先月末、ベルリンの見本市会場で行われたInnoTransという国際鉄道技術専門見本市に足を運ぶ機会がありました。2年おきに開催されるヨーロッパ最大規模の鉄道見本市だとかで、今回は41カ国より1914社が出展しているというから驚きです(日本語ページはこちらより)。SバーンMesse Nord駅側の入り口から中に入ってみると、そのあまりのスケールにびっくり。こちらはご存知DB(ドイツ鉄道)のブースですね。
鉄道見本市といっても、いわゆる鉄オタ風の人は皆無で、ほとんどがスーツ姿のビジネスマン。当然のことながら、みなさんあくまで仕事で来ているのです。実際、6日間の開催期間中のうち、4日目までは外部の人には公開されておらず、非常に専門性の高いメッセという感じでした。
至る所に、車輪やら、何かのモーターやら、このようにパンタグラフだったり、ドアの開閉装置だったりが置いてあるのですが、鉄道に多少の興味はあっても、素人には何が何だかほとんどがチンプンカンプンです。
この日は日本からやって来た知人のWさんが招待してくれたお陰で中に入れたのですが、彼が日本の鉄道会社に取引しているというのが、線路を固定するドイツ製の特殊な留め金。例えばドイツ鉄道ではほとんどのレールでこの会社のものが採用されているのだそうです。なんともマニアックな世界ですが、このことを知ってからというもの、電車を待っている間、たまにホームから線路を覗き込んでしまう始末(?)。Wさんとお昼をご一緒し、正直そろそろ帰ろうかなと思っていたら、「野外展示場の車両はもうご覧になりましたか?あれはすごいですよ。つい昨日、新型のICEが発表されたばかりで話題になっています」とWさんがおっしゃるので、これは行ってみねばと予定変更(笑)。
実際行ってみたら、見本市会場の裏側に、こんな広大なヤードがあったのかとただただびっくり。何本もの線路にぎっしりと最新の車両が並んでおり、ここなら誰でも楽しめます。実際、見本市の最後の2日間、この野外展示場だけは、2ユーロの入場料で一般にも公開されるのです。
まず私の目を引いたのは、超特急ペンドリーノの新型車両。流れるようなフォルムがかっこよく、カーブにも強い振り子式の車両です。
ペンドリーノといえばイタリアのイメージがありましたが、至る所にスイス鉄道のロゴがあったのでスイス製?このように車内も見学でき、1等車の乗り心地を体験することができます。
(つづく)
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この展示会は、鉄道ファンにはたまりませんね。正直うらやましいです。いまどき鉄道業界もグローバル化し、輸送が難しいから最終組み立ては現地で行うことも多いですが、ドイツの列車が中国で、日本の列車がアメリカで走っていたりします。昔は「国鉄」しかなくて、地元メーカーの列車しか採用されなかったのですが、いまは鉄道会社が民営化され、どこで発注するかも自由になりつつあって、世界中のメーカーが競争しています。その結果、国際鉄道展も成り立つわけですね。
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おぉ、これはおもしろそう!こういう裏側の技術に触れると、世の中を見る目も変わってきますよね!先日Suttgartのメルセデス・ベンツ博物館に行ってきたところですが、単なる技術だけではなくて、全体のコンセプトというか、ある種の「哲学」のようなものを感じました。屋外の展示は、その時のことをちょこっと思い出させてくれたので。
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私も行ってきました!
といっても、週末に一般公開の外の展示のみです。
すごい数の車両で、たいていの車両は中に入れたので楽しめました!
無料で乗れる機関車は展示会会場の外まで走ってゆくので驚きました。
すごい規模でしたよね。
鉄道ファンならずとも楽しめるメッセだと思いました。
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偶然、会場でお会いしましたね(仕事が終わった直後で脱力してぼーっとしていたと思います)。熾烈なビジネスが繰り広げられているビジネス・デーにも鉄道ファンは紛れ込んでいましたよ~(笑)。
わたしは、その後の一般公開日にも見に行ってしまいました(2週間後に行なわれたベルリン・リヒテンベルク駅での統一記念鉄道祭のアドラーとICE-Tの記念乗車券を買いに・・・)。
ビジネス・デーは各社商売がかかっているせいか、かなりの熱気を感じました。その一方で一般公開日には市民サービスというか何というか、DBやBVGがテントを出したりしていてDBのいろいろなプロジェクトについて市民に説明していたのが印象的でした。一般公開日は天気が悪かったのとホールの展示が全て終わっており、片付けられていたのが残念です。いずれにせよビジネス・デーと一般公開日の両方を見ることができて興味深かったです。
一番初めの写真はDBのブースにあったアドラーですね。アドラーは走れるのと走れないの二両のレプリカがあるようですね。
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キートスさん
コメントありがとうございます。
なるほど、「国鉄」が各国の鉄道の主流だった時代には、こういう見本市は成り立たなかったわけですね。東芝など、日本企業の出展もいくつか見かけました。グローバル化は結構なことですが、一方で各国の列車の個性も残していってほしいですね。
fachwerkstrasseさん
ベンツ博物館!2003年夏に訪れた時、閉館の時間が迫っていて結局中に入れなかった苦い思い出があります。あれから改装され、内容も一層充実していると聞きますので、ぜひいつか立ち寄ってみたいですね。
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たんたんさん
週末に行かれたんですか。本当に驚くべき規模でしたよね。乗車できる体験コーナーもあったとは知りませんでした。2年後(?)がまた楽しみです。
Hase Sakiさん
あの日は本当に偶然でしたね。通訳のお仕事お疲れさまでした。冒頭の写真は「アドラー」というのですか。ちょっと調べてみたら、ドイツ初の蒸気機関車だとか。なるほど!今年はドイツの鉄道の175周年ですよね。昨日はWuhlheideのParkeisenbahnという楽しい汽車に乗ってきました。ご存知でしょうか?今度ぜひご紹介したいと思います。
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Wuhlheide には先週のはじめと週末に行って来ました。真人さんも行かれたのですね。先週のはじめまでゲーリッツから公園鉄道用のアドラー(残念ながら蒸気ではなくディーゼル駆動でした)が来ていました。週末は蒸気機関車も運行されていましたね。あれに乗られたのですね。ポーランド製でなかなか面白いです。鉄道模型の展示も少し見てきました。フュルトからも鉄道模型愛好会のひとが来ていましたね。真人さんはご覧になりましたか?彼らのレイアウトはシンプルでしたが、1836年のアドラーとフュルトの駅の状態を忠実に再現していて、なかなかよくできていました。公園鉄道はピオニーア鉄道の伝統を守り子供が主に運用しているので面白いです。Wuhlheide の記事も期待しております。
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Hase Sakiさん
コメントありがとうございます。やはりあの日Wuhlheideに行かれていたのですね!さすがお詳しい。あの鉄道模型のレイアウトには感嘆しましたが、「1836年のアドラーとフュルトの駅の状態を忠実に再現」したものがあったとは、完全に見逃していました。お恥ずかしい限りです。機会があったら何かでご一緒させてください(笑)。