かなり長い間、ブログの更新から遠ざかっていました。この夏はほぼずっとベルリンにいたのですが、携帯の解約と新規加入でトラブルに巻き込まれるなど、なんだか予期しない出来事の対処にずいぶん時間を取られてしまいました。いろいろあって疲れ気味。少しでも気分を入れ替えたいと思い、10月頭に3日間ほどバイエルン州のヴュルツブルクに家族で行ってきました。これから2回に分けて簡単に振り返ってみたいと思います。
ベルリンからヴュルツブルクへは直通の列車はなく、どこかで一度は乗り換えることになります。10月2日、ベルリン・ズュートクロイツ駅9時7分発のICEで一路エアフルトへ。エアフルトで昼食を仕入れてから、11時34分発の赤いレギオナルエクスプレスに乗りました。約4時間の長旅だったので、子どもが耐えられるか心配でしたが、一緒に行った友人の家族と話したり、チューリンゲン地方ののどかな車窓を眺めているうちに、14時近くヴュルツブルク中央駅に無事到着。
今回の旅の目的の一つは、この日の夜に上演される菅尾友さん演出のマイアベーアのオペラ『ユグノー教徒』のプレミエを観ること。菅尾さんのことはベルリンのコーミッシェ・オーパーでアンドレアス・ホモキのアシスタントをしている頃から知っていましたが、今回がドイツの歌劇場での本格的なデビューということで、ぜひ観てみたいと思ったのです。しかも、演目が16世紀の宗教対立を扱った『ユグノー教徒』ということで、菅尾さんが今日の世界情勢と照らし合わせてどう演出するのか、とても興味がありました。結果的に、今回のプレミエは大成功だったと思います(この模様は、「モーストリー・クラシック」誌の12月号(10月20日発売)のWorld Music Sceneのコーナーで紹介していますので、ご興味のある方にはぜひお読みいただけたらと思います)。写真は開演前に行われたドラマトゥルクのベルトルト・ヴァルネッケ氏によるプレトークの様子。
『ユグノー教徒』は4時間を超える長いオペラの上、終演後はプレミエのレセプションにも参加することになり、夕食を取るタイミングを完全に逃してしまいましたが^^;)、劇場全体が素晴らしい高揚感に包まれ、これを観るためだけでもはるばるベルリンからやって来た甲斐がありました。
翌3日はドイツ統一記念日で祝日。写真に見えるアルトマイン橋の方に行ってましたが、旧市街は全体的に閑散としていました。前夜の空腹を満たすべく、カフェでゆっくり朝食を取り、その後菅尾さんにお会いして今回の演出の話をゆっくり伺いました。これがまたとても面白かった。
午後は世界遺産にも指定されている有名なレジデンスへ。館内は当然ながら広く、最近歩き始めた息子は部屋の中を駆け回るのに夢中。あまり落ち着いて見学できませんでした^^;)。
展示の中で忘れられないのは、最後の方の部屋に掲げられていた第2次大戦末期の大きな写真。1945年3月16日にヴュルスブルクを襲った空爆で、わずか17分間の間に5000人もの市民が犠牲になったのだそうです。こういう写真はドイツのほかのいくつもの都市で見ていますが、あまりの悲惨さに言葉を失いました。
夕方、再びアルトマイン橋に行くと、午前中と様子が一変していました。橋のたもとにワインレストランの直売店の小屋があり、そこでワインを買って、多くの人が橋の上で立ち飲みをしているのです。さすがフランケンワインの本場とはいえ、ベルリンでは決して見られない光景に心躍るものがありました。このとき時間がありませんでしたが、ヴュルツブルクを去る前に一度はここで飲んでみたいと思ったのでした^^。
(つづく)
[…] 思います。ご興味のある方は、以下のページからお読みください。 秋のヴュルツブルク紀行(1)http://berlinhbf.com/2016/10/17/4893/ Erfurt Hbf (2016-10-02) かなり長い間、ブログの更新から遠ざかってい […]