解体工事が進む旧共和国宮殿前にて（3月31日）
「ベルリーナーになるための100の問い」、今回の11問で歴史編が完結します。難問も含まれていますが（特に最初の3問かな）、非常に有名な話も登場しますので、ぜひチャレンジしてみてください！
27. ベンノ・オーネゾルク(Benno Ohnesorg)は射殺される前、誰に対してデモを行っていたか？
28. ルーディ・ドゥチュケ(Rudi Dutschke)が1968年4月11日に撃たれた時、どの交通手段を使って外出していたか？
29. 1970年、ある女性がアンドレアス・バーダー(Andreas Baader)を拘留から開放した。彼女の名前は何という？また、この男性はなぜ服役していた？
30. 毎年この日、ドイツの他の州から警察がベルリンに集結するが、1987年の同日、ウィーン通りのボレ・スーパーマーケット“Bolle-Supermarkt“が焼かれた。「この日」とは何の日のこと？
31. クリス・ゲフロイ(Chris Gueffroy)は、1989年2月6日、西側に逃亡しようとして射殺された。彼以前に、ベルリンの壁で死ななければならなかった人は何人いたか？
32. 1944年のヒトラー暗殺未遂事件で、クラウス・フォン・シュタウフェンベルク(Claus Graf Schenk von Stauffenberg)が処刑された場所には、現在どの省の庁舎が建っている？
33. 連邦議会議事堂(Reichstag)内に、消されずに保存されている落書きがある。それは誰の落書き？
34. 「私はベルリン市民である」と言ったことによって、ベルリンで有名になった人は誰？
35. 「この壁を開いてください！」とミハイル・ゴルバチョフに向けて呼びかけたのは誰？そしてそれはいつ？
36. ベルリンの旅行ガイドたちは、フリードリヒスハインのマインツ通り(Mainzer Straße)に旅行者を連れて行くことがある。なぜ？
37. 「テロのトポグラフィー”Topographie des Terrors”」という情報資料センターは何を記憶するためのもの？
今回はいかがでしょう。
それではエセベルリーナーの私による、解答と簡単な補足説明に移らせていただきます。
27. 1967年6月2日、学生ベンノ・オーネゾルク(Benno Ohnesorg)はイラン国王の訪問に反対してデモ活動を行った。彼はベルリン・ドイツ・オペラの近くで、警察によって射殺された。
（この出来事がドイツ赤軍“RAF“の結成につながったんだそうです）
28. 1968年4月11日、ルーディ・ドゥチュケ(Rudi Dutschke)がヨーゼフ・エルウィン・バッハマン(Josef Erwin Bachman)に撃たれ、重症を負った際、彼は自転車で外出中だった。
（ドゥチュケは68年の西ドイツの学生運動で最も有名だった人物で、後に「緑の党」の設立メンバーになります）
29. 1970年、ジャーナリスト、ウルリケ・マインホーフ(Ulrike Meinhof)はアンドレアス・バーダー(Andreas Baader)を拘留から開放した。バーダーはJVAテーゲルのデパートの放火事件で逮捕されていた。
（2人ともドイツ赤軍の主要人物です）
30. 毎年5月1日、懸念される暴動(Krawalle)のために、何千もの警察官がベルリンにやって来る。
（毎年メーデーのクロイツベルク東側での暴動はおなじみの光景ですが、大規模な暴動となると1987年が最初だそう）
31. クリス・ゲフロイ(Chris Gueffroy)以前、“Zentralen Ermittlungsstelle für Regierungs- und Vereinigungskriminalität”によると、ベルリンの中心部の境界線で90人が亡くなり、ベルリンを囲む境界線では62人が亡くなった（2000年のデータ）。一方で、 「8月13日研究共同体(Arbeitsgemeinschaft)」によると、227人がベルリンの国境または壁を越える際に亡くなったという（2004年のデータ）。 20歳のクリス・ゲフロイは1989年2月5日、逃亡を試みようとして射殺された。
（どちらのデータがより正確なのでしょうね）
32. 1944年、クラウス・フォン・シュタウフェンベルクがベンドラーブロック（建物の名前）でのヒトラー暗殺未遂事件の後処刑された場所には、現在国防省(Verteidigungsministerium)の建物が立っている。
33. ソ連軍がベルリンを占領した際に今の連邦議会議事堂に残した落書きは、保存されている。
（一体どういう落書きなのか見てみたい！）
34. 壁の建設後、アメリカ大統領として初めて西ベルリンを訪れたＪ・Ｆ・ケネディーは、1963年6月26日、シェーネベルク市庁舎前での演説の最後に「私はベルリン市民だ”Ich bin ein Berliner!”」と言った。
