オクサーナ・リーニフ、リヴィウ、そしてウクライナのこと
オクサーナ・リーニフというウクライナ出身の女性指揮者の名前を知ったのは、一昨年の秋のことだった。日頃からお世話になっている音楽愛好家の編集者(仮にAさんとさせていただく)から教えてもらった。「今欧州を中心に活躍の場をどん…
藤野一夫氏による論考『新型コロナ危機に対するドイツの文化施策』
先週、ベルリン在住の作家、多和田葉子さんによる『理性へ、彼女は静かに訴える』というエッセイが朝日新聞に掲載されました。現在のドイツとベルリンの様子がよく伝わってくる内容だったのですが、その中で特に印象に残った箇所を下記に…
ラーヴェンスブリュック強制収容所解放から75年
今年は戦後75年の年。このような節目の年には、特に4月に入ると「今日はどこどこの強制収容所が解放されてから00周年です」というニュースが連日のように新聞やテレビで報じられ、ヨーロッパの終戦記念日にあたる5月8日から9日に…
久々のブログ更新
今年はブログで新年の挨拶もできないまま3月も半ばになってしまいました。年明けまで『ベルリンガイドブック』の新装改訂版を作る作業で手が抜けず、その後すぐ家族で日本に一時帰国。2月半ばにベルリンに戻ってからまた慌ただしい日々…
NHK語学番組「旅するユーロ」の新連載「ヨーロッパ鉄道紀行」
この10月から、NHK Eテレの語学番組「旅するユーロ」シリーズのテキストで私の新しい連載が始まりました。これまでドイツ語講座には何度か書かせていただく機会がありましたが、今回はドイツ語に加えて、フランス語、イタリア語の…
秋のヴュルツブルク紀行(2)
2016年も残りあとわずか。いまさらながらではありますが、10月に南ドイツのヴュルツブルクに旅行したときの続きの話を書いておきたいと思います。ご興味のある方は、以下のページからお読みください。 菅尾友さんが演出するマイア…
「黄金の20年代」に触れる展覧会
劇的な道を歩んだ20世紀のベルリンの歴史の中で、今でも燦然と輝く伝説の時代があります。「黄金の20年代」と呼ばれる1920年代です。二つの大戦のはざまにあり、自由な雰囲気の中で文化や芸術が花開いた一方で、どこか危うげな香…
リューゲン島への旅(3) – 蒸気機関車に乗ってゲーレンへ –
(前回の続き)リューゲン島のビンツまで来たからには、バルト海の砂浜のほかに、もう一つ体験しておきたいものがあった。9月16日の10時過ぎ、ホテルの近くから出るバスに乗って駅に向かった。といっても、ベルリンから来る際に利用…
発掘の散歩術(65) ベルリンの難民をめぐる話(1)
-ユグノー教徒たち-
難民の問題を報じるドイツの新聞記事を読んでいると、現在起きていることだけでなく、かつてこの国に押し寄せて来た難民の歴史的経緯を取り上げた記事に出会うことがある。背景や規模はそれぞれ違うにせよ、地続きの欧州の人々にとって、…
リューゲン島への旅(2) – ビンツの砂浜で –
(前回の続き) 4時間かけてリューゲン島の東端にあるビンツに到着した翌日、宿から近い海岸に行ってみることにした。私たちが訪れた9月半ば、すでにバカンスシーズンは終わっていたが、メインストリートはそれでも結構賑わっていた。…
リューゲン島への旅(1) – ビンツへの直通列車 –
長男が誕生して間もなく10ヶ月。最初の頃はベビーカーで近所の公園に行くだけでもドキドキしたものだが、少しずつ行動範囲が広がってきた。なんといっても、生後3ヶ月で日本のパスポートを取得し、翌月日本に一時帰国したのは大きな出…
発掘の散歩術(62) – 番外編:ブランデンブルク州
彫刻家 大黒貴之さんと巡るハーフェルラント
ベルリン動物園駅からRE(地域間急行)に乗って西へ約30分、電車はパウリーネンアウエという小さな無人駅に到着した。ベルリンとハンブルクを結ぶ幹線上にある駅だが、途中下車をしたのは初めてだった。煉瓦造りの堂々たる駅舎に比し…
消えゆく夜行・長距離列車
「夜行列車」という言葉には、洋の東西を問わず旅心を誘う響きがあります。今年の3月限りで日本のブルートレインは全廃されることになりましたが、残念ながら欧州でも、夜行列車や長距離列車は縮小傾向にあります。昨年12月14日のド…
『音遊人』2013年3月号「ウィーン特集」
ヤマハの会員誌『音遊人』の3月号が刊行されました。昨年は6月号のドイツ特集でお世話になりましたが、今回の特集は「ウィーン 音楽に向かう旅」。実は昨年11月、ニコラウス・アーノンクール指揮によるモーツァルトのコンサートを聴…
カダケスへの道(3)
カダケスの中心部を望む(2012-03-24) 今回車で来てみてわかったことだが、カダケスはスペインの最東北端に位置し、周りの街から隔絶されているがゆえ、昔からの漁村の風景が手つかずのまま残ったのだという。現在の人口は2…
カダケスへの道(2)
Casa-Museu Salvador Dalí (2012-03-23) 今年も残りわずかとなりましたが、書き初めてはみたものの休止状態になっている旅行記がいくつかあるので^^;)、何とかそれを年内に片付けたいと思いま…
第1アドヴェントのウィーン
Stephansdom Wien (2012-12-03) この2週間の間に、ウィーンに2度ほど行く機会がありました。最初は雑誌の取材で、そして先週末はプライベートで(これは数ヶ月前から計画していた旅でした)。先週末はち…
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