先週日曜(3月17日)、早稲田大学交響楽団のベルリン公演がフィルハーモニーで行われました。実に素晴らしかったです。公演が終わってからも聴いた方からの熱い感想が直接的、間接的に届き、いまだに余韻が続いている感じがします。
ワセオケの海外ツアーはこれまで3年に1回のペースで行われてきたのですが、今回は2018年以来、実に6年ぶりでした。この間楽団の体制が大きく変わり、コロナ禍もあって、どうなっているのか時々気にかけていました。ところが、寺岡清高さんの指揮で冒頭のR・シュトラウス「ドン・ファン」が鳴り響くと、これが目が覚めるほどの見事な演奏で、一緒に聴いたドイツ人の友人も驚嘆するほどでした。
私が在籍していた時代から四半世紀(!)近くが経ち、さすがに直接知る人はいないかと思いきや、今回嬉しい再会がありました。10年ほど前、仲良くさせていただいていた中日新聞のベルリン支局長だった宮本隆彦さんの長女あかねさんがヴァイオリン奏者としてこのツアーに参加されていたのです。当時、小学生だった宮本さんの姉妹がヴァイオリンを習っていたことは覚えていますが、まさかその一人がワセオケに入ってフィルハーモニーの舞台に立つことになるなんて…。ベルリン公演に駆けつけた宮本さんご一家とも久々の再会を果たすことができました。
英哲風雲の会の和太鼓による石井眞木「モノプリズム」が終わるとお客さんは総立ちとなり、そこからはアンコールへ。「荒城の月」、外山雄三「管弦楽のためのラプソディー」から八木節(2回も!)、最後は「ベルリンの風」という定番のものでしたが、6年ぶりとなると感慨はやはりいっそう深く、最後は祭りのような盛り上がりを見せました。私自身、学生の皆さんの様々な困難を乗り越えてきたに違いない、でもそんなことを感じさせないのびのびとした演奏を前に、心の澱みが少しだけ取れたような気がしました。政治的に解決することが困難な問題が山積みしている今の世界だからこそ、人間同士による文化や芸術の交流の場を絶やしてはいけないと感じましたし、特に若い人たちに今後もこういう経験を積ませてあげたいと心から思いました。ベルリン日独センターの知人からいただいたメールには、こんなことが書かれていました。
夕べ帰りがけに同じ方向に歩いていたドイツ人の方に話しかけて、いかがでしたか、と聞いてみたら、『一生忘れられない夕べでした、貴重な体験をできて嬉しかったです』と話していました。『もっとたくさんの友人を連れ込めば良かったのに』と後悔していました。
私も同感。また3年後にワセオケと「再会」できることを願っています!
Sonntag, 17. März 2024, Philharmonie
Waseda Symphony Orchestra
Alina Pogostkina
Taiko-Trommler Fu-Un no Kai
Strauss: »Don Juan«
Korngold: Konzert für Violine und Orchester D-Dur op. 35
Strauss: »Tod und Verklärung« op. 24
Ishii »Mono-Prism« op. 29
Alina Pogostkina – Violine
Eitetsu Fu-Un no Kai – Taiko-Drummers
Kiyotaka Teraoka – Leitung
Das Konzert des Waseda Symphony Orchestra Tokyo in der Berliner Philharmonie ist eine Veranstaltung im Rahmen des Jubiläums „30 Jahre Städtepartnerschaft Berlin-Tokio 2024″