ケーラー連邦大統領が突然の辞任

6月1日の大衆紙BZの一面より
先日、マルティン・レーアさんのインタビューで取り上げたばかりの、ホルスト・ケーラー連邦大統領が、今日突然の辞任を発表。ドイツ中で驚きの声が上がっています。私自身、先ほどこのニュースを知り、とにかくびっくりしました。
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<ドイツ>ケーラー大統領辞任 アフガン発言で批判浴び
5月31日22時2分配信 毎日新聞
【ベルリン小谷守彦】ドイツのホルスト・ケーラー大統領(67)は31日、「我が国の重要で困難な問題について誤解を招く発言をした」として、辞任した。大統領は先に、アフガニスタンへのドイツ軍派遣について「ドイツの経済的利益のために軍事介入は必要」と発言し、批判を浴びていた。
ケーラー氏は04年7月に大統領に就任し、現在2期目。ドイツの大統領は国家元首だが政治的実権は限られ、象徴的な地位とされている。
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確かに誤解を招く発言ではありましたが、ケーラー大統領はそれまでも率直な物言いで知られており、今回のことで辞任に至るとは誰も予想していなかったのではないでしょうか。メルケル首相は12時頃、大統領からの電話で辞任の意向を初めて聞いて驚き、説得もしたそうですが、大統領の決意は変わらなかったそう。ドイツ連邦共和国の歴史で、国家元首である連邦大統領が任期半ばで辞任するのは、わずかな例外を除くと、初めてのことなのです。法律によると、30日以内に連邦会議(Bundesversammlung)で後継者を選ばなければならないことになっています。
それにしても、大統領のたった一言の発言が、命取りになるとは。先日のレーアさんのインタビューの中での、「そして特に大事なのが、政治的な事柄を考慮することです。大統領というのは、政治的なポジションにいるわけですから、大統領のやることなすことすべてがドイツという国家に帰せられます」という言葉の重さを痛感させられました。
関連記事:
マルティン・レーアさんインタビュー(1)(2)



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6 Responses

  1. pfaelzerwein
    pfaelzerwein at · Reply

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    私はこの辞任への見解は車中のラジオで聞いただけでまだ十分に読んでいませんが、その発言自体はその不明確な主旨の如何に関わらず政治的な波紋を呼び起こすに十分なものであったに違いなく、最後まで独自の手法を貫いたかと思います。

    アフガン撤退問題は、金融危機と平行して巷に燻り続けている政治課題の筆頭にあり、その意味から発言によって問題提議したこと自体は大統領の立場として正しく、その議論の方向性から重要な一石を投じたとも解釈出来るかもしれません。しかし、その辞任によって議論の拡大を抑止する必要があったのかどうかは、それはまだ議論の余地があるでしょう。

  2. zaichik
    zaichik at · Reply

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    twitter上の更新で大統領辞任の件について知り、マサトさんの最近のブログについて思い出していたところでした。発言内容やその他についてはまだ詳細を読み込んではいませんが、日本とは違い「辞任」ひとつをとってもドイツでは重さが違うな、と感じさせられました。日本では誰でもかれでもすぐに辞任しますからね・・・ 「またか」っていう。

  3. うのっち
    うのっち at · Reply

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    私も昨日ニュースで聞き知って、びっくりしました。おっしゃる通り、先日のインタビューの意味をまざまざと思い知らされましたね。それにしても、アフガン問題は、ヨーロッパの政治をも揺さぶっていますね。オランダでも連立政権が崩壊したり、ついにはドイツの国家元首までもが・・・。この点でも、アフガン問題の重さ、困難さ、そして影響の大きさが伺い知れます。

  4. MAYU
    MAYU at · Reply

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    日本では今日、鳩山首相が辞任しました。こんなにしょっちゅう首相が変わっていては、日本の信用にかかわると思うのですが。

    今日のゲーテの授業でケーラー大統領辞任のSueddeutschland紙の記事をもらいました。これからじっくり読みます。

  5. キートス
    キートス at · Reply

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    驚きました。ケーラー氏は生え抜きの政治家ではなく、最初から最後まで政治家っぽくない人柄で、それこそ彼の人気の要因だったのですね。これまでの歴代大統領もある意味政治家っぽくないところがありましたが、それは「国民の常識」を表明するという大統領の役目に欠かせないかと思います。一方、ケーラーは政治家に対する批判が強く、政界では嫌われ者であったに違いありません。
    アフガニスタンの発言に対して、政治家のうち一人もケーラーを守らなかったのはその結果です。通常なら、ドイツ連邦軍のガイドラインに実は沿った発言は何の問題も起こさなかったはずです。
    鳩山さんも、政治家っぽくないところが人気の要因で、それこそ結局は政権の崩壊に導いたのでは、と思います。

  6. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    皆さん、重要で興味深いご見解をたくさんいただき、どうもありがとうございます。あの突然の辞任からまだ数日しか経っていないのに、ケーラーの後継者選びはどんどん進んでいますね。メルケル首相が推していた女性のウルズラ・フォンデアライエンは、保守の反対に阻まれ、結局ニーダーザクセン州の州首相Christian Wulffが、与党候補に選ばれました。この時点で、ヴルフの連邦大統領の就任は確実だそうです。世論調査によると、ケーラーに戻ってきてほしいと願う市民の声も依然強いそうですが。

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