Kaiser-Wilhelm-Gedächtnis-Kirche（9月3日）
「ベルリン・天使の詩」の撮影地を巡るシリーズの第1回は、映画の流れに沿ってカイザー・ヴィルヘルム記念教会から始めたいと思う。この映画が、第2次世界大戦の廃墟のまま保存されている記念教会のシーンから始まるというのは、何かを象徴していると思われてならない。
バスに乗っている2人の少女。車が信号で停まっている間、1人が記念教会の上にたたずんでいる天使を見つけた。”Guck mal!”（「ちょっと見て！」）と言って、2人で頭上を見上げる。信号が変わってバスが動き出し、（おそらく）少女たちが見る視点から記念教会が映し出され、横を通り過ぎていく。そのシーンを思い出しながら、ほぼ同じアングルで撮ってみたのが冒頭の写真だ。
カイザー・ヴィルヘルム記念教会は、そもそもはドイツ帝国のヴィルヘルム1世を記念して、1891年から95年にかけて建てられたネオ・ロマネスク様式の教会。
ベルリンの鉄道のターミナルはツォー（動物園）駅から中央駅に移ってしまったが、少し前までツォー駅に降り立った旅行者がまず目にするのは、この廃墟の教会を中心とした風景だった。私が1998年に初めてベルリンを訪れた時も、この教会の姿は強く印象に残っている。
さて、「ベルリン･天使の詩」の序盤で、クーダムがロケ地になったシーンがもう一つある。天使の２人がショールームの車に腰掛けながら、人間世界で見てきたものをお互いに語り合うシーンだ。ふと窓の外の通りを見ると、カップルが抱き合ったり、男がこちらを覗き込んだりしている。
このシーンはクーダムとUhlandstraßeの交差点が舞台。映画と同じアングルを狙って撮ってみたが、正面の建物といい、この後ろにあるBMWのショールームといい（改装されてはいたが）、この辺りの風景は20年前とそう大きくは変わっていないと言えそうだ。
私にとって、カイザー・ヴィルヘルム記念教会といえばもう一つ触れずにはいられないことがある。それはこの教会の鐘の音だ。夕方クーダムを歩いていて、ここの鐘が鳴るのに出くわすことがあるが、思わず立ち止まって聞き入ってしまうほどすばらしい。音の高さが異なるいくつもの鐘が、同時にぶつかり合う。その響きはベルリンの他のどの教会でも聞けないほどポリフォニック（多声的）で、まるで壮大なシンフォニーを聞くかのようだ。毎時間ごとに鳴らされるものなのかどうかはわからないが、機会があったらぜひ聞いていただきたい。西洋音楽の原点の一つは、教会の鐘の響きにあると思う。
手前に見えるのは1961年に建築された教会の新館で、礼拝やコンサートなどもここで行われる。ブルーに統一された内部のステンドグラスが美しい。
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1990年崩壊した壁を見に行った時，まともなホテルが取れなくてペントハウスに泊まりました．前夜Panamのトラブルで遅く着いたのですが朝家族が起きない内に都心へ向かうらしいバスに乗っていったら記念教会が見えてきてやっとオリエンテーションが付いたことを思い出します．宿は今ならS9のHeerstrasseの直ぐ傍の所です．先日確認しました．
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初めまして。
ベルリン・天使の詩は私も大好きな映画です。
2枚の写真、見入ってしまいました。
今でも20年前の面影が残っている・・・・・
工事現場だらけのベルリンですが、そこに根付く人たちの生活は今も昔も変わっていないのかもしれませんね。
映画のロケ地を巡るこのシリーズ、楽しみにしています！
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ベルリン・天使の詩は学生のときに初めて観ました。
そのときはピーターフォークとサーカスの女性が印象に残る
いい映画だな、くらいの印象で、ロケ地としては
ジーゲスゾイレしか思い出せないですね。（＾＾；
カイザー・ヴィルヘルム記念教会の鐘の音は非常に思い出深いです。
それまで海外生活経験がなく、ほとんど外国に縁のない私が
ベルリン生活初日、日没後にライトアップされた
カイザー・ヴィルヘルム記念教会を間近に見て、
鐘の音を聞いたときの、音色の美しさに対する感動と
はるばる異国に来てしまったという心細さの混じりあった、
感極まった複雑な気持ちは今でも鮮明に思い出します。
（ライトアップされた教会が単にお化け屋敷に見えたからかも？？）
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うんうん、頷きながら写真、見てました。シネマ・パリのあたりとか。
先月、この教会で姪(相方兄の娘)の洗礼式だったんですが、小礼拝堂
でした・・・。エゴン・アイアーマン作の新礼拝堂、深い青い海の底のようで
中も素晴らしいですよね。
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>Kamanoさん
