7月27日、BVG(ベルリン交通局)が運営するベルリンの主要地下鉄駅で、無料Wi-Fiが導入されました。昨年からの試験期間を経て今回の無料サービスが始まったのは、ツォー(動物園)駅、クアフュルステンダム駅、ヴァインマイスターシュトラーセ駅など26の駅。その中には、ヤコブ・カイザー・プラッツ駅、ヴィッテンベルクプラッツ駅、シュタットミッテ駅など、旅行者がテーゲル空港への往復に利用する機会の多い駅も含まれています。
どのように無料Wi-Fiが機能するのか、早速手元のスマートフォンで試してみました。ある駅のホームから「BVG Wi-Fi」のネットワークを選択すると、自動的にBVGのブラウザが立ち上がります。使用条件受け入れの項をチェックして、あとはログインのボタンをクリックするだけ。一度ログインすれば、2回目からはBVGのネットワークを選択すると自動的にオンラインにつながりました。ホーム以外にも、場所によっては駅の出入り口付近や地上とホームの間の階でもWi-Fiが利用できるそうです。
今回の無料Wi-Fi導入のためにBVGは490万ユーロを投資しました。そのうちの約5%はホテルの宿泊費に含まれる宿泊税から賄われているとのこと。今回の措置はベルリン市が進めているスマートシティ政策とも合致するもので、同市のブンデ財務大臣は「近距離交通の無料Wi-Fiにおいても、ベルリン市は主導的な役割を果たしていきたい」と語ります。同様のサービスはウィーンやロンドン、モスクワなど欧州の主要都市でも始まっていますが、無料でもユーザー登録を義務付けていたり、広告の表示が多いなど、一長一短というケースもあるようです。その点、BVGの無料Wi-Fiは、とてもシンプルで使いやすいと感じました。
今年末までにアレクサンダープラッツ駅、ベルリン中央駅、ポツダマー・プラッツ駅など、さらに50の地下鉄駅で無料Wi-Fiが使えるようになる予定です。また、バスへの導入計画も進行中で、ベルリン最初の電気バスが走る204番ライン(ツォー駅とズュートクロイツ駅を結ぶ)では、すでに試験的に無料Wi-Fiのサービスが始まっています。
2階建てバスが多く走るベルリンでは、バスの車窓からの景色も魅力の一つですが、移動中や駅での待ち時間などにインターネットに接続できるのはやはり便利。特にこの街を訪れる旅行者にとっては有益なサービスといえるでしょう。ベルリンにお越しの際はぜひご利用ください。
(ドイツニュースダイジェスト 8月19日)