カダケスへの道(2)

Casa-Museu Salvador Dalí (2012-03-23)
今年も残りわずかとなりましたが、書き初めてはみたものの休止状態になっている旅行記がいくつかあるので^^;)、何とかそれを年内に片付けたいと思います。
最初に3月のスペイン旅行から。母がお友達2人を連れてベルリンを訪れ、その後一緒にバルセロナへ飛び、そこで車を借りてカダケスという港町を目指したのでした。カダケスの目的は、この街の郊外ポート・リガートにあるサルバトール・ダリの「卵の家」を訪れること。かなりスリリングな道のりでしたが、何とか入場予約していた最終の17時10分に間に合ったのでした。
最初のお話はこちら:
カダケスへの道(1) (2012-04-09)
内部はガイドツアーを通してのみ見学が可能になっており、英語の説明を聞きながら進む。ここはフィゲラスのダリ劇場美術館と並んで、今年訪れた中でもっともワクワクした場所に数えられるかも。
この通称「卵の家」は、1930年にダリがもともと漁師が所有していた家を購入し、40年以上増改築を続けて今の姿になったという。書斎には、ダリにとって永遠を意味した白鳥を始めとする剥製が飾られていた。
数々の名作が生まれたダリのアトリエ。1982年に愛妻のガラが亡くなった際、ダリは激しいショックを受けて、ジローナのプボル城に引きこもり、翌年には絵画制作から完全に身を引いてしまう。このアトリエは、ダリが絵を描いていた最後の状態でそのまま残されているようで、彼がいまもそこにいるかのような気分にさせてくれる。キャンバスの下に穴が見えるが、台はスライド式になって、キャンバスを上下に自由に移動させることができる仕組みだ。
自作の彫刻、奇妙なオブジェ、そして色使い。決して真似できるものではないと思いつつも、その世界に入り込んでしまった。
寝室のベッド。ここからの窓からの海の眺めも素晴らしい。
この部屋では、発する声や音にエコーがかかる仕組みになっている。
迷路のような室内から出ると、この家のシンボルの卵が見えてくる。先に行くとアルハンブラ宮殿の現代版をイメージして造った(?)というプールがあって、これまた一筋縄ではいかないスペースだった。
いかにもダリらしいシュールなオブジェから
グロテスクなもの、思わずくすっと微笑んでしまうものまで、飽きることがない。しまいには海や周囲の岩までもがダリの絵画とダブって見えてきてしまう。夕方に行ったせいか、それほど混雑もせず、ゆったり見学できてよかった。
日が沈む中、再び迷いながらカダケスに到着し、ホテルにチェックイン。部屋のバルコニーからの眺めが幻想的で、はるばる来た甲斐があったと思う。
ホテルの近くのレストランで食事。私はイカが好物なので、身の引き締まった小ぶりのイカやイワシを自然に食べさせてくれるのが何ともうれしかった。
(つづく)



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