ドイツニュースダイジェストは、日本にお住まいの方にはあまり馴染みがないと思いますが、ドイツ在住の邦人の方は、おそらく一度はどこかで目にされたことがあるのではないでしょうか。日本関係のお店やレストランなどによく置いてあるフリーペーパーです。同紙はデュッセルドルフに拠点を構え、姉妹紙としてイギリスとフランスにも同名のニュースダイジェストがあります。私個人2007年から毎月寄稿してきた(連載記事はこのブログにも転載させていただいています)このドイツニュースダイジェストが、つい最近、記念の1000号を迎えました。数年前からそれまでの週刊から月2の発行になったものの、このご時世、広告費だけの収益でフリーペーパーを続けるのはなかなか大変なことだと想像します(私は一ライターに過ぎないので、その辺のスタッフの方々の苦労はわかりませんが)。大手新聞などに比べると本当に小さなメディアではありますが、ドイツ在住者やドイツに関心のある人々の貴重な情報源として、これからも続くことを願いつつ、ご紹介させていただいた次第です。1000号では、岡崎慎司選手のインタビュー、村上春樹作品の翻訳者ウルズラ・グレーフェ氏のエッセイ、日独の知られざる歴史に迫る記事など、なかなか充実した特集記事が並んでいますので、よかったらぜひお読みください(HPよりすべての記事をお読みいただけます)。
さて、一昨日(5月8日)ドイツは70回目の終戦記念日を迎えました。最新の1001号の終戦70周年特集で、フォルカー・クレップさんというまさに1945年5月8日に生まれた方のインタビュー記事を書かせていただく機会がありました。ベルリン広しといえども、この日に生まれた人を探そうとしても、そう簡単には見つからなかったと思いますが、知人を介した偶然のつながりで出会うことができました。ドイツとヨーロッパの歴史において、極めて重要な日に生まれた一人のドイツ人が何を考えて生きてきたのでしょうか。クレップさんのご両親は、外国生まれのドイツ人という背景を持つゆえ、彼自身のドイツ社会での立ち位置や一般のドイツ人との感じ方の違いも、興味深いところではないかと思います。合わせてお読みいただけると幸いです(こちらより)。