広がる中、やがて電車はゲンスラー通りの停留所に到着。目の前の真新しいショッピングセンターとは対照的に、その裏手…
発掘の散歩術(54) -ノイケルンの天井で遊ぶ-
地下鉄U7のノイケルン市庁舎駅で降りて地上に出ると、ショッピングセンター「ノイケルン・アルカーデン」は目の前だ。トルコ系移民の家族連れが目立ち、ベルリンのショッピングセンターの中でもとりわけ混み合っている。大手家電量販店…
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