ウクライナ紀行(9) 旅の終わり

(前回の続き)

10月15日、いよいよキエフを後にする。帰りはベルリン行きの直通列車に乗る予定だったのだが、2日前に窓口に行ったら、すでに全席売り切れ。帰国を一日遅らせることも考えたのだが、こーどーくんの勧めでワルシャワ経由で帰ることにした。少し遠回りにはなるが、運賃は安くなる。キエフからワルシャワまでの切符は290グルブナ(約48ユーロ)だった。ちなみに、ベルリンに戻ってから、今回の旅行の総費用を計算したところ、約235ユーロという数字が出てきた。8日間これだけ堪能してこの値段。言葉の壁などはあるが、ウクライナは十分旅行するに値する国であるとお勧めしたい。

さらに1週間ほどウクライナの旅を続けるというこーどーくんと別れ、12時36分発の列車で4日間滞在したキエフを後にする。列車内では、本を読んだり、昼寝したりとのんびり過ごした。深夜、ウクライナとポーランドとの国境を越えたが、ヨーロッパの国境越えでこれほど厳しいチェックを受けたのは、初めてだったかもしれない。

翌朝早朝の5時41分、ワルシャワ中央駅着。少し時間があったので、駅の外に出てみると、社会主義時代に建てられた文化科学宮殿がどーんと目に入ってきた。ワルシャワ中央駅を利用するのは2回目だが、首都の中央駅としての雰囲気に乏しく、どうもあまり好きになれない。ちょうどこの時期、5年に1回のショパン・コンクールがこの町で行われていた。

7時25分発の「ベルリン・ワルシャワエキスプレス」に乗り継ぐと、後はベルリンへひたすら走るのみ。ウクライナで乗った列車に比べ、それはなんと快適だったことだろう。スピードを出しても揺れがほとんどないし、内装もシートもきれいだ。食堂車に移動して朝食を取ったが、コーラを注文してチキンが出てくることも、もうない(こちらをご参照)。ウェイターはポーランド人だったが、ドイツ語が話せるし、会計もユーロでできる。EU圏に戻って来たのだと実感。

再びオーデル川を渡り、ポーランドとドイツの国境を越える。

やがてベルリンの中心部が視界に入ってくる。8日間ほど離れただけなのに、ベルリンに戻るといつもほっとしてしまう。

やがて、テレビ塔が見えると、ベルリンに帰って来たことを真に実感する。

13時半頃、定刻より少し遅れてベルリン・ツォー駅に無事到着。長らくベルリンの長距離列車のターミナルとして役割を担ってきたツォー駅だが、来年ベルリン中央駅が開業すると、その座を明け渡すことになる。ツォー駅には、短距離の列車しか発着しなくなる予定。

(長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。次回からは再びベルリン中心の話に戻る予定です)



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4 Responses

  1. lignponto
    lignponto at · Reply

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    今日で終わりだったんですね。ベルリンの話も楽しみにしてます。

  2. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    ありがとうございます。天気はリヴィウまで最高だったのですが、後半のキエフでは毎日曇り空で、あまりきれいな写真をお見せできなかったのが残念です。それでもウクライナの様子が少しでも伝わったのならば、うれしいですが。

  3. havigo
    havigo at · Reply

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    ウクライナ紀行、本当に楽しませて頂きました!
    島国に居ると想像もつかないコトばかりで勉強になります。
    たくさん感想を申し上げたいトコロですが…
    その都度、コメントを寄せればよかった(汗)
    これからもいろいろなお話しを楽しみにしております!!

  4. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    楽しんでいただけたようで、うれしいです。少々長過ぎたかな、とも思っていましたが。ウクライナから帰って来て、やはりいつかロシアには行ってみたいなと思いました。さらにディープな世界が待っているのでしょうし、そのためには今度こそキリル文字はマスターしないと。

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