最近発売になった「家庭画報」2015年1月号が、「ベートーヴェンの軌跡を巡る」と題して、ベートーヴェンの特集を組んでいます。彼の生誕地であるドイツのボンと作曲家としての飛躍の場となるウィーンの2都市で構成されており、ボン編の取材コーディネートをさせていただきました(ナビゲーター役はピアニストの仲道郁代さん。音楽評論家の伊熊よし子さんが記事を書かれています)。
ボンは、ベルリンを除くと私がドイツで唯一長期間滞在したことがある街。学生時代、ボン大学のサマーコースに参加したのが、ドイツに「住んだ」最初の機会でした。今回ベートーヴェンという切り口で、ボンのことを調べ、取材に同行することができたのは幸せでした。家庭画報ならではの大判の写真を眺めていると、ベートーヴェン博物館でラーデンブルガー館長と学芸員のケンプケンさん直々に案内していただいたことや、仲道さんが1824年作のグラーフ製のピアノを弾かれたときのやわらかい音色が、鮮やかな記憶としてよみがえってきます。また9月に、ベートーヴェン音楽祭の取材でアンドリス・ネルソンス指揮の「第9」やピアニストのレイフ・オヴェ・アンスネスが弾く協奏曲を聴き、さらに彼らに直接お話を伺えたことは、私にとって宝物のような経験になりました。書店などで見かけたら、ぜひお手元に取っていただけたらと思います(新春特別付録も付いています)。
それにしても、お正月の記事を眺めていると、日本の年末年始がちょっと恋しくなりますね^^;)。
以下は「家庭画報」のHPより
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【最新号】2015年1月号歓喜の調べで新年を寿ぐ ベートーヴェンの軌跡を巡る
聴く者の心に、歓喜と、情熱と、希望をもたらしてくれるベートーヴェンの音楽。新年を迎えるこの時期にふさわしい名曲が生まれたゆかりの音楽都市ボンとウィーンを訪ね、ベートーヴェンの魅力に迫ります。
中村真人様
はじめまして。ベルリン在住のブロガー様のリンクを辿り、貴ブログに辿り着きました。
過去の記事を数十ページ拝読しましたところ、特に此方の記事に目が留まりました。「ベートーヴェンの軌跡を巡る」は、多くの特集の中でも群を抜く素晴らしい保存版と思い、発売と同時に購入した家庭画報1月号でした。美大生の頃から貴重なアート本などコレクションする趣味がありますが、此方も大切に保存しています。ベートーヴェンの遺髪お写真には、感極まりました。
その他、ベルリン演奏会のご感想、メンデルスゾーン作曲『真夏の夜の夢』『宗教改革』やフェリックスのご両親のお墓、バイロイト音楽祭のお話、アンドラーシュ・シフ、タカーチ弦楽四重奏団など大変興味深く、これから時間を掛けて読ませて頂きます。又、「ブルックナーといいワーグナーといい、米やそばが主食の文化からは絶対生まれ得ない音楽」との表現がツボにはまり、思わず笑ってしまいました。
それでも意外なことに、ワーグナーはフランスとイタリア暮らしの経験から、リゾットやライスプディングまで、好んで食したとの話もあります。日本人に対するお褒めの言葉も「リヒャルト・ワーグナー/激動の生涯:渡辺護」で知った時は、本当に驚きました。音楽も良いですが、本も素晴らしいです。これから「家庭画報」を読み直し、一日を終えようと思います。失礼致しました。
michelangelo様
ご丁寧なコメントをいただき、ありがとうございました。
(すっかりお返事が遅くなってしまい、すみませんでした)
ブログについてのご感想、嬉しく拝読しました。
昨年秋の「家庭画報」ベートーヴェン特集の取材でボンに行ったことは懐かしい思い出です。雑誌の特集をこうやって大切に取っておいてくださる方がいることを知ると、やってよかったなと思います。音楽に絡んだ話題はまた折に触れてお届けするつもりですので、またいつでもいらしてください。