コメントありがとうございます。Heerstraßeというと、中心部からはかなり西側ですよね。バスでひたすら東へ真っ直ぐ向かい、ようやく見えてきたこの記念教会の姿はさぞや印象深かったことでしょうね。
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>mchn22leckerさん
はじめまして！ブログを拝見したのですが、共通の友達がコメントを残していたので、ひょっとしたらどこかでお会いしているかもしれませんね。
>2枚の写真、見入ってしまいました。
それはうれしいです。このような過去と現在の見比べはこれからどんどん出てきますので、よかったらまた書き込みしてくださいね。
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>nozomuzさん
>カイザー・ヴィルヘルム記念教会の鐘の音は非常に思い出深いです
このお話、とても印象に残りました。記念教会の鐘の音を聞いて、異国に来た実感を持たれたというのは、何だかとてもよくわかります。日本の「ごーん」というあの単音の鐘の音とは、決定的に違いますものね。
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>akberlinさん
おーひょっとしてケルンからですか？お元気そうで何よりです。
>小礼拝堂でした・・・
それはひょっとしてずんぐりした建物の方でしょうか。僕はあの中にはまだ入ったことがないです。
>深い青い海の底のようで
すてきな例えですね。まさにあの中のイメージにぴったりきます。
数年前私の母がこの新礼拝堂の中に入った時は、やたらと感動していました。
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はじめまして。このブログ、すごーく面白いです。ゆっくり、全部読ませていただきます。「ベルリン天使の詩」、ポツダマープラッツの野っ原状態にびっくりですよね。
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>MOTZさん
ようこそいらっしゃいました。ご感想ありがとうございます！
>ポツダマープラッツの野っ原状態にびっくり
本当にそうですね。でも、ポツダム広場はこの映画の中でとても重要な場所を演じているので、後でじっくり取り上げたいと思っています。
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いよいよ始まりましたね！！とても楽しみです。
カイザーヴィルヘルム教会は私も初めてベルリンに降り立ったときにたまたま通りかかって、圧倒されたのを覚えています。夜はもう遅い時間でライトアップされて緑と黄色に照らされる教会の姿は幻想的で、今でも忘れられません。
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>sachiさん
コメントどうも！
例のコーヒースタンドが登場するまで道のりは遠いですが、どうぞお付き合いくださいね。自分としても、この映画を通じて有名な観光スポットから知られざる場所までご紹介できるのが楽しみです。
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来月初めてベルリンに行きます。行くとなると壁のことや，東独時代のこと，興味が尽きません。berlinHbfに出会えて、ラッキー！ 情報をいっぱいもらっています。今度の旅では、ポツダム広場近くに宿を取りました。天使の詩の中のポツダム広場を思わせる何かを、見つけることが果たしてできるでしょうか？
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はじめまして。ここ数ヶ月読ませて頂いてました。
ベルリンは大好きで、親友も20年位住んでいるので、私も6月から7月まで滞在してたので既にとっても懐かしいです。本当は戻りたくなかったのですが．．．礼拝堂も今回始めて中に入り、あの青の世界に感動し、気が付くと涙が出てたのを思い出します。ステキな場所ですよね。
これからのベルリン案内楽しませてもらいますね！
あ、この映画友達ワンカット出てるんですよ。
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>mecienさん
はじめまして！ベルリン中央駅へようこそ。観光ガイド的な話はどちらかというと少ない当サイトですが、何らかのお役に立てば幸いです。
>天使の詩の中のポツダム広場を思わせる何か
大変貌してしまったポツダム広場ですが、壁があった時代の名残はまだいくらかは残っています。後ほどこのシリーズでも取り上げる予定です。mecienさんがベルリンにいらっしゃるまでに間に合えばいいですが。
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>miUkiさん
はじめまして！ベルリンに強い思いをお持ちの方のようですね。礼拝堂のあの青の世界は本当に癒されるというか、私も大好きです。
お友達があの映画に出られたんですか！どのシーンでしょう。たとえワンカットでも、いい思い出になったことでしょうね。