先週は友達の紹介で舞台の演出を志す日本人の女性に知り合い、自分にとって新しい世界を垣間見させてもらった。彼女が日本から持ってきた本の中にあって、1週間の滞在中に借りて読んだのがこの本。
(結局全部は読みきれなかったけれど)
内容は現在のドイツの演劇とダンスの分野で中心的な役割を担う人物へのインタビューなのだが、フランク・カストロフ、ミヒャエル・タールハイマー、ウラジーミル・マラーホフ、ヨハネス・オーデンタールなど多くはベルリンを拠点に活躍する人たちで、それは結局現在のベルリンの舞台シーンを知ることにもなる。こういうガイドを私は欲していたのかもしれない。現在のドイツの劇場シーンが大変刺激的なのはわかっているけれど、あまりに多彩過ぎて全貌をつかむのがなかなか大変なのだ。何も知らないまま作品を観て、口をあんぐり開けたまま帰ってきたことは一度や二度ではない。演出家なりダンサーなりが、どういう理念なり政治背景を持っていて、それをどのように舞台上に反映させようとしているか。そういうことはやはりある程度は知っていた方がよい。この本の執筆者の中には数年前何度かベルリンで舞台をご一緒した方の名前をちらほら見かけ、さらに本への親しみが増した。巻末の「人名・グループ名解説」は舞台鑑賞の指南としても重宝しそうだったので、コピーさせてもらう。
演劇といえば、ベルリンではペーター・シュタイン演出、ベルリナー・アンサンブルによるシラーの「ワレンシュタイン」がいま大きな話題を呼んでいる。先週末にプレミエを迎えたのだが、上演時間はなんと14時から23時30分までの計9時間半。これから10月までの毎週末に行われるだそうだ。会場がノイケルン地区のかつてのベルリナー・キンドルのビール工場というのも興味を引かれる。一度観てみたいとは思うが、自分にも楽しめるかどうか。
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ノイケルンのビール工場跡地というとどこでしょう。ビール工場の跡地は、結構面白い使われ方の例がありますね。
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>ながしまさん
In der Kindl-Halle (auf dem Gelände der ehemaligen Brauerei)
Werbellinstr. 50
12053 Berlin (Neukölln)
だそうです。10時間のワレンシュタインはやはりキツそうなので、他の催しのときに行ってみたいです。ながしまさんが最近ブログで紹介されていた元ビール工場もおもしろそうですね。