2021年最初の投稿が1月も終わり頃になってしまいました。ドイツでは数日前にロックダウンが2月14日まで延長されました。感染者がなかなか減らず、厳しい状況が続きますが、毎日健康に過ごせることのありがたさを強く感じる日々です。
去年のベルリンを振り返ってみると、コロナ禍により人の往来が途絶えた一方で、ベルリン・ブランデンブルク空港のオープン、地下鉄U5の全通、さらにフンボルト・フォーラムの公式オープン(あくまで形式上はということで、一般公開の開始はまだですが)など、大きな動きがいくつもありました。その中で、意外にも(?)私にとってエモーショルな出来事となったベルリン・テーゲル空港の閉港のことを書いてみたいと思います。コロナがなければ、最後にもう一度この空港に降り立たちたいと考えていた方もいらっしゃるかもしれません。ささやかながら1つの記録として、ここに残しておきたいと思った次第です。
昨年10月24日、家族でテーゲル空港に行ってみました。#DankeTXLというお別れキャンペーンに際して、空港の展望テラス見学をこの日に予約できたからでした。少し驚いたのは、閉港まであと2週間という中での空港の閑散とした様子です。
私自身、テーゲル空港に来るのは、2月に日本からの帰りに降り立って以来でした。
A9と10カウンターはルフトハンザ便に利用されていたので、日本から来る方のお迎えに一時期は本当によく足を運びました。いろいろな思い出やハプニングが脳裏によぎります。西側に住む私にとっては、到着予定時刻の30分前に自宅を出れば大抵余裕をもって間に合ったので、何かと使い勝手のいい空港でした。
私が1998年に初めてベルリンに降り立ったときもこのゲートだったのではないかと思いますが、確かな記憶がありません。
六角形のメインターミナルをぐるりと回って、再び入口ホールに戻ります。
構内では「ありがとうTXL」のハッシュタグの付いたお別れメッセージにあちこちで出会いました。この裏手にあった免税手続きのカウンターなどはすでに閉鎖されていました。
空港の出口を出たところに、戦前の古いSバーンの先頭車両を使ったカリーヴルストのインビスがあります。
展望テラスを見学したらここで食べて帰ろうと決めて、屋上へ上がります。
屋上のテラスは、家族連れなどで結構賑わっていました。旅客機の離陸シーンも一度見ることができました。ところが、下に降りて来るとインビスはもう閉店しています。楽しみにしていた息子はベソをかき出す始末。私も名残惜しくなって来て、もう一度訪れることにしました。
1週間後の10月31日。再びバスに乗ってやって来ました。今度は食べ逃さないようにと、まずはカリーヴルストのインビスへ行って腹ごしらえ。
前回と違い、空港の最後の様子を観に訪れている人の数が明らかに増えていました。
テーゲル空港の敷地は、将来的には約1万人の住宅街やリサーチパーク「Urban Tech Republic」に生まれ変わる予定です。メインターミナルは文化財になっているので建物としては残るようですが、どういう用途で使われることになるのでしょうね。
さらにその1週間後の11月7日、今度はU6のKurt-Schumacher-Platz駅からMeteorstraßeという通りを目指しました。住宅街に沿った道を10分ほど歩くと、土手の上に多くの人が立っている光景が見えてきました。
この日は空港閉鎖の前日。飛行機の離着陸を外から見ておきたいと思い、どこか良い撮影スポットがないかと調べてヒットしたのがこの場所でした。数日前に夕方のニュースでも取り上げられていたので、すぐにここだとわかりました。かなり蜜な空間になっていたので、時々警官が見回りにやって来ます。
後で知ったのですが、翌11月8日の最終日はパリ行きのエールフランス便が離陸するだけだったので、テーゲル空港に飛行機が着陸するのはこの日が最後なのでした。どうりで地元のギャラリーの数が多かったわけです。
ベルリンの11月らしくない快晴の中、飛行機の離着陸を眺める時間はなかなかいいものでした。2008年のテンペルホーフ空港に続き、西ベルリン時代から旅客空港として50年近い時を歩んできた空港は、こうして幕が下ろされました。
テーゲル空港の最終日の様子と新空港のことは以下の記事に書いたので、よかったらこちらもどうぞ。
TXLからBERへ ベルリン新空港を初訪問(ドイツニュースダイジェスト)
日本とドイツ、そしてベルリンの間を自由に往来できる日が早くまた戻ることを願っています。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。