今年に入ってどうもゆっくりブログを更新する余裕がないまま、2月ももう終わりに近づいた。記憶から遠ざからないうちに、最近聴いたコンサートの印象をざっとまとめておこうと思います。
昨年異常なまでにテンションの高いショスタコーヴィチを聴かせたインバル指揮コンツェルトハウス管は、今回はブルックナーの交響曲第2番を演奏(1/10)。初めて生で聴いたブル2がなかなかいい曲で、2楽章終盤での波一つ立たない湖の水面のように静まりかえった部分には思わず息を飲んだ。フィナーレの高揚感も格別。1月はブロムシュテット&DSOの3番、小澤&ベルリン・フィルの1番となぜかブルックナーの初期交響曲が続いたが、残念ながらいずれも聴き逃してしまった。コンツェルトハウスで他に聴いたのは、フォーグラー四重奏団(ベートーヴェンの第14番とリーム)、Georg Schmöhe指揮コンツェルトハウス管の《カルミナ・ブラーナ》。
生誕200年のメンデルスゾーン関連では、アンサンブル・ライプチヒ=ベルリンによる弦楽八重奏曲のみを集めたプログラムを聴く(2/2)。ベルリン・フィルとゲヴァントハウス管のメンバーが中心だけに、両名門オケを凝縮したような深い響きが印象的。お目当てのメンデルスゾーンのオクテットは後半やや躍動感に乏しく、立派ではあるが自分好みの演奏ではなかった。むしろ、前半に演奏されたNiels Wilhelm Gadeというデンマーク人作曲家のオクテットが意外な発掘。メンデルスゾーンの同時代人で、ライプチヒで一緒に仕事もしていたそうで、作風が瓜二つなのだ。他にショスタコーヴィチの「2つの小品」。明日26日は、ヤノフスキ指揮ベルリン放送響が大曲《パウルス》を演奏するので、なんとか聴きに行きたいと思っているが・・・。
理屈抜きで楽しかったのは、古楽界の雄ジョヴァンニ・アントニーニがベルリン・フィルのアカデミー生から成るオケを振ったコンサート(1/20)。ヘンデルの「コンチェルトグロッソ」とハイドンの連作交響曲《朝・昼・晩》の組み合わせ。もうただただ最高!全席8ユーロで聴けるというのに、客入りがいまひとつだったのが本当に残念だった。昨年、手兵のイル・ジャルディーノ・アルモニコを連れて来た時は満杯だったのに。やはりネームヴァリューというのは大きいのか。
オペラでは、先週末に観たコーミッシェの《フィガロの結婚》の印象が強い。時期首席演出家コスキーの演出で、プレミエからもう何年も経っているが、細部までよく練れている。何より第1幕のドタバタ劇を、あれほどシンプルかつ狭い空間の中で演じ切ることができるのがすごいと思った。3幕は逆に舞台の奥まで空間がたっぷり使われ、「りんご」「ユダヤ人の結婚式」などびっくりするような演出に目が釘付けとなった。3月7、27日、4月13日に再演があるので、おすすめです。