Oderberger Str.にて(2008年6月9日)
プレンツラウアーベルク地区を歩いていて、このような古色蒼然たる風情のアパートに出会うと、思わず足を止めて眺め入ってしまう。壁崩壊から20年経って、この地区でボロボロの外観の建物はほとんど見かけなくなった。
U2 Eberswalder Straßeの駅から徒歩5分、オーダーベルガー通りの古びた建物の1階にこのようなカフェがある。確かにカフェなのだが、入り口の上には大きくMöbel(家具)と書かれている。どうやら昔は家具屋だったが、過去の文字の痕跡はそのままにカフェになったのだと、連れて行ってくれた知人が教えてくれた。もう少し暖かくなったらまた行ってみたいお店だ。
もう1軒、同じ通りの壁公園(Mauerpark)寄りにある店をご紹介しよう。ここは服屋なのだが、Seifen(石鹸)という文字がやはりそのまま残されている。
いずれも、この町が刻んできた年輪を垣間見るようで、なかなか味わい深い。
関連記事:
石炭屋さん (2007-12-01)
古いアパートに浮かぶ文字
(2008-06-04)
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ああ、なんだかいかにもベルリンらしい光景です。
壁崩壊から2、3年後の90年代の初めにこの地区を訪れた相方は
チェコ製のガタガタの路面電車やバルコニーが落ちる、という
荒れ果てた建物の数々にショックを受けたと言っていました。
今の「トレンディーエリア」ぶりからは想像もつきませんが・・・。
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はじめまして、今日は~!
初めてコメントいたします。
主人のお供で6月にベルリンに行く事になったので
色々調べていたら こちらのブログに着きました^^
過去ログで勉強させて頂きます。
去年一度行った事があるのですが 観光はゼロでした。
古い建物は趣があって良いですが あんまりボロボロだと・・・
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いつも楽しみに読ませていただいております。私の住む町(旧東海道の宿場町)には、たばこ屋呉服店 と、 茶碗屋呉服店 というのがあります。歴史のある町っておもしろい!と思い、つい書き込みたくなりました。
これからも、どうぞお元気でご活躍下さい。かげながら応援しています。
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akberlinさん
橋口譲二さんの『Berlin』という写真集に、90年代初頭のこの地区の様子が詳細に収められていますが、初めて見た時は衝撃を受けましたね。本当に見事に変貌を遂げたものだと思います。
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加代子さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
6月にベルリンにいらっしゃるのですね。ご旅行でしょうか。
私のベルリンブログが何らかのお役に立てば幸いです。
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匿名さん
はじめまして、温かいメッセージをありがとうございます。
>私の住む町(旧東海道の宿場町)には、たばこ屋呉服店 と、
>茶碗屋呉服店というのがあります。
面白いですね。昔呉服屋だった名残でしょうか。「宿場町」という響きには昔から惹かれるものを感じます。日本に帰る時は、そういう歴史ある町を旅してみたいですね。
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しつこくすみません。
たばこ屋呉服店も茶碗屋呉服店も、呉服屋さん(但し、洋服も置いてます)です。この記事のベルリンの店のように、昔 たばこ屋や茶碗屋だった店が呉服屋になったのかと想像しています。
そして、この「宿場町」はマサトさんの御実家から案外近い場所です。住んでいると、わざわざ旅するような所には思えませんが、マサトさんならおもしろい発見をされるのかもしれませんね。
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マサトさん、ベルリンのPrenzlauer Berg地区とまた違った意味でおもしろく最近私が非常に関心を持っているのは北京の「胡同(フートン)」です。胡同とは北京で800年近い歴史を持つ路地街で、最近は再開発でどんどん姿を消しつつあります。最近は北京にも頻繁に出張しますので休日の空いた時間を見つけては胡同を歩き回っていますが、なにか昔のPrenzlauer Bergを歩いているような気持ちにもなります。胡同についてすばらしく紹介されている方のページがありますので以下を御参照下さい。
http://www.geocities.jp/kei_nishio/Beijing_main/index01.html
胡同をPrenzlauer Bergと比較しますと、後者は少なくとも過去から現在に至るまで街路や建物には基本的には連続性があり、今後も建物のrefurnishはあってもradicalな形態変化はないでしょう。ところが前者は建物が解体されるだけでなく街路や区画がすっかり消え去ることになるわけです。すでに相当部分が姿を消しています。残っている胡同の姿を写真に収める...最近はこれに凝りまくっています。
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最近になって非常に優れた「秘密兵器」を購入し、私の最近の胡同撮影・探訪紀行に大いに役立っています。以下です。
http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/accessory/others/
dc.watch.impress.co.jp/cda/item/2008/12/12/9829.html
この装置で撮影時に自動的に写真データに精密な位置情報(緯度、軽度)を埋め込みます。そうしておくと、被写体の胡同が再開発でまるごと姿を消しても、写真がいったいどの場所で撮影されたかを正確に記録に残すことができるわけです。以前からこういうシステムがあったなら私がDDR時代に撮りまくった膨大な枚数の東ベルリンの街角スナップ写真が、いったいどの通りのどこで撮影されたのかを現在でも正確に地図上で明示できたはずで、私家版 <Berlin(Ost) – damals und heute> の作成が容易だったでしょうね(笑)。マサトさんも将来的にでもこれを導入されると取材旅行の写真撮影に絶大なメリットがある思いますよ、特に東欧やロシア・ウクライナなどででね。
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匿名さん
ご説明ありがとうございます。現在呉服屋さんということだったのですか。
>この「宿場町」はマサトさんの御実家から案外近い場所です。
なるほど、意外と品川や川崎だったりするのかもしれませんね(笑)。東京の町歩きも大好きです。
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la_vera_storiaさん
胡同は妻が昔行ったことがあるというので話を聞きましたが、大変面白そうな場所ですね。
「過去から現在に至る連続性」、これは興味深いキーワードです。昨年、東京南千住の昔ながらの路地が残る界隈を約10年ぶりに歩いたら、見事に完全な高層マンション街に変貌していて唖然としたことを思い出します。昔から残るものといったら神社ぐらいで、感慨に浸る余地もありませんでした。中国本土には残念ながらまだ足を運んだことがありません。私が訪れる頃には昔ながらの胡同はもうなくなっているでしょうか・・・
「秘密兵器」、ぜひ記録方法の参考にさせていただきます。