ポツダム再発見!

このブログで紹介したことはまだほとんどないが、ポツダムが最近自分の中でちょっとしたブームになっている。最近立て続けに訪れる機会があり、この街のことをもっと知りたいと思うようになった。
ポツダムを深く知ろうとすると、どうしても避けることができないのがプロイセンの歴史だ。正直、フリードリヒ大王のようなビックネームはともかく、「フリードリヒ」と「ヴィルヘルム」のどちらかの名が必ず入る歴代のプロイセン王の名は昔からなかなか覚えられなかった(それにどちらかというと、お城や宮殿というものへの関心が薄かったせいもある)。だが、少しずついろいろなことがわかってくると、例えばベルリンに戻って来て、ウンター・デン・リンデンを歩く時の気分、見方が変わってくる。一方で、ポツダムの旧市街では、(もはやほとんどが失われた)ベルリンの18世紀の家並みを想像しながら歩くのが楽しい。今さらながら、両者が深く関わり合っていることを実感するのである。
プロイセンの歴史をたどっていって興味深いのが、「ブランデンブルク」と「東プロイセン」という2つの辺境の地に端を持つことだ。同様に、ヨーロッパの辺境の一都市に過ぎなかったベルリンが、なぜ今日のような大都市に発展したのか。そして一旦は破滅しかけたのか。それはプロイセンがたどった歴史的プロセスを知らずして語ることはできないだろう。
そういうわけで、熱が冷めないうちに前から少し気になっていたクリストファー・クラーク著の「Preußen」という本を自分へのクリスマスプレゼントとして買ってみた(これは昨年発売されてドイツでも話題になった本で、最近ペーパーバックの新装版が出た)。手元にあるものでは、「物語 ドイツの歴史」(阿部謹也著。中公新書)を読み直している。ベルリンのみならず、ポツダムも今変化のさなかにある。これからは折に触れてポツダムとその周辺のことも紹介していけたらと思っています。
写真はルイーゼン広場に面したポツダムのブランデンブルク門。ここからブランデンブルク通りにかけてつづくクリスマス市もなかなか楽しめました。



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14 Responses

  1. ヘムヘム
    ヘムヘム at · Reply

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    未だにバッハのブランデンブルグ協奏曲のブランデンブルグが
    どこにあるのかわかってないです・・・。
    郊外のブランデンブルグでしょうか?このポツダムのブランデンブルグ門ですか?
    ベルリン市内ではない、という事で止まっていたかも。
    いつかポツダムも見直しツアーとして遊びに行きたいので
    分かった事とかみるべきポイントとかまたここで紹介してください!

  2. bach!!
    bach!! at · Reply

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    ポツダムというと、まず思い浮かぶのがバッハが晩年に訪れたサンスーシ宮殿。「音楽のささげもの」を聴くたびに、メンツェルの「フルートを吹くフリードリッヒ大王」が目に浮かびます。それから、やはりポツダム宣言のツェツィーリエンホーフ宮殿も欠かせません。
    ところで、このポツダムのブランデンブルグ門、少し小さめのようですが装飾がきれいですね。旧市街の古い町並みも素敵なことでしょう。
    この時期の旅行は、各地のクリスマスマーケットに心躍らされます。お会いできることを楽しみにしています。

  3. KIKI-Brandenburg
    KIKI-Brandenburg at · Reply

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    ↑ヘムヘムさん!ブランデンブルクはですねー、ブランデンブルクはですねー!!(笑)あぁ、語りだしたら止まらないので、ぜひ私のブログに飛んできてください。えぇ、本も書いたので。ブランデンブルク協奏曲についても一回書いてるのでご参考までに。(http://ganbarebbg.exblog.jp/6790900/)横槍、失礼しました~。

  4. ヘムヘム
    ヘムヘム at · Reply

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    ↑KIKIさん。ありがとうございます!
    5番をやったことあるというのにその謂れは全く知りませんでした。
    そしてその由来にすごい驚きました!
    これをちゃんと知っている音楽家は少ないかも。
    目から鱗です。調べてこうやって教えていただいてありがとうございました!!!

  5. TanteOL
    TanteOL at · Reply

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    ご無沙汰しております。お元気でいらっしゃいますか。
    以前佐渡さんの同級生ということで、コメントさせていただきました。
    いつも楽しみに拝見しております。
    遅ればせながら、ご結婚おめでとうございます!
    沖縄での手のツーショットがなんともステキでした。
    素晴しい伴侶を得て、充実した毎日をお過ごしのことと思います。
    どうか末永くお幸せに!

    ポツダムの記事、懐かしく拝見しました。10年以上前、両親とベルリンに旅行をした際、足を延ばした場所でしたので・・・
    日帰り旅行でしたので、Schloss Cecilienhofでぐずぐずしていたら、Sanssouciは閉まってしまって、残念な思いをしたことを思い出しました。
    ベルリンはもちろんですが、こうした美しい場所にすぐ訪れることができる環境をうらやましく思います・・・

    Froeliche Weinachten uned viel Grueck im neuen Jahr!

