藤野一夫氏による論考『新型コロナ危機に対するドイツの文化施策』
先週、ベルリン在住の作家、多和田葉子さんによる『理性へ、彼女は静かに訴える』というエッセイが朝日新聞に掲載されました。現在のドイツとベルリンの様子がよく伝わってくる内容だったのですが、その中で特に印象に残った箇所を下記に…
発掘の散歩術(97) – 防空壕跡で体験するフォイエルレ・コレクション –
アレクサンダー広場駅に大分遅れて到着した地下鉄はすでに満員だった。ベルリンの地下鉄の中でも100年以上前に造られたU1とこのU2は車体が狭く、大柄な人たちが乗るとすぐにいっぱいになる。当然冷房などはなく、車内は熱気でムン…
バレリーナ針山愛美さん、バレエと歩んだ半生を語る
ベルリン国立バレエ団に10年間在籍し、現在も多彩な活動を続けるバレリーナの針山愛美さんが、このたび自著『世界を踊るトゥシューズ』(論創社)を刊行しました。「人生の折り返し地点に差し掛かろうかというときに、これまでの歩みを…
宗教改革から500年 塩田千春の『失われた言葉』展
今年は、マルティン・ルターによる宗教改革500周年に際して多くの記念行事が開催されました。特にルターが「95か条の論題」を発表した10月31日の宗教改革の日は、今年は特例によりドイツ全土で祝日に。このメモリアルイヤーに関…
東京生まれの小型移動オフィスがベルリンに出現
カール・マルクス大通りを歩くと、やがてそれは見えてきました。幅1メートル、奥行き2メートルの構造体。木製のボディーはどこかベルリンの黄色いバスを思い起こさせますが、内部には大人一人が作業できる机があるだけです。「ムービン…
発掘の散歩術(76) -アレッポ商人の応接間に笑みが戻る日は-
ペルガモン博物館2階のイスラム美術の展示はこの部屋から始まる。背の低い入口から入ると、T字型の部屋の9面の壁に隙間なく描き込まれた赤地の装飾に目を奪われた。次々とやって来る世界中からの客人も、イヤホンガイドを聞きながら、…
発掘の散歩術(68) -ケーテ・コルヴィッツと戦争体験-
西側の繁華街、クーダムから一歩入ったファザーネン通りにあるケーテ・コルヴィッツ美術館がこの春オープンから30周年を迎える。1月末に行われた記念行事に足を運ぶと、そこは和やかな雰囲気に包まれていた。 私はそこで1枚の写真に…
「黄金の20年代」に触れる展覧会
劇的な道を歩んだ20世紀のベルリンの歴史の中で、今でも燦然と輝く伝説の時代があります。「黄金の20年代」と呼ばれる1920年代です。二つの大戦のはざまにあり、自由な雰囲気の中で文化や芸術が花開いた一方で、どこか危うげな香…
アジア美術館のナウマン・コレクション展
ベルリン・ダーレムにあるアジア美術館で、ドイツ人の美術収集家クラウス・F・ナウマン氏が同美術館に寄贈した「ナウマン・コレクション」の特別展が開催されています。このコレクションをご紹介するには、まずアジア美術館の歴史に触れ…
世界文化賞の受賞者発表式
9月10日、第27回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者発表式が、ベルテルスマン・ベルリン支社にて行われました。世界文化賞は、1988年に故高松宮殿下の「世界の文化芸術の普及向上に広く寄与したい」という意志を受け継ぎ、日本美…
発掘の散歩術(62) – 番外編:ブランデンブルク州
彫刻家 大黒貴之さんと巡るハーフェルラント
ベルリン動物園駅からRE(地域間急行)に乗って西へ約30分、電車はパウリーネンアウエという小さな無人駅に到着した。ベルリンとハンブルクを結ぶ幹線上にある駅だが、途中下車をしたのは初めてだった。煉瓦造りの堂々たる駅舎に比し…
マルティン・グロピウス・バウのテルアビブ美術館展
2015年は、ドイツとイスラエルの国交樹立50周年という節目の年。これを記念して、ポツダム広場から近いマルティン・グロピウス・バウ(Martin-Gropius-Bau)でテルアビブ美術館展が開催されています。 西ドイツ…
エネルギー問題をテーマにした展覧会
ベルリン市中心部のジャンダルメンマルクト広場やフンボルト大学などから近い連邦外務省では、定期的に展覧会が開催されています。10月16日から約1カ月間、Lichthofと呼ばれる入り口のホールで、日本の新進作家から成るグル…
イラストレーター高田美穂子さんが描くベルリン・パノラマ(晩秋編)
今日から当ブログのトップ画像が変わりました。前回に続いてベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんによるオリジナルの新作です。今回美穂子さんが紅葉の季節に合わせて描いてくださったのは、プレンツラウアー・ベルク地区にあ…
シンポジウム「文化政策による中小都市の再生」
この夏、日本に一時帰国して改めて感じたのが、東京からそれほど離れていない中規模都市の疲弊具合でした。私の出身地の神奈川県横須賀市は、2013年の人口減少数が全国で最も多かったそうで、少年時代に過ごした街角で子どもの姿をほ…
東京新聞7月27日(日)朝刊「写真家 古屋誠一インタビュー」
文章を書く仕事をしている関係からか、ベルリン在住の特派員の何人かの方とお付き合いがあります。皆さん取材で飛び回っていることが多いので、頻繁にというわけではないものの、時々食事などをご一緒しながら仕事や旅、好きな本の話など…
イラストレーター高田美穂子さんが描くベルリン・パノラマ
今日から当ブログのトップ画像が変わったのにお気づきになられたかと思います。これは、ベルリン在住のイラストレーター、高田美穂子さんがこのブログのために特別に描いてくださったもの。高田ゲンキ・美穂子さん夫妻と出会ったのはちょ…
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