コリーンの修道院を訪ねて(3)

この日コリーンにやって来たのは、修道院跡を見学するためでも、廃墟の美に感じ入るためでもなく、ここで音楽を聴くためだった。東独時代からすでに半世紀近く、毎年夏に「コリーンの音楽の夏」(Chriner Musiksommer)という音楽祭がこの修道院跡を舞台に開催されているのである。8月28日の午後、今夏の締めくくりのコンサートがここで行われたのだった。
入り口から中に入ると、広々とした芝生が広がる。中世の修道院跡をどのように使ってコンサートが行われるのか、楽しみだった。
この日ここで演奏したのは、目下来日公演中のマレク・ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団(ちなみに、今回の来日公演のプログラムに寄稿させていただいています)。この音楽祭、ベルリン放送響以外にも、コンツェルトハウス管弦楽団やフランクフルト・オーダーのブランデンブルク州立歌劇場管など、旧東独の有名な楽団が毎年登場している。「コリーンの音楽の夏」の存在は知っていたが、まさかこんな場所が舞台だとはちょっとびっくり。
私はリハーサルを聴くために少し早めにやって来て、首席フルートのシャーフさんにお話を伺ったりしているうちに、芝生のある中庭には多くの人が集まっていた。奥に見える建物が修道院付属の教会。ここがコンサートの舞台になっている。
こちらが教会の内部。この日はベートーヴェンの「英雄」が演奏されたのだが、さすがに編成はかなり縮小されていた。中庭の芝生にシートを敷いて聴いている人たちからは、舞台は全く見えないのだけれど、それでも冒頭の写真のように皆さんパンや手作りのケーキ、ワインなどを持参して、思い思いに音楽を楽しんでいた。この点は、ヴァルトビューネのピクニックコンサートと同じだ。
休憩時間中、修道院の中をぐるっと回ってみたが、内部は博物館にもなっていて、また改めてゆっくり訪れたいと思った。
コンサートが終わると、通りに面してシャトルバスが待ち受けていて、コリーンの駅まで今度はわずか10分足らずで運んでくれた。おそらく多くの人は車で来ているのだろうが、(最初に書いたように)天気がよければ、駅から山を越えこの修道院まで歩いて来るのもなかなかいいものである。ベルリンから気軽に来れて、「中世」を感じられる場所としても貴重だと思う。
http://www.kloster-chorin.com

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