「ベルリンにはタワレコもHMVもない。しかし、Dussmannがある!」
私のもとにたまに日本からお客さんがやってくる時、「ベルリンで大きなCD屋といったら、どこになるのかな」と聞かれることがある。日本でいうタワレコとかHMVのような大型店を期待しているわけだが、あれほどの品揃えの店は、ベルリンではあまり期待しない方がよい。だが、1軒だけ強力におすすめできる店がある。ベルリンに住む人なら知らぬ者はないと言ってよい、Dussmannである。正式名はDas Kulturkaufhaus Dussmann。その名の通り、「文化のデパート」。CDやDVDだけでなく、本屋も兼ねていて、その品揃えはすばらしい。いや、品揃えだけを見たら、渋谷のタワレコの方がやはり上だろう。
この店のすごいところは、全てのCDを視聴できるということである。
ベルリンに来て間もない頃、初めて地下のクラシックコーナーに足を運んだ時は本当に驚いた。店員用のカウンターの周りに、試聴用のステレオが何台か並んでいるのだが、お客さんが店員の前でCDの袋を堂々とビリビリ破いているのだ。それどころか、「これちょっと開けにくいから」といって店員に任せる人までいる。すると、店員さんはカッターでCDの包みを破り、値段のシールを再び貼り付けて渡してくれる。試聴し終わって山積みになったCDは、そのままにしておけば店員が片付けてくれる。包装が取れ、むき出しになったCDは当然傷ができやすくなるわけだが、もちろんそれも売り物として扱われる。何しろ包装や見た目をとりわけ気にする日本からやって来た私。そういうものを買う人はいるのだろうかと人事ながら心配になるのだが、結局は中身のCDが聴ければいいのであって、ドイツ人はあまり気にしないようだ(しかし、プレゼント用にと言うと、ものすごく凝った包装をタダでやってくれる)。
なんと気前のいい店なんだろうと私は思った。それからというもの、Dussmannは私にとってこれ以上ない暇つぶしの場所となった。CDは自分で聴いて、とことん見極めてから気に入ったものを買うことができる。新譜は日本並に高いけれど、小まめに足を運んでいると、半額セールをやっていることもよくある。平日だけでなく、土曜日も22時まで開いているというのも大きな魅力だ。これはドイツで唯一の例らしい(日曜日はもちろんお休みです)。
注:2006年秋より開店時間が変わり、月-土までは深夜0時まで営業している。
4階建ての本屋としても充実している。ところどころにソファーが置いてあって、立ち読みではなく、堂々と「座り読み」ができる。本に書いてあることをノートに書き写しても、文句を言う人は誰もいない。カイザー・ヴィルヘルム教会前の大型書店Hugendubelでは、中にカフェがあって、お茶を飲みながら、新聞や売り物の本を読める。ここは機能的な内装のデザインもよい。
ドイツ人はケチだとか不寛容だとか言われることも多いが、こういうところでの大らかさはすばらしい。さすが、活版印刷を生み出した本の国、芸術の国だけのことはある。
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日本にもこういう店が欲しいですな.
本屋だと,たしか東京駅の駅前にある「八重洲ブックセンター」が
読書喫茶コーナーを設けていた気がするが,
まあ,これは例外でしょう.
ただ,日本で例えばタワレコやHMVなんぞが似たようなことを始めると,
ならず者の溜まり場になりそうな気もします.
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私はたまに日本に帰ると、まず大きな本屋に行って2,3時間過ごすのを楽しみとしているので、座って本を読めるというのは大変ありがたいです。
でも確かに、同じことを日本で始めたらいろいろ問題も起こりそうですね。
私は昔よく横浜の日の出町にある大きな図書館に通っていたのですが、音楽や映画が観れる地下の視聴覚ルームが浮浪者の溜り場になっていて、学芸員とよくもめていたのを思い出しました。
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DussmannでCDを物色しているところをマサトさんに目撃されたゲルトです。
Dussmann、ディスプレイがきれいなお店ですよね。
視聴できるっていうのには気づきませんでした。
ここで5オイロぐらいで買った(安い!)マイスタージンガーのハイライト盤は
ドライヴによくもってゆくくらい愛聴しています。
第3幕への前奏曲を車内で熱唱しています。
名古屋駅の地下にある三省堂書店にもカフェがあるようですね。
行ってみたことはまだないんですが、売り物の持ち込みOKみたいです。
しかも、コーヒーが美味いらしいです(これは重要)。
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Dussmann、懐かしい…。ツアーで2回とも行ったっけなあ、確か。何も買わなかった気はするけど。
ところでDussmannにはアレ置いてあるんですかね?
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私はDussmannで何回もまさとさんを目撃しました。住んでるんじゃないかってくらい、よく。笑
Dussmannは本屋CDだけじゃなく、(少ないけど)楽譜なんかも売ってるみたいですよ。私は使ったことないけど。。。
Dussmannは私のお勉強の場です。楽譜持っていって見ながらCD聴いてます。
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Dussmann良いですね!あそこ程クラシックコーナーが充実したCDショップを、ドイツの他の街では知りません。Zweitausendeinsは違う意味で良いですが…。CD試聴できるお店は結構ありますが、包みを破ってくれるのには最初恐縮しましたね。(笑
ハンブルクの大型書店はTHALIAです。ベルリンにはないですよね?空いててゆったり過ごせ、コーヒーが安いのが◎です。
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上のSeoniは私です。
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いろいろ語っていただきありがとうございます。なんだか、Dussmann讃歌のようになっていますが(笑)、みなさんそれぞれ思い出があるようですね。簡潔にですが、個別にコメントいたしますと。
>Seoniさん
そうです。Dussmannは第2の我が家なのです(笑)。というのは言い過ぎですが、今でもあそこに通わない週はありません。
>hummel_hummelさん
Zweitausendeins、よくご存知ですね!私もたまに行きます。あそこに通うようになったら、もはや末期症状(笑)。いや、でも異様に安くていいものが新品で買えるのはあの店ぐらいしか知らないので、やはり外せませんね。
>ゲルトさん
マイスタージンガーを熱唱しながらドライブ?テンション上がり過ぎで、スピードの出し過ぎにはご注意を。
>ばやさん
アレとは、ばやさんの好きな某日本人女性歌手のCD?だったら見たことがありません。まだまだ布教活動が足りませんね(笑)。
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昔は、旅行の際にはパックツアーでも、旅程の一部をキャンセルしてレコード屋をよく探したものです。パリのフナックや自由化前のワルシャワ(文化宮殿近く?)やブダペスト(フンガロトン)、そしてウイーン(ドブリンガー)では、珍しいレコードを購入することができました。地図を片手に迷いながらで大変でしたが、楽しく懐かしい思い出です。
しかし、その後CDが主流になって地元にも外資の大型店もでき、またネットで輸入盤も簡単に検索・購入できるようになり、旅行中にわざわざCDショップに足を運ぶということをしなくなってしまいました。
でも、このDussmannはなかなか面白そうですね。日本では手に入らないレーベルのCDなどあれば、とても嬉しいです。今度の旅行の折には、是非行ってみたいです!視聴もしたいですが、時を忘れてしまいそうで・・・。
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>bach!!さん
コメントありがとうございます。
旅先でのレコード探し、なかなか楽しそうですね。CD時代、そしてネット時代になってからは、こういう楽しみが失われてしまったような気がします。Dussmannはいいですよ。本屋も併設しているので、本当に時を忘れてしまうのが難ですが・・・。今度お越しの際には、ぜひお立ち寄りくださいね。