昨日、実家から郵便物が送られて来た。外国生活が長くなると、わざわざ日本から物を送ってもらうということはめったにないのだが、今回はぜひ(それもできるだけ早く)読んでみたい本があったので、久々にお願いした。
こうの史代さんという方が描いた、「夕凪の街 桜の国」というヒロシマがテーマのマンガ。先月、「ほぼ日刊イトイ新聞」のメルマガで、イトイさんがこの本について「借りてでも読んでみてください」と紹介している記事を読んで、日本から送ってもらってでも読んでみたくなったのである。そんな時に、「フィガロジャポン」のベルリン特集号がいいタイミングで発売されたので、一緒に送ってもらうことになった(その他、新聞や雑誌の切抜きがいくつか同封されていた)。
「フィガロ」の方はパラパラとめくっただけなので、まだ何とも言えないが、「夕凪の街 桜の国」は先ほど読み終えた。正直、言葉が出ない・・本自体はとても薄いし、表紙の絵だけを見たら一見普通の少女マンガかと見間違えるかもしれないが(とても優しいタッチの絵です)、内容と読後の余韻の深さについてはもう・・日本にいるみなさんは、私のように高い郵送料を払って送ってもらう必要もないのだから、もしまだだったら、ぜひ一読されることをおすすめします。すでに20年前から独訳されている「はだしのゲン」は確かに名作だが、この本もドイツ人に読ませたいと思った。
昨夜はArteというチャンネルで、”Nach Hiroshima (after Hiroshima)”という優れた内容のドキュメンタリーの前半部分が放映され、終戦直後の東京や横浜の貴重な映像をたくさん見た。昨日はまた、Simon Wiesenthalという一人のユダヤ人が96歳で亡くなったことがメディアで大きく報道されていた。この人物はホロコーストの生還者で、戦後数多くのナチスの戦犯者を探し出し、法廷に送り込んだことで知られている。
こういう出来事があった日に読んだ、「夕凪の街 桜の国」というマンガ。戦争が人に与えた衝撃の大きさというものを、このような角度から衝かれたのは、ひょっとしたら初めての体験かもしれない。少し時間を置いてから、また読み直そうと思った。
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はじめまして!Netherlandに住むnijntjeと申します。来週にベルリンに旅行で行くことになり、ベルリンにお住まいのかたを検索していてお伺いしたものです。お隣の国ですので、また何かと勉強させてくださいね。
ケルンに行ったときに、kioskに置いてある日本の漫画の多さに驚きました。オランダ以上の人気だと思います。おすすめされていらっしゃる漫画も一度読んでみたいです。
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こちらこそ、はじめまして。アムスのブログ拝見しました。アムスには3年前のちょうどこの時期、一度訪れたことがあります。オランダはあんなに小さな国なのに、世界にアピールするものをいっぱい持っていますよね。ドイツとはまさに宿命のライバルという感じですが。ブログ、また寄らせていただきます。
ベルリンにいらっしゃるのですか!内容はまだまだこれからですが、私のブログにも少しはお役に立つことが書いてあればと思います。初めてのベルリン、どうか楽しい旅行になりますよう。