（この台詞を知らなかったら、ベルリーナーにはなれません・笑）
35. 1987年6月12日、アメリカ大統領ロナルド・レーガンは、ブランデンブルク門前での演説の際、ソ連書記長ゴルバチョフへの言葉の中でこう呼びかけた。
（この「ゴルバチョフさん、壁を開いてください！“Mr. Gorbachev, tear down this Wall!”」も非常に有名な台詞です）
36. 1990年11月14日、3000人の警察がフリードリヒスハインのマインツ通りに面した12の家屋に立ち退きを要求した際、家を占領した人たちとの争いに発展した。その2日後、緑の党はベルリンの議会(Abgeordnetenhaus)においてSPD（社会民主党）との連立を宣言した。
37. 情報センター「テロのトポグラフィー“Topographie des Terrors”」は、ここに秘密国家警察（ゲシュタポ）と親衛隊(SS)の本部があったことを記憶に留めるため。
（長らく仮設の展示でしたが、コンペによりUrsula Wilmsの案が正式に採用されることになりました。工事は来年から始まります）
お疲れ様でした。
次回は政治編と食べ物編をお送りします。
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1987年6月2日、ベルリン・ドイツ・オペラで「さまよえるオランダ人」を見ておりました。二幕が始まろうとしたとき、オケピットの前に汚い格好のお兄さんたちが現れ、「意見表明をさせていただきたい」と叫びながら横断幕を広げようとしたのです。観客は（私も）一斉にブーイングを浴びせ、間もなく彼らは退散しました。
これが、オーネゾルク射殺20年を記念しての騒動だったということを、後になって知りました。
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お疲れ様でした。
色々と勉強になりました。
次回も楽しみです！！
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連日の力作お疲れ様です。
このあたりの質問になるとJFKやレーガン大統領の話くらいしか私には分かりません。（＾＾； 勉強になります。
議事堂の中のソ連兵の落書きは以前現地で見たことがありますが、何が書いてあるのか皆目わかりませんでした。
ソ連兵といえば、今の連邦法務省の建物（旧東ドイツ情報庁を改修したもので、シャボウスキーが壁の旧東ベルリン市民が自由に西ベルリンに行き来できるとここから放送し、壁の崩壊につながった）の中にも、ソ連兵の銃撃の後が残してあります。
ベルリンはそういう建物が多いのでしょうか。
これってトリビアになりますか？（笑）
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ひゃっ!当たったのが二つくらいしかありませんでした。
でも答えを見て「へぇ～」の嵐。トリビアの泉･･･?
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>焼きそうせいじさん
>1987年6月2日、ベルリン・ドイツ・オペラで
それは面白い場面に立ち会われたんですねー！その時の演目がワーグナーというのがまた！ということは、焼きそうせいじさんは、その10日後のレーガンの演説もリアルタイムで経験されているのですね。残念ながら最初のこの3問、私は全くお手上げでした。
>lignpontoさん
あとまだ50問も残っているので、気長にお付き合いください！私も少し休んでから後半戦に備えます。
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>nozomuさん
>議事堂の中のソ連兵の落書きは以前現地で見たことが
そんなものが保存されているなんて知りませんでした。ぜひ見たいですが、ロシア語だけではわからないでしょうね。
>今の連邦法務省の建物
ここもまだ行ったことがありません。そういえば、昨日歩いたGr Hamburger Str沿いの建物にも銃弾の痕が生々しく残っていましたよ。
>これってトリビアになりますか？
実は、私はこの番組をまだ一度も見たことがないのです。トリビアになるかどうかわかりませんが、この種の建物は探せばまだまだありそうです。
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>akberlinさん
>当たったのが二つくらいしかありませんでした。
本物のベルリーナーでも難しい問いは少なくないと思いますよ。「なるほど～」と思った答えは私もかなりあったし、事件の起きた場所をいくつか訪ねてみたいとも思いました。