見本市「YOU」の中のAKIBA@DE秋葉原のブース
6月8~10日、ベルリンのメッセ会場で見本市「YOU」が開催されました。YOUは1996年にドルトムントで始まった14~22歳の若者向けのトレンドメッセで、音楽、スポーツ、ライフスタイル、教育の4つのセクターから成っています。会期中は約14万人が訪れるなど、この種の見本市としては欧州で最大規模なのだそうです。
今年のYOUの特徴は、ライフスタイル内にアジア・エリアが設けられ、多くのブースが並んでいたこと。「マンガ、アニメ、スシはこちらでもよく紹介されますが、寿司以外の食文化や語学、伝統文化も含めて、ヨーロッパの若者にもっと日本のことを紹介したいと思っていました」と、主催者であるベルリン見本市会社のマライケ・ランツさんは説明します。
中でも目立っていたのが、AKIBA@DE秋葉原と大きく書かれた奇抜なブース。これは、東京・葛飾のシン・ネットワーク社がメイン出展して作られたものです。実行委員会の多賀信樹さん(デュッセルドルフ在住)は、「ポップカルチャーも含め、今の日本の生活文化を日本人の手で紹介したい。その際、われわれの出展のイメージをはっきりさせるために、外国人にとっても重要な観光スポットとなっている秋葉原を全面に出そうと思いました」と語ります。
浴衣の試着コーナーはドイツ人にも好評だったそうで、デュッセルドルフで活動しているアーティストたちによる現代アートの作品も並んでいました。
メイド服を着て手拭いを売る若い女性に話し掛けてみると、日本人かと思いきや内モンゴル出身で、現在はエッセンでドイツ語と日本語を勉強しているという鄭北婷さんでした。漫画『SLAM DUNK』を読んで日本文化に興味を持ったという彼女。「あ、これはメイド服ではなくて、ゴスロリ(ゴシック&ロリータ・ファッションの略称)ですよ」と流暢な日本語で指摘されたものの、私には何のことかさっぱりわからなかったことを告白しておきます。東京発のポップカルチャーが、今や海を越えて広まっていることを実感しました。
手拭いを売る女性2人。右が鄭北婷さん
最終日は、東京からラーメン屋「豚とこむぎ」、パリからはコスプレお好み焼き屋「お好み娘」がそれぞれの名物をふるまい、こちらも好評だったとか。前述のランツさんは、「来年はぜひ、ここで弁当講座を開きたいですね」と意気込んでいました。
(ドイツニュースダイジェスト 7月13日)