「2006年ワールドカップはサッカーだけのお祭りじゃない!」
来年のワールドカップに関連したカルチャープログラム(Kulturprogramm)の概要が、一昨日、連邦内務大臣シリー、大会組織委員長ベッケンバウアー、そしてオープニングガラを演出するオーストリア人のアーティスト、アンドレ・ヘラーによって発表された。「これだけ多彩でクリエイティブなカルチャープログラムは、W杯だけでなく、オリンピックの歴史を見てもかつてなかったことだ」とカイザー(皇帝)の異名を持つベッケンバウアー氏は胸を張る。200もの応募の中から、48のプロジェクトが選ばれ、連邦政府はこのプログラムのために3000万ユーロもの資金を援助するのだという。
中でも注目されているのは、”Die Tiefe des Raumes”というタイトルの「サッカー・オペラ」なるものと、”Rundlederwelten(丸いボールの世界)”という展覧会。
前者は、サッカーの魅力をオラトリオ形式の音楽劇として表現するというもの。演奏時間は前後半それぞれ45分(笑)。ボッフム交響楽団の演奏で、この10月に初演される。W杯の決勝戦当日には、ベルリンのコミッシェオーパーでも再演される予定だという。合唱団が歓声を表現し、ホイッスルや監督の台詞を引用したりして、スタジアムの雰囲気が劇場に再現されるらしいのだが、一体どういう作品になるのだろう。観たいような観たくないような・・・
「丸いボールの世界」という展覧会は、10月20日からベルリンのマルティン・グロピウス・バウで開催。70人以上もの現代アーティストがサッカーをテーマに創造した、絵画、写真、彫像、インスタレーション、ビデオ作品などが展示されるのだが、サッカーをテーマにしたこれほどの規模の展示は初めてだという。かのアンディ・ウォーホルによるベッケンバウアーの肖像画が、とりわけ目玉のようだ。
他にも、討論会、ヒップホップ、文学、劇、ダンス、ストリートサッカーのフェスティバルなど、とにかくあらゆるイベントがサッカーに結び付けられる。
なかなかおもしろそうであり、楽しみでもあるが、やはりサッカー好きとしては、本物の試合をスタジアムで観戦すること以上の喜びと興奮はありえない。こんなこと言っては身もふたもないけれど。チケットなんとかならないかなー。
写真は”Fussball-Globus”と呼ばれる、移動型の巨大なサッカーボール。中にちょっとした展示スペースがあって、見ることができる。現在はW杯開催地を巡回中で、開幕直前には再びベルリンに戻って来るという。この写真は2003年9月、ブランデンブルク門前に初めてお目見えした時に撮ったもの。
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ドイツでもこんな盛り上がりがあるのですね。
フットボール的に成熟した国家だと思うので、
わざわざここまでするんだなあと若干の驚きです。
2002年のワールドカップでのことですが、
ワタシは幸運にもドイツ対アイルランドの試合を観戦できました。
試合が始まる前に、サブグラウンドで両国のサポーターがミニゲームをやっていたり、
鹿島の屋台村で、アイルランドサポの兄ちゃんとビール飲んだりと、
「W杯的国際交流」を楽しめました。
2002年の6月7月の日本国内におけるギネスの消費量は史上最多だったらしいです。
アイルランド人がんばりすぎです。
この記事とは関係ない話でしたが、やはりワールドカップは大イベントなんでかねえ~。
W杯を機会として、「新首都ベルリン」が国際的にも認知されてほしいですね。
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こんばんわ~。
W杯に向けて盛り上がってるようですが、個人的にサッカーオペラ、気になるなあ(笑)でもなんといっても試合のチケット入手して見に行けるといいですね。愛・地球博のドイツパビリオンではドイツに関するクイズに答えた人の中から抽選でペア一組に”ベルリン一週間の旅。往復旅費・宿泊費・W杯決勝戦のチケット2枚含む”というのが当たるそうですが、これってすごいですよね~!><!サッカー好きの友達は絶対ドイツに行く!って言ってますが。。
また様子を教えて下さいね。
でも私、共和国宮殿の記事読んだらW杯の前に足を運んでみたくなってしまいましたっ!