  6. noriko-happylog
    noriko-happylog at · Reply

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    懐かしいです。10月も行きたかったのですが、残念でした。プロセイン. . . 詳しくないですが、実際に歩いたり感じたりすると興味も湧いてきますよね。もう一回、ここを歩いてみたいです。

  7. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    ヘムヘムさん
    ブランデンブルク協奏曲の由来がわかってよかったですね!
    曲は何度も聴いていても、こういうことって知っているようで知らないもので、KIKIさんのわかりやすい解説に感謝です。

  8. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    bach!!さん
    メンツェルの「フルートを吹くフリードリッヒ大王」は、昔はサンスーシの中にあったようですが、今はベルリンのナショナルギャラリーに所蔵されていますよね。サンスーシに行くと、いつもあの絵を見返したくなります。bach!!さんのコメントのおかげで、「音楽の捧げもの」も聴きたくなりました。いよいよ明日ですね。楽しみにしております。

  9. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    KIKIさん
    さすがKIKIさんですね。何となくブランデンブルク大選帝侯だと思っていたら、そんなマイナーな方だったとは。実は、プロイセンの王を整理する時も「がんばれ、ブランデンブルク州!」を参考にさせてもらいました^^;)。かれこれご無沙汰していますね。近いうちにまたお会いしましょう。

  10. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    TanteOLさん
    ご無沙汰しています。コメントありがとうございました。
    サンスーシは残念でしたね。ポツダムは交通の便があまりよくないので、この2つを訪れるだけでも結構大変なんです。また少しずついろいろご紹介したいと思います。どうぞ素敵な年末年始をお過ごしください!

  11. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    noriko-happylogさん
    お久しぶりです。ポツダムのよさがわかるには私も時間がかかりましたが、興味が尽きない場所です。機会があったら、ぜひまたいらしてください。

  12. bach!!
    bach!! at · Reply

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    このたびのポツダムのご案内、ありがとうございました。いつもブログでは、巧みな文章で豊富な話題を楽しませて頂いておりましたが、実際にお目にかかり誠実なお人柄にも接することができ、嬉しく思っております。あっという間に1日が過ぎてしまいましたが、まだまだお話ししたいことがいっぱいありましたね。ポツダムは想像以上に広かったですが、効率よく回っていただいて、十分楽しめました(私はDBを使っての瞬間移動(笑)は得意なのですが・・・)。ガイドブックでは見ることができない、この季節ならではの風景(冬囲いなど)や大王の犬の墓のこと、ツェツィーリエンホーフの屋根の顔・・・など面白かったです。
    ところで「音楽の捧げもの」ですが、多種多様の楽器編成と解釈のディスクがその存在を競い合い、コレクターにとってこれほど面白い曲はありませんね。対抗できるのは「フーガの技法」くらいでしょうか?
    確か、高校の頃買ったこの曲の初めてのLPがリヒターのもので、何十回も繰り返し聴いたものです。冒頭の大王のテーマからピンと張りつめた空気があって、姿勢を正して聴いたものです。

  13. bach
    bach at · Reply

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    その後、古楽器によるディスクが登場、その斬新さに息をのんだのがレオンハルト&クイケン兄弟によるもの(1974年録音、セオン原盤、現在はソニーSRCR2123が現役盤?)。古楽奏者による類似の演奏もたくさん聴きましたが、やはりこれは忘れ難い特別な演奏です。ところが、衝撃度ではこれを上回るディスクが数年前に登場。ケーゲル/ライプチヒ放送響(1972年録音、WEITBLICK SSS0060-2)によるもので、バッハが大王の前で弾いたといわれるフォルテピアノを使っての「3声のリチェルカーレ」は、その様子を彷彿とさせます。しかし、それ以降は現代楽器でオーソドックスなのですが、「5つのカノン」ではデッサウの、「6声のリチェルカーレ」ではヴェーヴェルンの編曲版を使い、全曲をまとめてしまうという不思議さ。デッサウ編では変な仕掛け(秘)もあり、ここだけ取り上げて繰り返し聴くことも多いです(ほとんど病気?)。さらに、ピアノで全曲弾いてしまったリフシッツ(2005年録音、Orfeo ORFEO 676071)の演奏は、不思議と心休まりヒーリングに最適なのでお試しあり。・・・と、個人的な趣味を長々と書いてしまいましたが、お許し下さい。

  14. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    bach!!さん
    寒い日でしたが、ポツダムをご一緒できて本当によかったです。あっという間の1日でしたね。お見せしたいところはまだまだたくさんあるので、それはまた次の機会にさせてください。ポツダムについての理解は私ももっと深めたいと思っています。

    「音楽の捧げもの」は、本当に西洋音楽における最後の奥義というか、少なくとも向こうから笑顔を振りまいてくれる音楽ではありませんが、詳細に書いてくださったディスク案内を参考にじっくり聴いてみたくなりました。早速正月明けにDussmannに足を運んでみます(笑)。

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