昨日の夕方、クーダムから伸びるタウエンツィエン通りを歩いていたら、いくつもの商店のショーウィンドウに、割れたガラスをモチーフにした透明のシールが貼られているのに気付きました。
このことを今日ブログで紹介しようと思っていたのですが、早速時事通信が報じていました。
反ユダヤ暴動を再現=「水晶の夜」から75年―ドイツ
時事通信 11月9日(土)16時25分配信
【ベルリン時事】ドイツでナチス政権下の1938年に反ユダヤ主義暴動「水晶の夜」が発生してから75年となる9日、ベルリン中心部の商店や飲食店のショーウインドーに、ガラスが割れたように見える粘着シートが貼り付けられた。惨状を再現することで、市民が一丸となって差別や偏見に立ち向かう姿勢を示すのが狙いで、国内最大の高級デパート「カーデーウェー」など約140店が参加した。
38年11月にフランス滞在中のユダヤ人青年が在仏ドイツ大使館の書記官を殺害したのをきっかけに、ナチス支持者が9日夜から10日にかけ、ドイツ全土でユダヤ人商店を襲撃し、シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)を焼き打ちした。割れたガラスが月明かりに照らされてきらめいた様子から、事件は「水晶の夜」と呼ばれる。事件後、ユダヤ人約3万人が強制収容所に送られた。
粘着シートが貼られたのは、ベルリンの中でも特に被害が大きかったクーダム通りやアレクサンダー広場など3地区の店舗。主催団体の担当者は「恐ろしい時代に対する若い世代の関心と理解を深めたい」と話す。
これは先月、ベルリン大聖堂の前の様子。いずれも、2013年のベルリン市のイヤーズ・テーマ「破壊された多様性」として行われているもので、「水晶の夜」75周年の今週末は特に多くの行事が行われるようです。
関連記事:
「破壊された多様性」について考える年 (2013-05-26)
今、地下鉄の駅でよくこのような大きなポスターを見かけます。”Vielfalt ist Freiheit”(多様性とは自由)と書かれています。ポスターの情報によると、今日の15時「赤の市庁舎」前からスタートして「つまづきの石」を掃除しながら散歩するという行事が行われます。明日10日の17時からはブランデンブルク門前でも大きなイベントが行われるそう(若者たちが作った映画の紹介、インゲ・ドイッチュクローンさんら生存者の証言、ヴァイオリンのダニエル・ホープの演奏など)。詳しくはこちらにて。
関連記事:
アウシュヴィッツへの旅(5)-「つまずきの石」ドキュメント(上)- (2008-02-22)
アウシュヴィッツへの旅(6)-「つまずきの石」ドキュメント(下)- (2008-02-27)
久々に歩いたクーダム。かれこれ3年以上修復工事中だったカイザー・ヴィルヘルム記念教会の屋根部分が、ようやく顔を覗かせています。
昨夜はコンツェルトハウスで、バーンスタインとマーラーの演奏会を聴きました(奇しくも両方ユダヤ系の作曲家ですね)。ジャンダルメンマルクトの広場では、大きなクリスマスツリーの上でイルミネーションの取り付け作業が行われていました。