州立歌劇場(シュターツ・オーパー)の本館の南側、フランス通りに面した衣装工房(Kostümwerkstätten)の中に入ると、人だかりができていました。中にいたこの怪獣らしきもの、何だと思いますか?
実はこれ、州立歌劇場の重要なレパートリーの一つ、モーツァルトの「魔笛」の冒頭で3人の侍女が倒すあの怪獣なんです。担当の方が火を噴く仕組みを説明してくれ、さらにドライアイスまで炊かれて雰囲気満点でした。
工房の中にはさまざまなものが無造作に置かれていて、このような変てこりんな乗り物も見つけました。一体何に使うんでしょうか(笑)?
本館の裏手にあるMagazinという建物は、普段は舞台装置の倉庫として使われています。ものすごく高い天井を見上げると、どの演目の道具をどこに収納するかのマークが記されていました。一度ここで現代オペラを観たことがあります。
劇場の本館内にある美しいアポロザール(Apollo-Saal)では、室内楽やリートのコンサートがよく行われます。この時は、シュターツカペレのメンバーがモーツァルトの「音楽の冗談」を演奏していました。
この日の特別な体験は、やはり劇場の地下ツアーでした。赤いヘルメットをかぶって、階段を下りて行きます。奥に見えるのは、「アイーダ」の舞台装置かしら?
舞台の下手側から上手側を望むとこんな感じ。周りにはロープが張ってあってこれ以上先へは行けません。装置が老朽化しているゆえ、結構危険なんだそうです。
1920年代に作られたという舞台装置は、今回の改修工事でおそらくほぼ完全に生まれ変わることになるはずです。
このピンクの舞台装置は、数年前に「カーチャ・カバノヴァ」の舞台で見たような記憶が・・・。定かではないですが。
再び地上に戻って来て、深夜0時から最後のプログラムを観ました。「魔弾の射手」の有名な狩人の合唱を一般の人々が歌うというもので、ここの合唱指揮者エバーハルト・フリードリヒ氏の指導を受けた後、本物のシュターツカペレを伴奏に歌を披露するのです。時間が時間だけにお客さんはやや少なかったものの、最後は大変盛り上がりました。
先週目にした新聞記事によると、シュターツ・オーパーの改修工事は予定通り2010年に始まり、その間の公演は西側のシラー劇場が代替地として使われることになるそう。生まれ変わった州立歌劇場の再オープン予定は、2014年と見込まれています。
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>劇場の地下ツアー
舞台裏が見えるっていいですね。
おそろいの赤いヘルメットがかわいらしい。