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>ゲルトさん
あのドイツ対アイルランド戦はドイツ人の友達とビアガーデンで観戦したのでよく覚えています。アイルランドサポーターの熱い声援もすばらしかったし、ロイ・キーンが劇的な同点ゴールを決めた瞬間のドイツ人の落胆ぶりといったらなかったですね。
これだけの規模のカルチャープログラムが実現できるのも、ドイツではサッカーが文化を構成する一部として、もはや欠かせないものになっていること、あと政治家の中にサッカー好きの人が多いことも大きいですかね。ドイツが勝ち上がった前回W杯の決勝戦では、首相、大統領の他にも閣僚が何人も駆けつけて、国内の方がおざなりになっているのでは、と心配されたことがあったほどです。
「サッカーは人類最大の異文化接点」なんて言っている人もいますが、来年あの興奮の中に身を置けるのかと思うと、やはりドキドキします。
>ゴン太くん
W杯決勝戦のチケット、それはまさに夢ですねー。日本が決勝戦に勝ち残ったら、チャンスはありそうです。前回、ドイツ人に対してそうだったように。まあ、夢は大きく、ということで・・
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セコイ話で申し訳ないのですが...
WM2006に関しては日本でも盛り上がっています.
スポーツニュースでもサッカーに割く時間が増えたりしてます.
(その分,オレの好きなプロ野球が少々削られているのは無念ですが)
で,ここからがセコイ話です.
せっかくドイツでWMなんだから,
もうちょっとドイツ語熱が上がってもいいのになあ,って思うんです.
ちょっとだけ素性を明かしますと,
オレは高校でドイツ語を週4日教える傍ら,アルファベット3文字の某英会話学校でドイツ語会話の講師もしております.
この機会にドイツ語熱が上がって,「ワールドカップ直前サバイバルドイツ語講座!」なんてものが立ち上がらないかなあ,と密かに期待しておったのですが,まったくそんな気配がありません.
ああ,稼ぎどころかと思ってたのに...
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お気持ちはよーくわかります。ドイツ語に仕事として関わっている人なら、誰しも思っていることだと思いますよ。今年はドイツ年だし、日本も早々とW杯出場を決めたし、マイナーなドイツ語にとって、これほど自分を売り込むチャンスはないはずですが、実態はなかなか厳しいようですね。
「ヨン様」に匹敵するスターがドイツから現れたら、ドイツ語熱は確実に高まると思いますが、「ピアノマン」とボリス・ベッカー、オリバー・カーンぐらいしか思い浮かびません。だめだ、こりゃ。
うーん、なにかいいアイデアはないですかねえ・・・あったらまた教えてください。私もベルリンがもっと注目を浴びるよう、ささやかながらこのブログでいろいろ伝えていきたいと思っています。
そういえば、今日発売の「フィガロジャポン」はベルリン特集を組んでいるようですね。内容がかなり気になっています。
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ううむ,ヨンさまに匹敵するドイツ人スターかあ.
これは難問ですなあ.
ピアノマンねえ.お騒がせな野郎だ,まったく.
でも,アクチュアルなドイツ人というとピアノマンぐらいしか思い出せないのもまた事実なワケで,嘆かわしいですな.
ドイツ映画祭やベルリン博物館島展など「ドイツ年」と称するイベントにいくつか行ってみましたが,
どれもこれも直接ドイツファン増加やドイツ語熱上昇,ドイツ語学習者層の拡大などといったかたちでは作用しなさそうなものばかり.
映画祭では舞台挨拶のブルーノ・ガンツ氏をナマで見ましたが,
ヨンさまに対抗できるほど有名な役者ってワケじゃないですしねえ.
オレはナマで見られて非常に感激したのですが.
いやあ,ドイツ語教育業界,お先真っ暗ですよ.
高校での履修希望者も中国語に押されて減少する一方ですし.
はぁ~...