あと3日で広島に原爆が投下されてから、丁度60年が経つ。このことはドイツでも相当の関心を持って受け止められているようだ。最新号のシュピーゲル誌では、ヒロシマの特集が組まれているし、先週は「はだしのゲン」のドイツ語新改訂版(Barfuss durch Hiroshima)が新聞の文芸欄で大きく取り上げられていた。ドイツ人で「ヒロシマ」を知らない人はまずいないといっていい。
そんな中、BBCとZDF共作の「Hiroshima」が昨夜ZDFで放映された。これは広島の原爆投下とその後に至る過程を当時の証言者、映像、CG、再現ドラマを駆使して描いた、1時間半の新作ドキュメンタリー番組である。再現ドラマのロケがポーランドでも行われる関係で、ベルリンからも日本人のエキストラを募集中という話を耳にしていたので、私は完成が気になっていた。
力作だったと思う。最新の技術で作られたCGや、かなりリアルな再現映像はなかなか説得力があった。だが、私がもっとも印象に残ったのは、実際に原爆を体験した被爆者の話だった。原爆が落とされてから何しろ60年も経つのだ。登場する被爆者は80歳を優に超えたよぼよぼの老人ばかりだろうと思っていた。ところがそうではなかった。確かにみなさん80を超えた方がほとんどだったのだろが、その生き生きとした話しぶりからは実際の年齢よりも若く見えた。
広島の郊外に住んでいたあるお医者さん。爆発音とともに何かとんでもないことが起こったとみて、走って広島市内に向かう。その途中、森の中で全身真っ黒の人がよぼよぼの足取りでこちらに向かってきて、自分の前で倒れた。脈を計ろうとしたが、とにかく真っ黒で脈がどこにあるのかもわからない。もちろんすでに死んでいた。「これが私が見た最初の被爆者でした。」という話。その老人はこういう内容の話を60年前の出来事ではなく、あたかもつい3ヶ月前に起こった話であるかのように生き生きと語る。おそらくこの人はもう何百回と同じ話をしてきたに違いない。そして、それが死ぬまで自分の使命だと考えているのだろう。そのことがこの老人を実際の年齢よりも若く見せている理由ではないだろうか。10年後の戦後70周年の時には、こういう語り部たちはほとんどこの世からいなくなっているのだろうかと考えると、時というものは残酷だと思う。
この番組は日本用に編集され、5日(金)の夜TBSで放映されるようです。
http://www.tbs.co.jp/sengo60sp/index-j.html
一人でも多くの方に見ていただきたいと思う。
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こんにちは。
TBSでの放送を見ることができました。
周りの戦争経験者の方々のお話を聞いてみたくなりますね。
そういうきっかけとしても日本の8月は特別な月だと思います。
今日はナガサキの日です。
TBS版では最後に被爆者の方と原爆開発者(B29の乗員)との対談がありましたが、
これは日本オリジナルなのでしょうね。
かなり沈痛な対談でした。
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私は、米軍基地のある、平和運動の割と活発な町で育ったため、原爆と聞くと、無条件で恐ろしいものだという、ある意味刷り込みのようなものがされているのかもしれません。当時は80年代の冷戦の最中で、ソ連がこの町に核ミサイルを撃ったらどうなるか、なんていうシュミレーションもよく見たものです。
先日、新聞に「はだしのゲン」を読んだドイツ人の投書が掲載されていて、なかなか印象的でした。本屋でもよく見ますが、結構売れているようです。新しい作品だけでなく、こういう日本の漫画がドイツで読まれているのを見ると、ちょっとうれしくなります。
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ドイツには「自虐史観」という表現はありますか?
筑紫哲也はないと言っていましたが?
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どのようにお答えしたらいいのか少々戸惑っているのですが、「自虐史観」という表現はこちらでは聞いたことがないように思います。これだけでお答えになりますでしょうか。
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つまずきの石って知っていますか?
官庁街の石の波って行ったことありますか?
ノイエバッハにも行ったことありますか?
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つまずきの石は、Hackescher Hofの前で見たことがありますし、Neue Wacheにも行ったことはありますが・・
申し訳ありませんが、唐突で意図が見えにくいご質問に対しては、今後お答えできない場合もあります。
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ごめんなさい。ただ、私は日本の敗戦総括について関心があるもので、その意味でドイツ在住の方にお訊きしたかったのです。