10月3日に25回目のドイツ統一記念日を迎えましたが、この記念の年に、ある書籍プロジェクトに関わらせていただく機会がありました。”100 Briefe an Deutschland: Gedanken, Wunsche, Anregungen“(『ドイツへの100の手紙:思い、願い、提起』)というタイトルのドイツ語の本で(発売元はニコライ出版)、ドイツに住む多種多様な100人が「賞賛、批判、夢、願い、ビジョン」(本の紹介文より)など、ドイツに宛てた手紙をまとめたものです。
夏に知人を通じて執筆のお誘いをいただいたものの、「『ドイツ』に宛てた手紙といっても一体何を書けばいいものか」とかなり悩ました(宛先が「ベルリン」だったらもう少し書きやすかったかも^^;)。今年は統一25周年のほか、自分がベルリンに来て丸15年、さらに長男が生まれたりと、個人的な節目が重なったのでその辺りのことも触れつつ、「ドイツがこれからも人や文化の多様性とオープンマインドを重んじる国であり続けてほしい」という率直な願いを込めてまとめました。2ページとはいえ、ドイツ語の本に寄稿するのは初めてのことだったので、嬉しい経験でした。
それにしても、「シャルリー・エブド」の事件から始まって、現在も進行中の難民の問題に至るまで、まったく何という年になったことかと思います。この本をパラパラめくると、有名人から市井の人、東西ドイツの出身者から、移民や難民の背景を持つ人まで、実に多彩な出自の著者が登場します。ドイツ語で書かれた本なので、日本の皆さんにお勧めできないのは残念なのですが、今のドイツを体感できる1冊としてお読みいただけたら大変嬉しく存じます。