発掘の散歩術(25) -マックス・リーバーマンの理想郷-
ベルリンの西の郊外、Sバーンのヴァンゼー駅から114番バスに乗り、湖沿いの高級別荘街を走ること数分、Liebermann-Villaと書かれたバス停で降りた。ベルリン分離派の創立者でプロイセン芸術アカデミーの総裁を務める…
発掘の散歩術(24) -ボヘミア村の誕生日-
6月の週末、ノイケルン地区で開催されたアートイベント「48時間ノイケルン」を見に行ったときのことだ。同地区内のリクスドルフ(ドルフ=村)を歩いていたら、普段は静かなこの場所に祝祭的な雰囲気が漂っている。キルヒガッセという…
発掘の散歩術(17) -ヤギが闊歩する「都会の中のパラダイス」-
昨年夏のある日、シャルロッテンブルク宮殿の南側のダンケルマン通りを歩いていた時のこと。ごく普通の建物から中庭に抜ける道に、人の流れができていた。何だろうと思い、その流れに吸い寄せられるように中庭に抜け出ると、そのまぶしい…
発掘の散歩術(16) – マルツァーンの世界庭園 –
今年6月、皇太子殿下のドイツ公式訪問の際、「おや」と感じたのが、マルツァーンの保養公園(Erholungspark Marzahn)がベルリンでの日程に含まれていたことだった。日本の皇太子と旧東独の郊外の団地街の象徴であ…
発掘の散歩術(15) -ケーペニックともう1つの「キーツ」-
ベルリン中央駅から東にSバーンで30分ほど、シュプレー川とダーメ川がちょうど交わる地点に位置するケーペニックは、ベルリン在住の人も「観光」目的で一度は訪れる価値のある町だ。ここには中世の城塞都市だった頃の面影がいまだ濃厚…
発掘の散歩術(4) – 出発進行!子ども鉄道 –
ベルリンの中心部から東のエルクナー(Erkner)行きのSバーンに揺られること約30分、ヴュールハイデ駅で降りると、跨線橋を隔てた向こうにもう1つ小さなホームが見えた。 「ヴュールハイデ公園鉄道」と書かれたホームに立って…
発掘の散歩術(2) -シュパンダウの旧市街-
前回「キーツ」の原点を訪ねたので、もう少しベルリンの原初風景を求めて歩いてみたい。だが、現在のベルリンで中世の街並を見つけるのは極めて難しい。かろうじて、ベルリン最古のニコライ教会の周りに、メルヘンに登場するようなかわい…
発掘の散歩術(1) -「キーツ」の原点を訪ねて-
「ベルリンの人々は、それぞれの『キーツ』に住んでいる」という言い方がある。キーツ(Kiez)とは、ある広場や通りを中心にした地域のまとまりのこと。行政上の区域というよりは、社会的な関係性を重視した集合体といえるかもしれな…
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