先週のベルリンは35度近くまで上がったかと思うと、急激に下がって再びジャンバーを着なければ寒い日に逆戻りと、気温が大きく揺れ動きました。そんな日々で一番暑かった火曜日、久々に時間ができたので、せめてもの旅気分を味わおうと知人と遊覧船に乗ることにしました。
11時半に地下鉄U6の終点Alt-Tegel駅で、この近くに住む知人のOさんと待ち合わせ、徒歩5分ほどでテーゲル湖に行きました。ここから各方面への遊覧船が出ています。今回のStern und Kreis社のコースは、北のオラニエンブルクのレーニッツ湖(Lehnitz See)まで行って戻ってくるというもの。毎週火曜のみの運行で、所要時間は6時間半。長く乗る割に、料金は19ユーロと割安です。オラニエンブルクといえば、少し前にザクセンハウゼン強制収容所でご紹介した場所。今度はどんな風景に出会えるでしょうか。では、この奇抜なMoby Dick号に乗って出航!
船に乗る前に、動物好きのOさんが、「桟橋の下にバン(鷭)が巣を作っているのよ」と言うので見に行きました。雌鳥がこのようにじっと卵を温めているそばで、雄鳥が食べ物や巣になるものを探しては運んできます(卵が写っている写真は撮れなかったので、これは後でOさんからお借りしたもの)。
汽笛を上げて、12時ちょうどに出航。船は大きなテーゲル湖をゆっくりと西に進みます。奥に見えるのは、かつてボルジッヒ家(蒸気機関車の会社で有名な一家)が所有していた邸宅。現在はドイツの外務省が所有していて、要人が参加する晩餐会がここで開催されるときは、周辺一帯が交通規制されるのだとOさんが教えてくれました。
船は海水浴場のそばも通り過ぎて行きます。いくらベルリンとはいえ、平日の昼間はさすがに閑散としています。もっとも、戻ってくるときには、まったく違う光景になっているのですが……。
乗船率もご覧の通り。最初は屋外の席にいましたが、照りつける太陽に次第に耐えられなくなってきて、やがて室内に逃げ込むことになります。
やがて船はハーフェル川に合流して北上。2ヶ月前に友人とサイクリングしたときに通った、ニーダー・ノイエンドルフの監視塔跡を別の角度から臨むことができました。こんなに寂しい場所だったかと思いますが、反対側には湖畔の邸宅やヨットが見え、気持ちのいい岸辺が続きます。
4月にサイクリングで通ったヘーニヒスドルフの橋を越えると、そこからは未知の場所。甘酸っぱいベルリナー・ヴァイセを飲みながら、旅は続きます。
(つづく)