毎日新聞のコラム「憂楽帳」より

毎日新聞の夕刊社会面に「憂楽帳」という記者の方が書く短めのコラムがあるのですが、数日前、私の著作『素顔のベルリン』を教科書に使っていただいている徳島大学の授業のことが紹介されました。とてもうれしい機会だったので、許可をいただきここに再掲したいと思います。
憂楽帳:都市の記憶
東西ドイツ統一20年を迎えた昨秋、徳島大でベルリンをテーマにした授業が始まった。題して「記憶の場の教育学」。
最新のベルリンを知るため、教科書は詳細なガイドブック。副教材にはテレビの旅番組やドキュメンタリー、ドイツ映画なども活用している。「第一次大戦から冷戦終結まで、ベルリンには世界史の記憶が塗り込められています。その『都市の記憶』を読み解くことで、歴史をどう伝えるか、考えるのがこの授業の狙い」と、弘田陽介助教(37)は語る。
ベルリンには、博物館や観光名所以外にも、随所に「記憶」を伝える装置がある。地面に延々続く壁の跡。越えようとして射殺された人々の写真、名前、年齢入りの記念碑。強制収容所へユダヤ人を送った列車の行き先、人数、日付を書いた鉄板が並ぶ駅のホーム……。
受講している学生たちは20歳前後で、今まで壁崩壊は「史実」に過ぎなかった。しかし授業を通じて、多くが「ベルリンに行ってみたくなった」という。大災害や戦争を風化させないために、都市自身の「記憶」が果たす役割も大きいのだと知った。【斎藤由紀子】
毎日新聞 2011年1月24日 大阪夕刊
弘田先生と学生の皆さんとは、スカイプを通じて2回ほどゆっくりお話させていただきましたが、自分がベルリンでやって来たことを見つめ直す意味でも、大変いい機会でした。斎藤記者のこの記事を拝読して、特に若い人たちにもっとベルリンに来てほしいなと改めて思いました。
日本からこの街を目的に来る旅行者の数はまだまだ少ないですが、一方でベルリンを訪れる旅行者全体の数はここ数年右肩上がりなのです。つい最近、「ベルリンは、ローマを抜き、ロンドン、パリに続いて欧州で3番目に人気のある旅行目的地になった」という記事も読んだほどです(Spiegel誌のサイトより)。

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4 Responses

  1. 弘田 陽介
    弘田 陽介 at · Reply

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    中村さん、1/18日に長時間、スカイプで
    学生とお話くださりありがとうございました。
    また斎藤さんも徳島までわざわざ取材に来ていただき
    ありがとうございました。
    今後も形を変えて、このような形で
    日本とベルリンをつなぐ授業をやっていければと思います。
    またこのブログを見られている方の
    お知恵も借りることができればとも考えております。
    加えて、もし徳島大学の学生で見られている方がいれば
    どうぞスカイプでの話や授業の感想など
    書き込んでください。

  2. mika
    mika at · Reply

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    確かに現地に行ってみて、日本人の少なさにびっくりしました。博物館島ではよく見かけましたが他の場所ではあまり遭遇しません。博物館島以外にも見所はたくさんありますし、現在歴史博物館でヒトラー展をやっていますが、ぜひ多くの人に行っていただいて、歴史を感じてもらいたいと思いました。

  3. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    弘田さん
    この度はこちらこそどうもありがとうございました。ベルリンの自宅の部屋と徳島大学の授業とがこんな風につながるなんて、少し前なら想像もできないことでした。弘田先生はもちろん、今回この授業を受講された皆さんと、今度はベルリンでお目にかかれるのを楽しみにしています。

    mikaさん
    本当にそうなんですよね。普段街を歩いていても、日本人の個人旅行者をあまり見かけませんから。

    >博物館島以外にも見所はたくさんありますし、
    ベルリンのことをアピールしていただき、ありがとうございます(笑)。ヒトラー展のことは近々取り上げるつもりなので、またご覧くださいね。

  4. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    magdalenaさん
    はじめまして、興味深いテーマの論文ですね。機会があれば、ぜひ読んでみたいです。

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