フンボルト・フォーラムの展示「ベルリン・グローバル」(2)
前回に続いて、フンボルト・フォーラムの展示「ベルリン・グローバル」の後半をご紹介したいと思います。Grenzen(境界)という部屋に足を踏み入れると、床に描かれたベルリンの地図が光で照らし出されました。ベルリンで境界とい…
フンボルト・フォーラムの展示「ベルリン・グローバル」(1)
昨年7月、ベルリンの中心部にフンボルト・フォーラムがオープンしました。かつてのベルリン王宮を再建する形を取りつつ、中身は芸術、文化、学術、教育をテーマとする複合文化施設として新たに誕生したのです。 この中にはプロイセン文…
ブレスラウで活躍した、オットー・ミュラーの展覧会
1919年は欧州の歴史において大きな転換点となった年です。第一次世界大戦が終結し、いくつもの小国が独立。欧州の勢力図が大きく変化するとともに、芸術においても新たな潮流が生まれました。 今年はその年からちょうど100年。ベ…
発生から80年「水晶の夜」の特別展
11月9日はドイツ史において「運命の日」と呼ばれます。この日に起きた重要な出来事の一つが、1938年の反ユダヤ主義暴動の「水晶の夜」です。今年はあの事件から80年の節目を迎えるに際し、ナチス時代にゲシュタポ本部があった記…
エフライム宮殿の展覧会「大都市の美」
ミッテ地区のニコライ教会からほど近いエフライム宮殿で、「大都市の美」という展覧会が開催されています。これは19世紀前半から現代まで、都市ベルリンをモチーフに描かれた絵画を一堂に集めた企画展です。生粋のベルリンっ子の知人か…
難民出身の俳優たちが演じる マキシム・ゴーリキー劇場の「冬の旅」
一時期に比べると、難民関連のニュースがドイツのメディアを賑わす頻度は減ったように感じられます。しかし今もアクチュアルな主題であることに変わりはなく、外交問題のこじれや紛争やテロの激化などで、いつ新たな難民が出現しても不思…
山田耕筰のオペラ『黒船』がノイケルン・オペラで欧州初演
ベルリンのノイケルン地区にあるノイケルン・オペラは、ベルリン3大歌劇場に比べると規模はずっと小さいながらも、古典の大胆なアレンジやオリジナル作品によりピリリとした魅力を放っている劇場です。2月18日から、山田耕筰の作曲に…
王宮と歩んだ歴史 都市の発展を知る展覧会
ドイツのお城といえば、多くの人はライン川や南ドイツの古城を思い浮かべるかもしれません。城のイメージには遠いベルリンにも、かつて壮麗な王宮がありました。この「ベルリン王宮」をテーマにした展覧会「王宮。都市。ベルリン。」(S…
発掘の散歩術(76) -アレッポ商人の応接間に笑みが戻る日は-
ペルガモン博物館2階のイスラム美術の展示はこの部屋から始まる。背の低い入口から入ると、T字型の部屋の9面の壁に隙間なく描き込まれた赤地の装飾に目を奪われた。次々とやって来る世界中からの客人も、イヤホンガイドを聞きながら、…
映画『コーヒーをめぐる冒険』のご案内
「ベルリンで、じっくり味わう」をキャッチコピーにした、ベルリンを舞台にした新作映画が間もなく東京で公開されます。 ヤン・オーレ・ゲルスター監督の『コーヒーをめぐる冒険』(原題は”oh boy”)。…
「ベルリン パノラマ写真展 1949-1952」
Pariser Platz, 1951, Aufgenommen vom Fotografen Fritz Tiedemann, rekonstruiert von Arwed Messmer 2008, 1,25 x …
映画「ベルリン・フィル 最高のハーモニーを求めて」
ベルリン・フィルのメンバーが今週韓国から日本入りしたそうだ。いよいよ明日から始まる3年ぶりの来日公演は、今クラシック音楽ファンの間で大きな話題になっているのではないだろうか。とはいえ、日本でベルリン・フィルを幸運にも生で…
「4つのベルリン」展
先週の月曜日、ブランデンブルク門の真横Haus der Commerzbankにて行われる「4つのベルリン」展のオープニングに足を運んで来た。今月はEuropäischer Monat der Fotografieという…
映画「帝国オーケストラ」ディレクターズカット版を観て
今月のベルリン・フィル来日に合わせて、関連の新作映画が2本上映される。そのうちの1本、「帝国オーケストラ」(原題:Reichsorchester)を最近観る機会があった。 これは「第三帝国下のベルリン・フィル」というテー…
エフゲニー・ハルデイ展 – 「帝国議会の赤旗」の写真家 –
1945年5月初頭、ベルリンの帝国議会に掲げられるソ連の赤旗の写真。20世紀を象徴する1枚といって過言ではない、この写真を見たことがない人はあまりいないだろう。一方で、この写真を撮った人物の名前を知っている人は、果たして…
映画「ベルリン―5月1日」
先週の土曜日、プレンツラウアーベルクのColosseumという映画館で「ベルリン―5月1日」という作品を観ました。今年のベルリナーレはドキュメンタリーが多いので、タイトルからしてこれもそのうちの1本かなと思いましたが、そ…
映画「エーミールと探偵たち」(1931)
しばらく前にドイツのアマゾンで購入した映画「エーミールと探偵たち」のDVDを観ました。原作はエーリヒ・ケストナーの数ある児童文学作品の中でも一番よく知られ、日本語訳で読んだことのある方も多いと思うので、ストーリーの説明は…
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