前回お話した、クロイツベルクはBethaniendammにある三角農園の現在の様子だ(2007年3月撮影)。壁崩壊の前年に、メヒティルトさんが撮った下の写真と比べてみていただけたらと思う。あれから約20年経った後も、あの大きな1本の木は健在だった。建物の隙間からテレビ塔も顔を覗かせている。
1988年夏の様子。
現在も作物は作られているようだったが、農園は大分荒れている印象を受けた。
戦前からあったと思われる歩道に食い込むようにして、この農園が作られたのがわかる。その向こうには、トルコ人のオスマン・カリムが道端で集めた材料で作ったというあばら家が見える。時折、窓を開ける物音が聞こえた。少なくともいまでも誰かがここに住んでいるようだ。
1869年に建てられた聖トーマス教会を背景に・・・
東西冷戦の時代、行政の隙間をぬって一人のトルコ人が勝手に作ったこの農園だが、ドイツの再統一後はどうなったのだろう。そのまま居続けられるとしても土地の賃貸料を払わなければならないのか、それともこの場所自体が消えてなくなってしまうのか。
結果的にこの場所は残り、カリムとその妻は今日に至るまで賃貸料を払う必要に迫られたことはないという。ベルリン市もこの土地が再開発されない限りは、居続けていいと彼らに許可を与えている。だが、いずれなくなる場所であることは間違いないと思う。
以上がこの三角地帯をめぐる話の大まかな内容ですが、「クロイツベルク時空散歩」はまだ続きます。次回はこの場所の1本の木をめぐるお話をしましょう。
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最後の写真に写ってる、一番手前の木、
建物から生えてませんか??
もしかしたらこれが、
>次回はこの場所の1本の木をめぐるお話をしましょう。
なのでしょうか??
そうであっても、そうじゃなくても、楽しみにしてます。
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こんにちは、マサトさん!
上の写真、聖トーマス教会を背後にカリムさんの家?の
写真を見てどこかでみたことあるぞ・・・と思って
たった今、思い出しました!
去年、NHKの世界ふれあい街歩きという番組で
偶然、この畑に入って(だと思うのですが)
カリフさんにインタビューしているのですよ。
畑の真ん中をベルリンの壁が通ってて
ちゃんと壁のあったところはコンクリート?になっているのです。
カリフさんは
「1924年生まれて、ドイツに来て50年」とか
畑の野菜をスープにするとか語っているのです。
番組上では偶然カリフさんに通りすがりにインタビューした
感じですが、なんだかマサトさんのこのブログで読んで
得した気分に勝手になっています(笑)。
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はじめてコメントをさせていただきます。
この場所は上のしゅりさんのコメントにあるようにNHKの「世界ふれあい街歩き」で取り上げられていました。
http://www.nhk.or.jp/sekaimachi/detail/deai/060117.html
番組は現地リサーチャーが調べた上で作ってるようなので、こことかは全くの偶然ではないと思いますが、この回はOstbaahnhofから「壁」にそって歩くというコンセプトだったので、当然にして通る場所だったのでしょうね。
なお、『ベルリン 〈記憶の場所〉を辿る旅』(昭和堂、2006年)という本に出てくる43の場所にも載っていますね。原著はもちろんドイツの本なのでお読みかもしれませんが。
なお、このブログを拝見するとどうやら私はマサトさんが大学時代にいらしたサークルのずっと昔の先輩のようです。あまり個人情報をここに書くわけにはいきませんが、DDRに行った世代です。
一昨年遅い夏休みに久しぶりにベルリンに行って、あまりの変わりぶりにびっくりいたしました。
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>Kenさん
一本の木をめぐるお話、いかがでしたか?
あの木は教会に面した側の木なのでした。よかったらまたご感想でも書き込んでくださいね。
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>しゅりさん
こんにちは、お久しぶりですね!
>NHKの世界ふれあい街歩きという番組で
実は、友達が貸してくれた番組のDVDが手元にあります。この場所が紹介されていることも知っているのですが、まずは自分で調べて書きたかったのでいまだに見ていないのです。でも内容はやはり気になるので、そろそろ見ようと思っています(笑)。番組の中でカリムさんに出会えるのも楽しみですし。
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>nem_ranさん
はじめまして、コメントありがとうございます。私の先輩に当たる方なのですね!ツアーでDDRにも行かれたとは、すごい体験をされましたね!
『ベルリン 〈記憶の場所〉を辿る旅』という本はまだ読んだことがありませんが、「ベルリン歴史の舞台」というドイツ語の本にこの場所が紹介されていて、参考にしました。これからもどうぞよろしくお願いします。