Palast der Republik前(4月2日)
ベルリンはかれこれもう2週間ぐらいずっといい天気が続いています。
今週月曜日、ドイツ歴史博物館で最近始まったばかりのDDR展を見た後、久々にあの建物に寄ってみました。そう、解体作業が着々と進む旧共和国宮殿です。この建物がDDR時代にどういう意味合いを担っていて、解体に関してどういう動きがあったのかについては、これまで何度かブログに書いてきましたが、ここで書いた順に一覧にしてみます。よかったらご覧ください。
消え去る共和国宮殿(2005年8月31日)
共和国宮殿最後のクリスマス(2005年11月23日)
最期の時を迎える共和国宮殿(2006年2月1日)
共和国宮殿解体ウォッチング(2006年4月12日)
共和国宮殿、その後・・・(2006年10月5日)
2月8日の時点ではまだこんな感じでした。
久々に訪れたらこの部分の解体が完了し、向こう側がくっきり望めるようになっていました。ここからこんな風に眺めるテレビ塔は新鮮です。
角度によっては赤の市庁舎も背後に顔を覗かせます^^)。
隣のベルリン大聖堂とのコントラストも一段と際立ってきました。
こうして見ると、解体はまだ全体の4分の1が終わったばかり。当初の予定では2007年4月(つまり今月!)に終わる予定だったのが、アスベストの箇所が新たに見つかったりして、作業は大幅にずれ込むことになりました。本来は解体してから王宮を再建するまでの間、一旦ここを緑地にするプランだったんですが、作業の遅れの関係で取り止めになったというニュースも最近読みました。
DDR政府は1950年にプロイセンの王宮を一瞬で爆破したわけですが、彼らが作った鉄骨の共和国宮殿は本当に頑丈。これを苦労して解体した後、今度はあの一瞬で爆破された王宮が、気の遠くなるような時間とお金をかけて再建されることになっています。全く何ということでしょう。
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ベルリンにとって王宮というのは、決して幸福な歴史を持った場所ではありません。私には「王宮再建」ということを考える人の気持ちがわかりませんね。あの王宮を愛した人などいるでしょうか?
また1冊、中央駅さんに実に素晴らしい「ベルリン本」を御紹介しておきます。以下です。
http://www.amazon.de/Joseph-Roth-Berlin-Lesebuch-Spazierg%C3%A4nger/dp/3462025414/ref=pd_bbs_sr_9/303-6543875-2617029?ie=UTF8&s=books&qid=1175791676&sr=8-9
この本に描かれている往時(1920-33)のベルリンの姿...素晴らしい描写力です。著者はオーストリア・ハンガリー帝国出身の名ジャーナリストです。本の表紙に御注目! 戦前フリードリヒ通りとウンターデンリンデンの角にあったカフェ・クランツラーです。
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以下の2冊、12日発売のはずが、もう本屋に並んでいました。早速2冊とも買って先ほどまで読んでいましたが、実におもしろい本です。多くの人へのインタビューからなっていますが、実にスリリングです。いつぞや話題にしましたポツダム広場近くの「三角地帯」のこと、しっかりと記載されています。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4562040653.html
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4562040661.html
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共和国宮殿が取り壊されていくの、私も通るたびに目にしてるけど・・・居た堪れないね、あれは。歴史として、この過程を見ておきたいと思う一方で、何てことしちゃったんだ、っていう憤りを感じます。残してほしかったなぁ。
王宮をぶっ壊したDDRもバカだったかもしれないけど、DDRをしのぶ「歴史的建造物」を壊してる今の状況も、いつかバカ呼ばわりされる日が来ると思います。王宮を再建したいんじゃなくて、宮殿を壊したいんだもんね、本当のところ。DDRの象徴を消そうとしてる。死人に鞭打つようなこと、もうしないで欲しいな。
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DDRの記憶は残さず、帝政時代の雰囲気を取り戻そうということなのでしょうね。確かに観光客受けはすると思いますが、諸手を挙げて賛成とは言い切れないところが、微妙です。
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>la_vera_storiaさん
>私には「王宮再建」ということを考える人の気持ちがわかりませんね。
正直私もそうです。王宮再建の運動をしている年配の方を街で何度か見かけたことがありますが、彼らは王宮を取り戻すべきベルリンの象徴のように見ているのでしょうかね。
またまた興味深い本のご紹介、いつも知的刺激をいただきありがとうございます。ヨーゼフ・ロート!実は「果てしなき逃走」(岩波文庫)が読みかけのままほったらかしになっています・・・興味のある人物なのですが。
それにしても、これからもベルリンのことを書いていくのであれば、知的インプットがもっと必要だなあと痛感します。ドイツ語の本がすらすら読めるようになりたいです。
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>KIKIさん
>王宮を再建したいんじゃなくて、宮殿を壊したいんだもんね、
うーん、それは的を得ているかもしれません。
私はKIKIさんほど「宮殿保存派」ではないんですが、お気持ちは何となくよくわかります。KIKIさんの同居人さんのお話を今度じっくり聞いてみたいですね。この建物に興味を持ったのも、考えてみたら彼の話がきっかけだったのかもしれないですから。
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>gramophonさん
解体中の共和国宮殿のすぐ近くに、DDR博物館というのが昨年できましたが、どうも評判はいまひとつのような気がします。この建物こそ時代の証人だったのですがね。