フンボルト・フォーラムの展示「ベルリン・グローバル」(2)
前回に続いて、フンボルト・フォーラムの展示「ベルリン・グローバル」の後半をご紹介したいと思います。Grenzen(境界)という部屋に足を踏み入れると、床に描かれたベルリンの地図が光で照らし出されました。ベルリンで境界とい…
フンボルト・フォーラムの展示「ベルリン・グローバル」(1)
昨年7月、ベルリンの中心部にフンボルト・フォーラムがオープンしました。かつてのベルリン王宮を再建する形を取りつつ、中身は芸術、文化、学術、教育をテーマとする複合文化施設として新たに誕生したのです。 この中にはプロイセン文…
ベルリンの壁崩壊と平和革命から30年
11月4日、アレクサンダー広場で平和革命30周年祝祭週間のオープニングセレモニーが行われました。広場に面した建物のファサードには、ゴルバチョフやホーネッカーら当時の首脳をはじめとする歴史的映像が映し出されます。ベルリンの…
壁崩壊から30年〜市立博物館の特別展「東ベルリン」
2019年はベルリンの壁崩壊から30年という節目に当たります。ベルリン市立博物館はこの機会に特別展「Ost-Berlin Die halbe Hauptstadt(東ベルリン 片方の首都)」を開催しています。同博物館は2…
発掘の散歩術(94) -蘇るポツダム、バルベリーニ美術館を楽しむ-
ベルリンからレギオナルバーンに乗ると、わずか25分でポツダム中央駅に着く。プロイセンの歴史を振り返ると、ベルリンとポツダムは双子のような関係で歩んできたにも関わらず、街の規模も雰囲気も両者はまったくといって良いほど異なる…
発掘の散歩術(92) -壁のあった時代と壁のない時代-
テレビのニュースでベルリンの壁の歴史的映像が流れるのは、大抵壁が建設された8月13日(1961年)、そして壁が崩壊した11月9日(1989年)前後と決まっている。ところが、今年は様子が違った。1月末からベルリンの地元のテ…
発掘の散歩術(75) -番外編:ブランデンブルク州 市制800年 ラーテノウを歩く-
ブランデンブルク州にあるラーテノウという街は、時々見かける赤いレギオナル・エクスプレスの終着駅というイメージぐらいしか持っていなかった。この夏、ラーテノウに住む彫刻家の大黒貴之さん(当連載の第62回 / 2015年9月4…
ベルリンの壁崩壊へ民衆を導いた 環境図書館の設立から30年
地下鉄のローゼンターラー広場駅からプレンツラウアー・ベルク地区の方向へ小高い丘を上って行くと、高い尖塔を持つシオン教会が見えてきます。近年家賃の高騰が進み、それに伴い街並みも洗練されていく傾向にあるこの周辺の中で、シオン…
発掘の散歩術(73) -ミュッゲルトゥルムの展望台へ-
ベルリンの広域図を見ると、3つの大きな湖が目に付く。前回ご紹介した西のヴァンゼー、北のテーゲラーゼー、そして東のミュッゲルゼーだ。西側に住んでいる私は、どうしても行動範囲が西に限られる傾向があるが、たまには東の郊外にも足…
発掘の散歩術(69) -東ドイツの日常に触れるミュージアム-
「なんだか別の街に来たみたい」と妻がコルヴィッツ広場近くの通りを歩きながら若干興奮した口調で言う。無理もない。同じベルリンの冬空の下でも、私たちが普段住む西側のエリアよりも数段こちらの方がカラフルに見える。戦前の古いアパ…
旧カール・マルクス書店が文学サロンに
社会主義時代の巨大なアパートが建ち並ぶカール・マルクス大通り(Karl-Marx-Straße)に、かつてその通りと同じ名の本屋がありました。東独時代、東ベルリン最大規模の売り場面積を誇り、その充実した品ぞろえから、東側…
発掘の散歩術(58) – Sバーン博物館でノスタルジーに浸る –
日々移り変わるベルリンに15年近く住んでいると、いつの間にか消えてしまったものへのノスタルジーが募るときがある。私の場合、その1つが古いSバーンだ。私がベルリンに来た当初、独特の唸り声を立てて走る旧型のSバーンがまだわず…
発掘の散歩術(56) -「隔絶された場所」ホーエンシェーンハウゼン-
アレクサンダー広場からトラムM6に乗って東へ走る。プラッテンバウと呼ばれる旧東独の典型的な高層アパートの風景が広がる中、やがて電車はゲンスラー通りの停留所に到着。目の前の真新しいショッピングセンターとは対照的に、その裏手…
季刊誌「考える人」 2014年夏号 – もうひとつのレクラム文庫 –
発売から大分時間が経ってしまいましたが、最近寄稿する機会のあった季刊誌「考える人」の夏号をここでご紹介したいと思います。昨年秋、この雑誌にまつわる個人的な回想録(こちら)を書いたことがあり、いつかこういう雑誌に寄稿できた…
東京新聞7月27日(日)朝刊「写真家 古屋誠一インタビュー」
文章を書く仕事をしている関係からか、ベルリン在住の特派員の何人かの方とお付き合いがあります。皆さん取材で飛び回っていることが多いので、頻繁にというわけではないものの、時々食事などをご一緒しながら仕事や旅、好きな本の話など…
発掘の散歩術(47) -壁の道に沿って走ろう!-
今年はベルリンの壁崩壊から25周年を迎える。世界を揺るがした11月9日に向けて、大きな記念行事が予定されているが、いまひとつ盛り上がりに欠けるようだ。ひょっとしたら、ウクライナ危機を巡ってロシアと欧州連合(EU)の関係が…
和解礼拝堂のライ麦畑(後編) 〜平和のパン〜
※和解礼拝堂のライ麦畑(前編) 〜取り残された教会〜からお読みいただけると幸いです。 2000年11月、元々教会があった場所に「和解の礼拝堂」が完成した。建築家はコンクリートとガラスから成るモダンな教会を設計したが、「こ…
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