「ベルリン 大都市交響楽」(1927)

近所の図書館(AGB)で戦前のベルリンの古いドキュメンタリー映画を借りて観た。原題は”Berlin: Die Sinfonie der Großstadt”だから、 「ベルリン 大都市交響楽」とでも訳せばいいのかしら。Walther Ruttmann監督による、戦前のベルリンを描いた映画としては欠かすことのできない作品といわれている。私は大分前に映画館で観たことがあるものの、記憶がもうあまり定かでなかった。
だが、ばく進する蒸気機関車がまさに「黄金の20年代」の最中にあるベルリンの市街地に入っていく、あのかっこいい冒頭のシーンから一気に引き込まれてしまった。作品は5部(というより5楽章と言う方がふさわしい)から成り、まさにシンフォニーのような構成で都市の1日が描かれる。街が目覚める朝のシーンから始まって、地下鉄での通勤や通学、目が回るような工場のシーン、夜の娯楽や華やかなネオンも印象的。やはりあの時代のベルリンはすごかったという気がする。何気ない街角のシーンに今も変わらないベルリンのDNAを感じることもあれば、ポツダム広場の尋常じゃない交通量や人の多さに驚くこともしばしばだ。大都市が内包するストレス、狂気の側面も感じずにはいられない(現在のベルリンの方がかえってのんびりしていそう)。Ruttmann監督は20年代のベルリンを「生命体としての都市」ととらえ、実験的な手法も交えて生き生きと描き出すことに成功している。
この無声映画は、プレミエ当時と同じように今でもたまにフルオーケストラの伴奏で上映されることがある。9月24日にはベルリン放送響による生演奏付きで観られるそうなので、興味のある方にはおすすめです(詳しくはこちら)。

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4 Responses

  1. Til
    Til at · Reply

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    無声映画なんですか?
    またすてきな映画、紹介してくださいね。

  2. MOTZ
    MOTZ at · Reply

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    興味深い映画ですね。YOUTUBEで数パート見ました。
    同じような格好の紳士がゾロゾロ、急いで電車に乗って・・
    どこか東京の通勤風景に似たものがありました。
    ベルリンで通勤ラッシュらしき現象に出くわした事がないのですが。
    今の方がのんびりゆとりのある街になっているのって
    珍しいパターンですよね。

  3. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >Tilさん
    20年代の無声映画の傑作といったら、ほとんどドイツから出ているのではないでしょうか?「カリガリ博士」とか「メトロポリス」とか、面白いですよ。

  4. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >MOTZさん
    本当だ。"Die Sinfonie der Großstadt"で検索するといくつか出てきてびっくりしました。

    >どこか東京の通勤風景に似たものがありました。
    なるほど、そう見えなくもありませんね。戦前の東京を記録した似たような映画があったら、面白いでしょうね。

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