
ホテル・ボゴタ 最後の記録(2)〜サロンでの時間
ホテル・ボゴタが廃業になって早2週間。一般公開となった最終日(12月1日)は、ホテルの最後の姿を見る地元の人、ホテルの調度品を買い求めたり競売に参加したりする人で溢れかえっていた。私はその後もう一度、オーナーのリスマンさ…

発掘の散歩術(41) -グライスドライエック公園の誕生!-
2000年9月末、私がベルリンにやって来てまだ間もない頃、地下鉄U2に初めて乗ってポツダム広場に向かった。電車は高架の上を走り、グライスドライエック駅の手前で眺望が開ける。その時の眼下の光景に私は驚いた。広大な敷地に赤錆…

ホテル・ボゴタ 最後の記録(1)〜重層的な時間を持つ空間
Hotel Bogota、このホテルの名前を最初に知ったのは写真家橋口譲二さんのHPにある「橋口便り」でだったと思う。2004年頃、橋口さんはクーダムから一歩入った通りにあるこのホテルに泊まりながら制作活動をされていた。…

季刊誌「考える人」(新潮社)と本との出会い
新潮社に「考える人」という私の好きな季刊誌がある。この秋の一時帰国でのある出会いから、自分と「考える人」、そして本そのものとの出会いについて綴ってみたくなった。 小学3年生の夏、私は親に連れられてたまたま観に行ったある映…

フィルハーモニー50周年の『マタイ受難曲』
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地のホール「ベルリン・フィルハーモニー」がこの10月、1963年のオープンから丸半世紀を迎え、3つのプログラムによる記念公演が行われました。 私が聴いたのは、バッハ作曲の『マタイ受…

「水晶の夜」事件から75年
昨日の夕方、クーダムから伸びるタウエンツィエン通りを歩いていたら、いくつもの商店のショーウィンドウに、割れたガラスをモチーフにした透明のシールが貼られているのに気付きました。 このことを今日ブログで紹介しようと思っていた…

発掘の散歩術(40) -クーダムの地下世界をのぞいて-
数カ月前、ベルリン西地区の目抜き通りクーダム207-208番地の商業ビルが、来年秋に取り壊されるという記事が新聞に掲載された。このビルの中には劇場のほか、「ザ・ストーリー・オブ・ベルリン」という私営の博物館がある。その中…

ノイケルンのカフェ「two and two」
地下鉄U7、8のヘルマンプラッツ駅から徒歩5分のパニーア通り(Pannierstr.)は、ここ数年来のノイケルン地区の隆盛に合わせて、カフェやショップが劇的に増えた通りです。大通りから入ってすぐのところにあるカフェ「tw…

ベルリン、秋深し
昨夜ベルリンに戻りました。今朝7時、秋が深まりゆく近所の情景です。1ヶ月間ずっと半袖で過ごしていた日本とは別世界の感あり。 関連記事: ベルリン、夏の終わりの日々 ベルリン・ブランデンブルク国際空港建設へ! ベルリンのク…

2013年バイロイト音楽祭レポート
筆者は2003年からバイロイト音楽祭のチケットを毎年申し込み続けてきた。「外れても、とにかく送り続けることよ。それが大事」と知人のワグネリアンの方に諭され続けて早10年、今年ついに「当選」の通知が届いた。奇しくもワーグナ…

AERA 2013年9月30日号「現代の肖像」日下紗矢子
現在発売中のAERA(朝日新聞出版)2013年9月30日号の「現代の肖像」という有名なルポシリーズで、ヴァイオリニストの日下紗矢子さんのことが取り上げられています。執筆されたのはフリーライターの千葉望さん。5ページのルポ…

発掘の散歩術(38) -アルト・リュバースからテーゲル川に沿って-
ベルリンの郊外の地図を眺めていて、「オールド」を意味する「アルト」が前に付いた地名を目にすると、古いもの好きの私はそれだけで興味を惹かれる。盛夏のある土曜日、今年初頭にご紹介したテーゲル湖の最寄駅(Alt-Tegel)か…

一時帰国&横須賀での講演会(10/6)のお知らせ
8月末にバイロイトから戻ってバタバタしているうちに、しばらくブログの更新が途絶えてしまいました(ごめんなさい)。来週から数週間、日本に一時帰国するのですが、10月6日(日)に地元の横須賀市で講演会を催させていただくことに…

2012/13の音楽シーズンを振り返って
久々にブログに向き合う時間ができたので、遅ればせながら2012/13シーズンで印象に残った音楽会やオペラをいくつか振り返ってみたいと思います。 まずオーケストラのコンサートから。 今でも心から楽しかった思い出として残って…

和解礼拝堂のライ麦畑(後編) 〜平和のパン〜
※和解礼拝堂のライ麦畑(前編) 〜取り残された教会〜からお読みいただけると幸いです。 2000年11月、元々教会があった場所に「和解の礼拝堂」が完成した。建築家はコンクリートとガラスから成るモダンな教会を設計したが、「こ…

猛暑が続くベルリン
暑中お見舞い申し上げます。 今夏のベルリンは、最近では例がないほど暑い日が続いています。先週末は35度を上回り、日本より湿気が少ないとはいえ、冷房設備が少ないベルリンの町ではかなり堪えます(私のアパートは中庭に面している…

ユダヤ博物館の特別展「本当の真実」
ドイツで生活していると、日本にいたときよりもはるかに身近に感じられるのが「ユダヤ人」をめぐるテーマです。第2次世界大戦中のナチスによるホロコーストは、70年近くを経た今でも「記憶され続けるべき問題」として社会の中で共有さ…
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