2月21日、ベルリン市と東京都の友好都市提携20周年の記念式典が赤の市庁舎の大ホールにて開催され、日本とドイツの関係者が多数参加しました。
ベルリンと東京は近代都市として発展した後、第2次世界大戦で甚大な被害を受け、そこから復興を遂げてきた共通の歩みを持っています。その過程で両都市の交流が育まれ、1994年5月14日、鈴木俊一都知事(当時)がベルリン市を訪問した際、エーベルハルト・ディープゲン市長(当時)との間で友好都市関係を締結する共同宣言に調印したのでした。近年では、クンストラウム・クロイツベルク/ベタニエンとトーキョーワンダーサイトの間でアーティストのレジデンス交流が始まるなど、芸術分野での両市の交換も盛んになっています。
式典では、ベルリン市を代表してヘラ・ドゥンガー=レーパー次官が「ベルリンと東京は大都市に共通の問題も抱えているが、共に多様性に満ちた魅力ある都市であり続けていきたい」と挨拶。中根猛駐ドイツ大使は、その祝辞の中で2020年の東京オリンピック/パラリンピックに触れ、今年、東京とベルリンの両都市のマラソン大会で行われる市民ランナー同士の交流を紹介しました。2月末に開催された東京マラソンでは、前年のベルリンマラソンで好成績を収めたドイツの市民ランナーが2人招待され、逆に9月28日のベルリンマラソンには東京からのランナーが招かれるそうです。ベルリン市が、東京大会の次の2024年夏季五輪に立候補するかどうかも、今注目されています。
その後、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のコンサートマスターを務めるヴァイオリニストの日下紗矢子さんと、ベルリン在住のピアニスト福間洸太朗さんという2人の音楽家の共演により、細川俊夫さん編曲の「五木の子守唄」、R・シュトラウスのヴァイオリンソナタが奏でられ、大喝采を浴びました。
式後のレセプションでは寿司やカレーソーセージなどが振る舞われ、私は外交官や企業人として東京に縁の深いドイツ人の方々と歓談することができました。彼らが流暢な日本語で東京や日本への強い思い入れを語る様子を見て嬉しく思うと同時に、東京もベルリンも、外から来る人々を温かく迎える世界都市であり続けてほしいと強く感じた次第です。
今年は友好都市20周年を記念した多くの行事がベルリンで行われます。スポーツから音楽、講演会、落語などの古典芸能、学術交流に至るまでプログラムは多岐に渡ります。詳細はwww.berlin.de/senatskanzleiにてご確認ください。
(ドイツニュースダイジェスト 3月21日)